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その水やり、合ってる? 水を欲しがる植物、欲しがらない植物

その水やり、合ってる? 水を欲しがる植物、欲しがらない植物

topseller/shutterstock.com

「水はちゃんとやっていたのに枯れてしまった」、という嘆きの声を聞くことがしばしばあります。でもそれ、水が原因かも。植物を枯らす原因は、実は水不足よりも「水のやりすぎ」のことがよくあります。植物には水をよく欲しがる植物と、そうでない植物があります。ということを知っただけでも、あなたのボタニカルライフはグッとレベルアップ! 全然難しくないけれど、知っておくべき「水やり」をおさらいしてみましょう。

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多肉植物は「休眠期」には水やりしない

「水やりを頻繁にしなくてよいので、手入れが簡単!」と人気の多肉植物。なのに、毎日水をやってしまう人が意外と多いようです。サボテンやコーデックスを含めた多肉植物は、もともと岩場や砂漠など水の少ない乾燥地帯で育つ植物なので、毎日水やりをすると枯れる原因になります。

多肉植物には自生地の雨季と乾季により、生育期と休眠期があります。休眠期は水やりを完全にストップし、断水しましょう。枯れてしまうんじゃ…、と心配になるかもしれませんが、休眠期の多肉植物は活動を停止していて、根から水を吸い上げることができません。それなのに水を与えると、ずっと鉢の中が濡れたままになり、根が腐ってしまいます。休眠期は恐れずに断水するのが枯らさないコツです。

休眠期は生育タイプによって時期が異なります。

  • 夏型生育→休眠期の冬は断水。
  • 冬型生育→休眠期の夏は断水。休眠期は月に1〜2度、葉に霧吹き。
  • 春秋型生育→休眠期の夏と冬は断水。休眠期は月に1〜2度、葉に霧吹き。

成育期も水のやりすぎには注意して、土が乾いてからやります。土が乾いたかどうかは、鉢の中に割り箸などを差し込んで、湿り気がなくなったことを確認すると間違いがありません。水やりをするときは、鉢底から水が流れ出るまでたっぷりと。鉢皿の水は捨てましょう。

ガーデンを彩るベンケイソウも多肉植物の仲間です。庭植えの場合は、水はけのよい場所に植え、基本的に水やりの必要はありません。
意外かもしれませんが、コチョウランも多肉植物と同じ生理サイクルです。冬の休眠期は極力水やりを控え、月に1〜2度に。
観葉植物の多くは熱帯、温帯の植物です。特に気温が低くなる冬は生育が緩慢になり、水の吸収が悪くなるので控えめに。

ハーブ類の水やりの違い

ハーブは種類によって吸水具合が変わります。葉が小さいラベンダーやローズマリー、タイムなどの常緑低木は、水はけのよい場所で乾燥気味に育てます。

一方、ハーブの中でもミントは比較的水を欲しがる植物です。ミントの葉は前出のハーブと異なり、柔らかくて面積も広めで、水をよく吸収します。同様に葉の大きいバジルも水をよく吸収するタイプ。どちらも真夏にかけて大きくなるので、水切れにならないようにしましょう。

水をよく吸収して育つミント。

水を欲しがる植物「バラ」

バラは水をよく吸い上げる植物です。基本的にきちんと根づいた地植えでは水やりの必要はありませんが、鉢植えには定期的に必要です。成育期の初夏から夏は朝夕の2回が理想的。夏は留守などで1日やらなかっただけでも、枝先がダランと垂れる水切れ症状を起こすことがよくあります。こんなときは、「腰水」といって水を張ったバケツの中にバラを鉢ごと浸けて、鉢底から水を吸わせる応急処置が効果的です。これはあくまでも応急処置で、普段から行っていると根腐れの原因になるのでやめましょう。

夏以外の季節は、表土が乾いたら鉢底から水が流れ出るまでたっぷりやります。

<その他、水を欲しがる植物>

カキツバタ/水辺の側で生育するカキツバタは、周年水が必要です。鉢ごと水に浸けて育てます。よく似たハナショウブは普通の鉢植えで育てますが、特につぼみから開花期にあたる初夏は、十分な水やりが必要です。

カラー/オランダカイウなどの湿地を好むタイプと、モモイロカイウなどの畑地を好むタイプの2種があります。湿地性のタイプは水もちがよくなるように、腐葉土を多めに入れた用土で育てます。春から秋の成育期は両者とも水切れに注意して、表土が乾いたら鉢底から水が流れ出るまでたっぷり与えます。

アジサイ/梅雨時に花を咲かせるアジサイは水を好む植物です。地植えでも成育期の春から夏は、急に気温が上がると暑さで葉がダランとしてしまうことがあります。丈夫なので枯れることはそうそうありませんが、そんな時は水をたっぷり与えましょう。鉢植えは表土が乾いたら鉢底から水が流れ出るまでたっぷり与えます。

水やりのまとめ

  • 自生地の環境を調べて、近い環境になるよう水分をコントロール。
  • 休眠期は水分を控えるか断水。
  • 鉢植えは基本的に表土が乾いたら鉢底から水が流れ出るまでたっぷりと。
  • 元来、水をあまり必要としない植物の水やりは、中が湿っていないことを割り箸などで確認する。

水やりは、どんな植物にも同じ方法ではありません。植物ごとに、また季節に合わせて異なるのも、生き物なので当然といえば当然ですね。でも水分量を細かく調節したりするわけではなく、要は「やる」、「やらない」といったメリハリの問題。「水が必要な植物」と「そうでない植物」があるということだけ覚えておけばOK! 全然難しいテクニックではありませんし、スマホで調べればすぐ分かるので、気楽にボタニカルライフを楽しんでくださいね。

Photo/1) cam3957/ 2) John_T/ 3) Starover Sibiriak/ 4) Colette3/ 5) Photo and Vector/ 6) Chukov/ 7) IAM PRAWIT/ 9) yyama/ 10) DiegoMariottini/ 11) Mamsizz/ Shutterstock.com

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