1鉢にさまざまな草花を組み合わせて彩りを楽しむ寄せ植え。園芸店に草花の種類が増えるこの季節、寄せ植えを作ってみませんか。寄せ植えの名手、ラブリーガーデンの安酸友昭さんが作るブルーの花を集めた青空のような寄せ植えをご紹介します。
目次
デルフィニウム‘チアブルー’の寄せ植え
ここは面谷内科・循環器内科クリニックの玄関口で、診察開始前からたくさんの患者さんが並ぶ場所でもあるので、待ち時間に目を楽しませるような寄せ植えづくりをしています。足つきのエレガントな丸い鉢は、立っている人が目線で楽しめる高さにあります。鉢の中央はデルフィニウム‘チアブルー’で高さを出し、鉢縁にいくに従って草丈を低くして、きれいなラウンド形にまとめました。一般的なデルフィニウムは草丈50〜100cmほどで5月半ばから咲きますが、 ‘チアブルー’は春から咲き出し、草丈も低いので春の寄せ植えに最適です。花あがりがとてもよく、開花期間も長いのが魅力。花が大きめで上向きに咲き、寄せ植えの中で存在感を発揮してくれます。青の濃淡2色の展開です。
寄せ植えでは葉の雰囲気も大事
‘チアブルー’と組み合わせたのは、ブラウンの小さな花がおしゃれな雰囲気のロータス‘ブラックムーニー’と小型のルピナス‘ピクシーデライト’、ムラサキハナナ、シルバーリーフのラミウム。寄せ植えにするときは、花色ばかりに注目しがちですが、葉の雰囲気もとても大事。ここで選んでいるのはどれも葉っぱが細く繊細なので、全体がふんわりとまとまります。
ロータス‘ブラックムーニー’は印象的な濃い茶色の花で、枝分かれしてふわふわと咲き、寄せ植えに動きを出してくれます。生育すると次第に枝垂れて咲くようになり、その姿もユニーク。寄せ植えの名脇役として注目の品種です。マメ科の多年草で、常緑〜半常緑性。寄せ植えが終わったら、バラして庭植えにしても楽しめます。
八角形の大鉢に春の野原のような雰囲気で作った寄せ植えです。ここは診察室からよく見える場所なので、室内から見ても華やかに見えることが大事。この大鉢でも中央はやはりデルフィニウム‘チアブルー’で高さを出しました。周囲にはネモフィラ、ブルーデージー、ヘリオフィラ、星空マム バニラ&ソーダ、タマシャジン、ムラサキハナナなどのブルーの小花を散りばめました。
鉢縁には草原のようなイメージで、グリーンをたっぷりと。ライムイエローの葉は新品種のクローバー‘ハッピーライム’、間にクリーピングタイム、枝垂れ咲いているのはクレマチス・ペトリエイ。低くこんもりと茂る常緑性の原種クレマチスで、ペールグリーンの花には香りがあります。ブルーの爽やかな花が明るいグリーンに囲まれ、より生き生きとやさしく見えます。
フェリシアの寄せ植え
この寄せ植えは庭の中に置いてあり、庭風景の一部として馴染ませるために、あえて目立つ主役を設けず、小花だけで構成しています。淡いブルーのフェリシア、濃い紫色のバーベナ、星空マム、クリーピングタイム、少し高さを出すためにオンファロデスなどをセレクト。寄せ植えは鉢の分だけ高さが上がるため、庭の中に少し色を加えたい時にも重宝します。
フェリシアはブルーデージーと同じ属ですが、ブルーデージーは花心が黄色いのに対し、フェリシアは花心まで青いのが特徴。その青さが小花にもかかわらずとても印象的な花です。過湿に弱いので、地植えより鉢植えで風通しがよい環境のほうが向いているかもしれません。
アネモネの寄せ植え
ブルーと紫の花でまとめた大人っぽい雰囲気の寄せ植えです。大きな赤紫の花はアネモネ。春風を運ぶと伝えられる春を代表する花で、草丈が高く大輪なので、寄せ植えの中では目を引く存在です。シルバーリーフに紫色の花を咲かせているのはエレモフィラ ニベア、ブルーのビオラは冬からずっと咲いている‘レディ’、濃い紫色の花はネメシア、鉢縁に植えた淡い水色の花はツリージャーマンダーです。
魅力的な花が増える春。やさしい光に映える青い花をテーマに、寄せ植えを作ってみませんか?
寄せ植え制作
安酸友昭(ラブリーガーデン)
Credit
記事協力 / 面谷ひとみ - ガーデニスト -
おもだに・ひとみ/鳥取県米子市で夫が院長を務める面谷内科・循環器内科クリニックの庭づくりを行う。一年中美しい風景を楽しんでもらうために、日々庭を丹精する。花を咲き継がせるテクニックが満載の『おしゃれな庭の舞台裏 365日 花あふれる庭のガーデニング』(KADOKAWA)が好評発売中!
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まとめ・写真 / 3and garden
スリー・アンド・ガーデン/ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。
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