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【秋の庭づくり】球根と花苗、どっちを先に植える? 球根と花苗の植え方

【秋の庭づくり】球根と花苗、どっちを先に植える? 球根と花苗の植え方

秋は来春花咲くチューリップやヒヤシンスなど、球根の買い時、植え付け時期です。でも、これから先にはパンジーやビオラ、ガーデンシクラメンなど冬に咲く一年草もたくさん店頭に並ぶようになります。それらの花苗と球根、どっちを先に植えるのか、迷っていませんか? 庭植えと寄せ植え、それぞれのケースでの植え方をガーデニストの面谷ひとみさんに伺いました。

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春に美しい花を咲かせる秋植え球根

チューリップ
淡いピンクのチューリップ‘シルバークラウド’の足元に小型の原種系チューリップ‘ブライトジェム’を。

来年の春に美しい花を咲かせるために、この秋に植える球根を「秋植え球根」と呼びます。チューリップ、スイセン、ヒヤシンス、ムスカリ、クロッカス、スノードロップなどたくさんの種類がありますが、さらにチューリップだけでも7,192の品種が登録されており(王立球根生産者協会|2022年4月現在)、その数は毎年増え続けています。

なくなる前にゲット! 秋植え球根は今が買い時

秋植え球根

そんなわけで、よりどりみどりの秋植え球根ですが、販売されている期間は限られており、遅くとも11月まで。人気の品種は早々に売り切れてしまうので、園芸店やホームセンター、通販などで早めに購入しておくことをおすすめします。でも、植えるのは少し待って。秋植え球根の植えどきは「イチョウの黄葉」が目安です。

秋植え球根の植えどき目安「イチョウの黄葉」はいつ?

イチョウの黄葉は地域によって異なり、ちょうど桜前線と逆行するように北から南へ移動します。気象庁が発表しているイチョウの黄葉日の平年値は、以下の図の通り、10月末から11月末。

イチョウの黄葉
出典/気象庁「生物季節観測の概要」

日本気象株式会社によると、今年は夏に続き、秋の気温も高いことから、北日本・東日本では平年並みか平年よりやや遅め、西日本では平年並みと予想されています。ですから、球根を植えるのはもう少し後が理想的。暖かすぎると球根が土中で傷み、花が咲かなくなってしまったり、咲いても草丈が伸びずに本来の美しさが見られないことがあるので、十分寒くなってから植え付けましょう。

秋植え球根は適期を守れば成功率はダントツ! 原種も推し!

アネモネ・フルゲンス
原種のアネモネ・フルゲンス。植えっぱなしで毎年よく咲き丈夫。

植えどきさえ守れば、秋植え球根はほとんど失敗することなく来春に可愛い花を見せてくれます。というのも、あのぷっくりとした球根の中には、すでに花芽も葉も茎も作られており、それらを育てるだけの栄養も蓄えてあるので、あとは土に埋めさえすればOK! ガーデニングビギナーも大成功へと導いてくれますよ。特におすすめなのは「原種系」。寿命が長く、丈夫で毎年繰り返し咲いてくれるコスパのとてもよいグループです。原種系のおすすめについてはこちらをご参考に。

マストバイ“原種・神7” 植えっぱなしで、よく増え、かわいい!

球根の咲く春の庭
原種系の植物を植えたエリア。小型でかわいい花が集い咲きます。

チューリップは開花期に注意

チューリップ‘パープルハート’と‘ビューティートレンド’
チューリップ‘パープルハート’と‘ビューティートレンド’の共演。

チューリップは品種によって早咲き、遅咲きがあり、開花時期に1カ月近い差が出ることも。ですから、いくつかの種類を組み合わせて「共演」させようとする場合には、開花期を揃えて選びましょう。開花期が異なると、共演が見られません。一方、開花期の異なるものをうまく組み合わせると、チューリップが咲き継ぐ「リレー」が楽しめます。目的によって開花期に注意して選びましょう。

秋植え球根と花苗の植える順番

チューリップとパンジー&ビオラ
チューリップとパンジー&ビオラの春の共演。

秋植え球根の植えどきを楽しみに待っている間に、園芸店にはパンジーやビオラ、ガーデンシクラメン、ネメシアなど、晩秋から翌春まで咲いてくれる一年草の花苗もたくさん店頭に並ぶようになります。これらの花と秋植え球根をともに植えると、庭植えでも鉢植えでも、翌春はとても華やかな景色が楽しめます。ここで疑問なのが、どちらを先に植えるのかということ。花苗が先でしょうか? それとも球根が先でしょうか?

庭植えなら花苗を先に植えましょう

球根の植え付け
花苗の間に球根を植えていきます。

パンジーやビオラなどの花苗と秋植え球根を同じエリアに植える場合には、花苗を先に植えましょう。球根は一度土に植えてしまうと、芽が出るまではどこに植わっているか、地上からは分からなくなります。ですから、球根を先に植えると、後から花苗を植えるときに掘り返してしまったり、シャベルで傷つけてしまったりします。パンジーやビオラは11~12月にも新品種が出てくるので、それらを植えたい場合は、球根の植え付けを1月まで(雪の降る地域では降雪前まで)待っても大丈夫です。

球根の植え付け
チューリップの球根は、球根の2倍くらいの深さに植えます。球根植え専用のツールがあると、花苗の根を傷つけないので便利。

草花との共演に向くチューリップ

春の庭

チューリップは品種によって葉っぱの幅が広く、成長した際に大きな葉が周囲の草花を覆い隠してしまうものもあります。ですから、草花と共演させる場合には、葉っぱの細めのものを選んでいます。上の写真の‘シルバークラウド’は葉が細く華奢な感じがしておすすめです。ほかに、‘パープルハート’と‘ビューティートレンド’もおすすめ。

春の庭
チューリップ‘パープルハート’と‘ビューティートレンド’も葉が小さめで優雅な雰囲気で咲きます。

ムスカリや原種チューリップなどの小球根の植え方

小球根の植え付け
小球根は1穴にドサッと植えます。

ムスカリや原種チューリップ、クロッカスなど、小型の花の球根類を小球根と呼びます。小球根は1穴にドサッとまとめて植えると、咲いたときにブーケのように華やかなので、基本的に私はそのように植えていますが、場所によっては点在させても面白い風景になります。

ムスカリと原種チューリップ
ムスカリと原種チューリップを1穴に混植して咲かせました。
球根花
グラウンドカバーの中にポツポツと点在させて咲かせても風情があります。

鉢植えなら球根を花苗の下に

春の寄せ植え

1鉢の中にチューリップとパンジー&ビオラを一緒に植える場合には、まず球根を植えた、その上に花苗を植えます。すると、秋から冬にかけてはパンジー&ビオラが咲き、春になるとその間からチューリップの芽が伸びてきて花が咲きます。2段階に楽しみがある寄せ植えで、ダブルデッカーとも呼ばれる植え方です。鉢植えで球根を育てる場合には、球根だけだと春まで何もない鉢を眺めることになり、水やりも忘れがちですが、花苗が植わっていれば花も楽しめ、水やりも忘れることなく一石二鳥です。

球根は、誰が育てても必ず花を咲かせてくれる頼もしい植物。春の景色を想像しながら、ぜひ球根ガーデニングを楽しみましょう!

【秋の庭づくり】球根と花苗、どっちを先に植える? 球根と花苗の植え方

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