【寄せ植え】ピンクの花には秘密の効果!? カーネーションの寄せ植え
母の日の贈り物に、ピンクのグラデーションが素敵なカーネーションの寄せ植えを作ってみませんか。さまざまな草花を組み合わせる寄せ植えなら、世界で一つだけの特別なギフトになります。花のスペシャリスト、エム・アンド・ビー・フローラの難波良憲さんに教わる連載「1鉢で華やか! 寄せ植えブーケ」第7回目は、カーネーションの寄せ植えです。プレゼントと一緒に渡したい「花を長くもたせるコツ」もご紹介。
目次
母の日に贈りたいカーネーション ‘I♡YOU’
母の日の贈り物として大定番のカーネーション。色や花形もさまざまで多くの品種がありますが、カーネーションは色によって花言葉が異なるのをご存じですか。母の日に最もふさわしい「感謝」という花言葉を持つのは、ピンクのカーネーション。なかでもおすすめなのは、ローズピンクから桜色へと色変わりし、1株の中にさまざまなピンクが現れる品種‘I♡YOU(アイ・ラブ・ユー)’です。
秋までたっぷり咲き続けるカーネーション ‘I♡YOU’
カーネーション ‘I♡YOU’は1輪の花のもちがよく、色の変化を長く楽しめます。連続開花性に非常に優れ、次々につぼみが上がり、母の日を過ぎても秋までずっと花が咲き続けます。花首が短くコンパクトにまとまるため、寄せ植えで扱いやすいのも魅力。もちろん、地植えにしてもよく咲き、酷暑を乗り越え、秋には一回り株が大きくなってたわわに花を咲かせます。さらに、冬越しして充実した株は、1株で100輪近い花が咲くことも! 病害虫や暑さにも強く、春から秋まで長期間花が楽しめるスーパーハイパフォーマンスな宿根草としても注目を集めています。
ピンク色には若々しさを保ち優しさを促す効果が!
母の日にピンクのカーネーションをおすすめするワケは、花言葉だけではありません。近年の研究では色彩が脳に生理的影響を与えることが分かっており、ピンク色は「アンチエイジングカラー」として注目されています。というのも、ピンク色を見るとエストロゲンやプロゲステロンといった女性ホルモンが分泌され、これらの働きで皮膚や筋肉の若返り、リラックスや優しい気持ちの増幅が推進されるのです。実際、こうした効果を利用し、海外ではピンク色を用いた療法もあるほど。ピンクのカーネーション‘I♡YOU’の寄せ植えを贈れば、いつまでも若々しく優しいお母さんでいてくれるはずです。
カーネーション‘I♡YOU’とペチュニアの寄せ植え
カーネーション‘I♡YOU’とワインレッドの八重咲きペチュニア、斑入りのコデマリ‘ピンクアイス’の寄せ植えです。こんもりと咲く ‘I♡YOU’は鉢の後方へ、咲き進むにつれ枝垂れ咲いてくるペチュニアを前方へ配置しました。両サイドに斑入りのコデマリ‘ピンクアイス’を入れ、ふんわり優しい雰囲気にまとめました。コデマリは春から初夏にかけて白い花を咲かせ、夏以降はカラーリーフとして、秋は紅葉も楽しめる品種です。
ギフトボックスのようなピンクの鉢はブリキ製で軽量なので、プレゼントに好適。近年、さまざまな色やデザインのものが増えているので、植える花に合わせて選ぶと素敵に仕上がります。ただし、ブリキ製の鉢はテラコッタ鉢より高温になりやすいので、夏は半日陰に移動してあげましょう。鉢内が高温になりすぎると根が傷む原因になります。
カーネーション‘I♡YOU’とバーベナの寄せ植え
カーネーション‘I♡YOU’とピンクのバーベナ‘ファイヤーハウス ライトピンク’、オレガノ‘ミルフィーユ’、斑入り葉のキンギョソウ‘ムーンライトオブトリニティ’の寄せ植えです。花はもちろん、葉にもピンク色が入るものを選んで統一感を出しました。
バーベナは品種によって生育タイプが異なり、上へ伸びるものと、あまり草丈が高くならずこんもり横へ広がって生育するものがあります。ここで用いたバーベナ‘ファイヤーハウス ライトピンク’は後者のタイプで、今回のようなやや横長の鉢での寄せ植えには最適です。よく分枝して茂り、バーベナにありがちなうどんこ病にも強く、丈夫な品種です。
プレゼントと一緒に贈ろう!「長く楽しむための4つのコツ」
寄せ植えを長く楽しむための4つのコツをご紹介します。ガーデンストーリー公式インスタグラムにも掲載しているので、お母さんに寄せ植えをプレゼントする際は、ぜひ一緒に贈ってあげてくださいね。
① 風通しがよい場所へ置くと、草花が健やかに育ち、病害虫も発生しにくくなります。地面より10cm程度高いところに置くだけでも、風通しはよくなります。
② 土の表面が乾いたら、鉢底から流れ出るまでたっぷり水をあげてください。植物は根から水を吸い上げるので、水は花の上からかけるのではなく、植物をやさしく手でおさえて株元にやるようにしましょう。水が花や葉にかかると傷むものもあります。
② 乾いて茶色くなってきた花(花がら)は、こまめに摘み取りましょう。美観が保たれるだけでなく、株に体力を温存して長く咲かせるポイントです。枯れた花を摘み取ることを「花がら摘み」といいます。花がら摘みをすると、風通しもよくなります。
③ 次々に花を咲かせる多花性の植物は、いわばずっとフルマラソン状態で生育しています。水だけではスタミナ切れになってしまい、花数が少なくなったり、開花期間が本来より短くなることも。肥料は定期的に施し、1週間〜10日に1度、鉢全体に染み渡るように液肥入りの水を与えるとよいでしょう。
協力/株式会社エム・アンド・ビー・フローラ
参考文献/『コア東京』2020年9月号 色彩のふしぎ 第5回 南雲 治嘉(デジタルハリウッド大学名誉教授)
Credit
寄せ植え制作&アドバイス / 難波良憲
八ヶ岳にある種苗メーカー「エム・アンド・ビー・フローラ」に勤務。膨大な植物の知識を生かし、花の個性を生かしたブーケのように華やかな寄せ植えが好評。同社のショップ(現在はクローズ)での店長を担当しつつ、寄せ植え教室を開催。現在は、同社インスタグラムを通じて、季節毎の華やかな寄せ植えの紹介や、水やりなどガーデニングの基本知識や様々なお役立ち情報の発信を行っている。気になる方はぜひアカウントを覗いてみてください。
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写真&文 / 3and garden
スリー・アンド・ガーデン/ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。
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