【あったか!】温かな気持ちになる暖色カラーの冬の寄せ植え
日向を選んで歩いてしまうこの季節。少しでも暖をとりたいですよね。庭にも陽だまりや暖炉の炎のような暖色の花を取り入れてみませんか。赤色はお正月や成人式など、ハレの日のお祝いのカラーとしてもぴったりです。鳥取県米子市のガーデニスト面谷ひとみさんとガーデナーの安酸友昭さんが作る、冬に温かな気持ちにさせてくれる暖色カラーの寄せ植えをご紹介します。
目次
暖色カラーの冬の寄せ植え素材
庭の植物は寂しくなるものの、冬はじつは寄せ植えに最も適した季節で、花材も豊富に揃います。上の植物(下に解説)は定番の素材で、暖色カラーもバリエーション豊か。クリニックは患者さんが開院時間の前から玄関に並んでくださるので、少しでも温かい気持ちになっていただけるよう、庭にもこうした暖色の花を取り入れた寄せ植えを作ってお迎えしています。
【写真左上から時計回りに】
- パンジー・ビオラ/花がらを摘むことで次々に花をあげ、5月頃までよく咲く一年草。
- チェッカーベリー/赤い実がかわいい低木。夏越しが難しいので一年草扱い。鉢縁に入れて赤い実がこぼれるようにすると魅力が際立ちます。
- ガーデンシクラメン/庭植えや鉢植え用の寒さに強いシクラメン。強い霜や雪にあたると花が傷むので、軒下などに置くとよいでしょう。
- スイートアリッサム/這うように広がって、こんもり花を咲かせる一年草。白花が一般的ですが、近年は赤やピンク、オレンジなども展開しています。
- ミニバラ/四季咲き性が強く、冬の寄せ植え花材として重宝します。寒さで病害虫の被害が少なく、花も冷蔵保存されたかのように一輪が長もちします。
真っ赤なリンゴを添えた寄せ植え
鉢の中央に赤いパンジーとカルーナ、ワイン色の斑が入るカラーリーフのコプロスマとキンギョソウ‘ブランルージュ’を配し、鉢縁周辺にスイートアリッサムやチェッカーベリーを植栽しました。カラーリーフは寒くなるにつれ発色が鮮やかになり、冬の寄せ植えで重宝します。春に向けてパンジーやスイートアリッサムはどんどん花数が増えて、最終的に鉢からあふれるほどふわふわになりますが、植えた当初は花数がゆっくり増えるので、赤いリンゴを置いて色を足しました。装飾用のリンゴは、フラワーショップなどで手に入ります。
受験生のいるお家に! たわわに実るペルネッティアの寄せ植え
冬の赤い実ものといえば、チェッカーベリーと並んで人気のペルネッティア。別名ハッピーベリーとも呼ばれ、花言葉は「小さな幸せがいっぱい」「実る努力」です。そんな花言葉から、この時期、受験勉強に励むお子さんがいるお宅におすすめの寄せ植えです。4人の子どもの受験を経験した私ですが、受験生のいる家では、本人のみならず見守る親御さんも内心ヤキモキ、ハラハラの毎日をお過ごしのことと思います。が、親が代われるものでもなし! 美しい寄せ植えを作ってご自身の心も、勉強に励むお子さんもリラックスさせてあげましょう。美しいものには心を癒やす力がありますよ。ふんわりピンクのビオラと少し濃いピンクのストック、白いスイートアリッサムを合わせました。たくさんの幸せが訪れますように!
パンジー、スイートアリッサム、チェッカーベリー、ペルネッティアをたっぷり植え込んだ大鉢の寄せ植えです。これらの花は、冬場は草丈が低くペタッとしてしまいがちなので、ツンツンとライン状に生育するカルーナを入れてアクセントにしました。カルーナも冬の寄せ植えでとても活躍してくれる名バイプレイヤーです。
大鉢におすすめのエリカの寄せ植え
鉢の中央に植えたのが、エリカ。カルーナの近縁種の低木で、細い茎にライン状に花がつきます。冬の花材の中では草丈が高いので、大鉢や冬花壇の後方で活躍します。この大鉢の寄せ植えでは白いエリカを鉢の中央に配置し、周囲に草丈の低いパンジーやカルーナをぐるりと植えました。鉢の縁にはチェッカーベリーも入っています。
シクラメン×パンジーの紅白おめでとう寄せ植え
赤いガーデンシクラメンとブルーホワイトのパンジーをメインにした、紅白のおめでたい雰囲気の寄せ植えです。それぞれ3つずつ三角形になるように配置し、間にはチェッカーベリーやカルーナを入れました。ガーデンシクラメンは寒さに強く外で育てられるように改良された品種ですが、強い霜や雪にあうと花が溶けるように枯れてしまうので、軒下などに鉢を置くのがおすすめです。
冬こそおすすめのミニバラの寄せ植え
この時期は、ガーデンセンターや園芸店にミニバラの開花株がたくさん並びます。開いた花はこの時期、寒さで咲き進むことがなく、屋外ではまるで冷蔵保存されたかのように、1カ月以上美しい姿を保ちます。ミニバラといえどもバラの気品を漂わせ、存在感も抜群なので、寄せ植えでは間違いなく主役になります。ここではピンクのミニバラに赤いガーデンシクラメン、パンジー、斑入り葉のキンギョソウ‘ブランルージュ’、エリカを合わせました。
この大鉢の主役は赤い花のストックです。ストックは花もちがとてもよく、冬の庭の植物の中では草丈が30〜40cmと高いほうで、寄せ植えや花壇に立体感を出すのに重宝します。ストックの周りにカルーナ、コプロスマ、パンジー、スイートアリッサムというように、鉢縁に向かうにつれ草丈が低くなるよう植栽しています。
暖色には心理的に2〜3℃の温度感の上昇を生じさせ、前向きで楽しい気持ちにさせる効果があるとか。ぜひ暖色カラーの草花を寄せ植えにも取り入れて、ハッピーな気持ちで一年をお迎えください!
Credit
話 / 面谷ひとみ - ガーデニスト -
おもだに・ひとみ/鳥取県米子市で夫が院長を務める面谷内科・循環器内科クリニックの庭づくりを行う。一年中美しい風景を楽しんでもらうために、日々庭を丹精する。花を咲き継がせるテクニックが満載の『おしゃれな庭の舞台裏 365日 花あふれる庭のガーデニング』(KADOKAWA)が好評発売中!
- リンク
まとめ・写真 / 3and garden
スリー・アンド・ガーデン/ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。
- リンク
記事をシェアする
新着記事
-
ガーデン&ショップ
「第3回 東京パークガーデンアワード 砧公園」 ガーデナー5名の“庭づくり”をレポート!
第3回目となる「東京パークガーデンアワード」が、東京・世田谷区にある都立砧公園でキックオフ! 作庭期間は、2024年12月中旬に5日間設けられ、書類審査で選ばれた5名の入賞者がそれぞれ独自の手法で、植物選びや…
-
宿根草・多年草
花束のような華やかさ! 「ラナンキュラス・ラックス」で贅沢な春を楽しもう【苗予約開始】PR
春の訪れを告げる植物の中でも、近年ガーデンに欠かせない花としてファンが急増中の「ラナンキュラス・ラックス」。咲き進むにつれさまざまな表情を見せてくれて、一度育てると誰しもが虜になる魅力的な花ですが、…
-
ガーデン
都立公園を新たな花の魅力で彩る「第3回 東京パークガーデンアワード」都立砧公園で始動
新しい発想を生かした花壇デザインを競うコンテストとして注目されている「東京パークガーデンアワード」。第3回コンテストが、都立砧公園(東京都世田谷区)を舞台に、いよいよスタートしました。2024年12月には、…