花がぎゅっとまとまって、こんもりとした寄せ植えは可愛らしいもの。でも、ふと気づくと花首がにょーんと伸びて、なんとなくばらばらとした印象になってしまっていることはありませんか? ここではそんな状態「徒長(とちょう)」についてご紹介します。
徒長(とちょう)ってなに?

そもそも、徒長とはどんな状態なのでしょうか。
徒長とは、植物の茎や枝が必要以上に間延びしてしまい、長く柔らかく育った状態のこと。特に成長が速い植物に起こりやすく、節間が広くなり、葉や茎の色も弱々しくなりがちです。徒長した株はヒョロヒョロと縦に長く育って見た目にバランスが悪いだけでなく、正常な状態の植物に比べると虚弱で病害虫への耐性も弱く、環境の変化の影響も受けやすくなります。これは、身を守るための細胞壁が薄くなってしまうためと考えられています。茎が倒れやすくなるほか、花数や収穫量なども減ってしまうので、ガーデナーにとってはありがたくない現象です。
徒長を防ぐためには?
この徒長を引き起こす原因は、日照不足、水分過多、高温多湿、肥料の過不足、密植などさまざま。光が足りない場合は、より強い光を求めて上に伸びようとするために、水分や肥料が多すぎる場合は勢いよく成長しすぎて、細胞壁が薄いまま育ってしまうために徒長しやすいようです。また、芽が込み合っていると、競争原理が働いて上に向かって伸びようとすることも徒長の原因になります。
徒長を防ぐためには、日当たりのよい場所で管理し、適当な量の水と肥料を与えることが大切です。タネを播いた時には、きちんと間引きをすることも徒長を防ぐために効果的。購入した苗をすぐに植え込まず、日の当たらない場所に一時的に置いておく場合などには注意が必要です。ちょっとの間だからと油断していたら、いつの間にか茎が長く伸びて徒長していた、なんてこともあります。他に、風通しが悪く風が当たらない株も、徒長しやすくなるので、株間が込みすぎないように注意しましょう。
苗が徒長してしまったら

気をつけていても徒長してしまった場合は、徒長した茎を切り戻しましょう。徒長してしまった茎はもう戻りませんが、根がしっかりしていれば、切り戻しをすれば脇芽が出て、新しく茎が育ちます。基本的に徒長するのは成長が速い植物が多いので、根元近くからバッサリ切り戻しても、ちゃんと元通りに育つので大丈夫。切り戻しをする時は、葉を残して節の5㎜ほど上で茎を切ります。元気のよい脇芽が出ている節があれば、その上で切るとよいでしょう。
切り戻した花は、ぜひお部屋に活けて飾りましょう。花茎が長いので、背の高い花瓶や口が細いものにも活けやすく、新しく脇芽が育つまで目を楽しませてくれますよ。
Credit

写真&文/3and garden
ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。
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