バラをこれから育てようと思っている初心者さんはもちろん、すでにバラを育てているけれど、今の栽培方法でよいのか迷いがある人へ。もっとバラ栽培が上手になるヒントを、バラの専門家、河合伸志さんに教えていただきます。バラを鉢で育てるとき、プラスチック鉢と素焼き鉢、どちらを選ぶとよいのか? それぞれのよい点、悪い点をご紹介します。
目次
ライフスタイルで選ぶバラ栽培用の鉢の素材

バラの栽培には、プラスチック鉢やテラコッタなどの素焼き鉢が一般的に用いられますが、それぞれメリットとデメリットがあるので、自分のライフスタイルなどに合わせて鉢の種類を選択します。
バラ栽培で素焼き鉢がよい点、悪い点

素焼き鉢は鉢の側面からも水が抜けるため、通気性がよく根にとっては適した環境ですが、この利点は乾きやすいという欠点でもあり、外出が多い方などは水切れによって株を傷めてしまうことがあります。また割れやすかったり、重いなどで、鉢が大きくなると植え替えの際に扱いにくいというデメリットがありますが、デザイン性に優れ、演出効果が高い点ではプラスチック鉢よりはるかに優れています。
バラ栽培でプラスチック鉢がよい点、悪い点

一方、プラスチック鉢は水もちがよく、外出しがちの方でも水切れの心配が少ない反面、過湿には注意が必要です。重量が軽いため持ち運びにも便利ですが、風などで鉢が転倒しやすく、時に割れることもあります。また、デザイン性では素焼き鉢よりも劣ります。プラスチック鉢の中でもスリット鉢と呼ばれる側面に切れ込みが入ったものは、通常の仕様よりも排水性に優れますが、そこから土がこぼれやすいので要注意です。
バラを育てるために適した鉢の大きさとは

四季咲き中輪もしくは大輪のバラでは、鉢サイズは最低でも6号、できれば7〜8号鉢が理想的です。6号鉢で栽培をスタートした場合、半年後には7号以上に鉢増しをしないと順調に生育しません。鉢の号数は1号3㎝が基本で、6号ならば直径18㎝前後となりますが、メーカーによって多少の差があります。
バラを育てる素焼き鉢の水もちを改善するアイデア

素焼き鉢を使いたいものの水切れは困るという場合は、あらかじめシート状に切断したビニールを鉢の内側に入れると、見た目は素焼き鉢のままプラスチック鉢の水もちを確保できます。写真のように使用済みの用土の袋などを利用するのも一案です。
大きな穴には鉢底網を入れる

底面に大きな穴がある場合は、穴からの用土流出を防ぐために鉢底網を入れます。右写真の上のような銅製の鉢底網を使用すると、ナメクジ避けに効果があります。なお、多数の小さな穴があいているプラスチック鉢やスリット鉢では鉢底網は必要ありません。
写真/桜野良充
協力/横浜イングリッシュガーデン http://www.y-eg.jp
Credit
アドバイス・文責 / 河合伸志 - 植物専門家・バラ育種家 -

かわい・たかし/千葉大学大学院園芸学研究科修了後、大手種苗会社の研究員などの経歴を経たのち、フリーとして活躍の場を広げる。現在は横浜イングリッシュガーデンを拠点に、育種や全国各地での講演や講座、バラ園のアドバイスやガーデンデザインを行う。著書に『美しく育てやすい バラ銘花図鑑』(日本文芸社)、『バラ講座 剪定と手入れの12か月(NHK趣味の園芸)』(NHK出版)監修など。
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