春の訪れを告げるハンギングバスケットづくり〜はまだんの「ステキなお庭をつくろう!」企画Vol.9
神奈川県ご当地アイドルグループ「YOKOHAMA男子」(通称はまだん)のメンバーが住むシェアハウス「はまだんハウス」の庭を、ガーデンストーリープロデュースのもとステキな庭に変えていきましょう! という庭づくり企画第9弾。最終回は、ウッドデッキや窓辺を彩るハンギングバスケット作りをレポートします。はまだんメンバーは、寄せ植えやハンギングバスケットなどのガーデニング講座を受けることができる、神奈川県横浜市にある生産農園「河野自然園」を訪れました。
目次
はまだんハウスで最後に着手するのは?
地植えほか、鉢・プランターでも野菜や花の栽培をしてきたはまだんハウスの庭。最後に着目するのは、庭づくり企画の初期に制作したウッドデッキと、家の窓辺にある面格子です。ウッドデッキは、テーブルとチェアを出してBBQを楽しんだり撮影に使用するなど、日常ではたびたび利用している一方で、ガーデニング視点では殺風景な印象です。また、家の窓にはエレガントなアイアンの面格子が設置してあり、ここにハンギングバスケットを設置することを企画当初にイメージしていたため、ウッドデッキや面格子に彩りを添える、ハンギングバスケットを制作することになりました。
人気の多肉植物も豊富! センスのよい品揃えが好評の「河野自然園」へ
ハンギングバスケット作りを教えていただくためにメンバーが訪れたのは、神奈川県横浜市にある「河野自然園」。横浜市営地下鉄ブルーライン「仲町台」駅から1kmほど東、辺り一帯に畑やハウスが広がる地域にある河野自然園では、球根植物や多肉植物の生産を行っており、それらを含めた苗の販売と、ハンギングバスケットや寄せ植えなどのガーデニングレッスンを多数開催しています。
日本ガーデンデザイン専門学校非常勤講師を務める、代表の井上まゆ美さんは、河野自然園でのレッスンのほか、全国各地へ出向く出張講習でも活躍中です。年間150もの講座を担当する人気講師、井上先生直々にレッスンをしてもらえる機会をいただきました!
河野自然園では、主にスリットの入ったプラスチック鉢を使って丸く形作るハンギングバスケットのレッスンが開催されています。
ただし、今回使用するのは、スリットのない半円形のラタンバスケット。ハンギングバスケットにはさまざまな形状・材質のものがありますが、初心者さんは、まずはスリットのないバスケットで作るのがおすすめ。慣れてきたら、スリットバスケットを使った丸形のハンギングバスケット作りへとステップアップするのもよいでしょう。
スリットのない(丸形にならない)バスケットの場合、作業は全体的には寄せ植えづくりに近いイメージですが、バスケットから下へ垂れるつる性の植物を使用することで、ハンギングバスケットの特徴を生かした動きのある仕上がりになります。
ハンギングバスケット作りスタート! まずは苗選びから
今回、ガーデニング初心者であるはまだんメンバーが苗を選びやすいようにと、井上先生から以下のように苗の種類と数を指定していただきました。
【幅35×奥行17×高さ23.5cmの半円形バスケットを使用】
ブルー系・紫系かイエロー系のビオラ 2苗
つる性のグリーン 2苗
イベリス 1苗
好みの花苗 2苗
ムスカリとスイセンの球根 8球
アイドルであるはまだんは、一人ひとりに振り分けられたメンバーカラーがあるのですが…。ブルー担当のたっつんと緑担当のけいたるはブルー&紫系のビオラを、レッド担当のゆうだいと紫担当のりゅりゅはイエロー系のビオラから好みのものをチョイスすることに。りゅりゅは紫担当では?! と現場ではツッコミが入りましたが、イエロー系にまとめられていた桃色がかったビオラが気に入ってイエロー系をセレクト。
このように、気に入った花材はもちろん、色など作品のテーマを一つ決めておくと、数ある植物の中からセレクトしていくきっかけになります。それでは早速ハンギングバスケット作りのスタートです!
苗のレイアウトを考えよう
バスケットに、鉢底石代わりのパーライト、次にハンギングバスケット用に軽い土で配合された培養土を5〜6分目まで入れて下準備をしたら、苗をどのように配置するかを考えます。
基本的には背の高いものを後方に、背の低いものを前方へレイアウトします。また、前述のとおり、つる性のグリーンはきれいに垂れるよう端のほうに配置しつつ、花と葉物のバランスも考慮し、花・葉物・花・葉物…と交互になるようなイメージでレイアウトすると見栄えがよくなります。
根鉢を崩しながらバスケットに植え込む
レイアウトが大体決まったら、苗や球根をバスケットに植え込んでいきます。苗をポットから取り出したら、根鉢の肩を落とし、変色している葉を取り除いたり、根がぎっしり張って固まっているような場合は、根をほぐしたりハサミで切り込みを入れるなどして植えていきます。また、バスケットに入り切らない場合は根鉢を崩して小さくしたり、分割して配置します。苗が全て入ったら、ムスカリとスイセンの球根を苗の隙間に入れて植物の植え込みは完了です。
次に、培養土を詰めていきます。ふんわりと土を入れただけだと、水やりの後に土が下がって根が地表に出てきてしまうので、割りばしなどの棒を用いて、根の間にも行き渡るようにしっかり土を詰めます。この時、バスケットの縁から1cm程度下までウォータースペース(水やりをした際に水や土があふれないようにするためのもの)を確保するのも忘れずに。最後に、表土を隠すように株元にふんわりとココヤシファイバーを敷いたら完成です。
忘れちゃいけない仕上げも! はまだん庭づくり企画で度々ご協力いただいている、住友化学園芸の牛迫さんから「ハンギングバスケット作りに使ってね」と差し入れしていただいた「マイガーデン 液体肥料(住友化学園芸)」を完成したハンギングバスケットに与えてフィニッシュです。ハンギングバスケットは土が限られており、また排水性もよいので、しっかり植物に栄養が行き渡るよう定期的な施肥が植物を美しく保つコツです。
ハンギングバスケットの完成!
それぞれが制作したハンギングバスケットと一緒にパシャリ。今回は初心者さん向けにと、ある程度決められた範囲から苗を選びましたが、それぞれ表情の異なる素敵なハンギングバスケットが完成し、井上先生からも「上手にできましたね!」とお褒めいただきました。先生の丁寧で的確なレクチャーのおかげで、初めてでも大満足の仕上がりです。
早速はまだんハウスのウッドデッキと窓の面格子に飾ったところ、殺風景だった庭の建物側スペースがぐっと華やかに! さらに、ハンギングバスケットは移動が楽なので、気軽に庭での模様替えを楽しめるのもGoodポイントですね。
「胸から目線ほどの高さにあるので、日々欠かせない花がら摘みや水やりもやりやすい!」と、はまだんメンバーはお手入れのしやすさも喜んでいました。
そしてハンギングバスケット制作から数カ月後の3月、球根を忍ばせていたムスカリとスイセンが花開き、はまだんハウスに春の訪れを知らせてくれました。
お手入れを振り返って「鉢植えと同じ要領で水やりをしていましたが、やや乾き気味になりがちだったかもしれません。ハンギングバスケットは、風通しがよい環境にあることで水分が奪われやすいんですね。こまめな水やりが大切だと感じました」と、リーダーのたっつん。仕事の一つであるプリザーブドフラワーのアレンジ作りで磨かれたセンスを、ハンギングバスケット作りでも発揮したたっつんは、「今後はハンギングバスケットの勉強も始めます!」と意気込みを語ってくれました。YOKOHAMA男子リーダーのたっつんこと、戸田健太さんの今後の活動が気になりますね。
はまだんハウスの庭づくりプロジェクトは、何もなかった殺風景な庭に、ウッドデッキとシェードを設置するところから始まり、雑草対策、タネまきや苗木の植え付け、そして自分たちで作ったハンギングバスケットを飾るところまできて一段落しました。ガーデニング初心者だったメンバーも、この庭づくりを通して、野菜やハーブを栽培して収穫して食す喜び、手間暇かけて育てた植物が花を咲かせる感動、日々の管理の大変さ、花と緑があることで生活に加わる彩りなど、さまざまなことを経験し、感じ、学びました。
これからのはまだんメンバーと園芸との関わりがどうなるのか…ガーデンストーリーとしても見守っていきたいと思います。
応援よろしくお願いいたします!
庭づくりの様子はYOKOHAMA男子公式YouTubeチャンネル「はまだんTV」にて公開しています。こちらもチェックしてみてくださいね。
動画のご視聴はこちらから
https://youtu.be/d8suAVRZX-w
YOKOHAMA男子プロフィール
2017年11月、「音楽の力で横浜そして神奈川を元気にしよう!」というコンセプトのもと結成。 神奈川県内のお祭りやイベントに積極的に参加、さらには横浜市内での路上ライブにも力をいれて活動しているほか、「神奈川県犯罪防止応援アイドル」として神奈川県警の詐欺防止運動にも取り組んでいる。今後は地域の食や文化そしてSDGsなど、アイドルの枠組みにとらわれずに視野を広げて、よりよい社会作りに貢献できるグループを目指す。Youtube: https://www.youtube.com/channel/UCbF2EyAywVpiReWvTqQgFlA
Instagram: https://www.instagram.com/hamadan065/
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