西洋風の庭で見かけるおしゃれで豪華なバラのアーチを、自宅に取り入れたいと思っている方も多いのではないでしょうか? この記事ではそんな憧れのバラアーチの魅力から、設置する際の注意点、つくり方までを詳しくご紹介します。

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バラのアーチとはどのようなものか

バラのアーチ
Dina Rogatnykh/Shutterstock.com

バラのアーチは「フラワーアーチ」や「ガーデンアーチ」とも呼ばれ、鉄や樹脂製のアーチ型の構造物の両側につるバラの枝(シュート)を止めつける誘引をして仕立てます。アーチの素材には鉄や樹脂製以外にも、さびにくいステンレス製やアルミ製、ナチュラルな雰囲気の木製などさまざまなものがあります。大きさも千差万別で、人一人が通れるほどの奥行きが短いものから、回廊のような大きく距離が長いものなど、置き場所や用途によって異なります。

バラのアーチの魅力

バラのアーチ
Tinna widianti/Shutterstock.com

バラのアーチを庭に取り入れるメリットには、景観に高低差が生まれます。高低差があると空間を立体的に演出することができ、庭に広がりを持たせることができます。さらに華やかな見た目のバラのアーチは、庭をよりロマンチックな空間にしてくれます。

またバラを自然樹形で植えっぱなしにするよりも、アーチにバラを誘引することによって、バラの花が密集して株の姿が整のい、より多く開花し、美しくバラを見せる効果も期待できます。

バラのアーチに適した品種の選び方

バラの花
Victoria 1/Shutterstock.com

バラのアーチはどんなバラでも仕立てられるわけではありません。美しいバラのアーチをつくるためには、バラの性質を知って品種を選ぶのも重要です。

バラの樹形には大きく分けて、枝を2m以上伸ばして生育するつる樹形(クライミングローズ)、枝を1〜2m伸ばして半自立する半つる樹形(シュラブローズ)、支えがなくても自立する木立ち樹形(ブッシュローズ)の3タイプがあります。このうち、アーチの仕立てに向くのは、しなやかな枝を長く伸ばすつる樹形のバラ(クライミングローズ)。小型のアーチであれば、半つる樹形のバラ(シュラブローズ)を誘引するのもおすすめです。

では、バラのアーチに適した品種選びのポイントについて詳しく見ていきましょう。

バラの選び方その1
アーチの大きさに合った品種を選ぶ

バラのアーチ
ToriNim/Shutterstock.com

バラのアーチに仕立てるバラの品種を選ぶ際に最も重要なのは、アーチの大きさや高さに合った品種を選ぶ事です。門型の大きなアーチには枝(シュート)がしなやかな硬さでよく伸びる品種を選び、小型のパイプアーチでは自立性が強い樹高の低い品種を選ぶとよいでしょう。樹勢が強く大きくなりすぎてしまう品種もありますので、バラが根付いて大きくなった後の姿も考慮して選ぶのもポイントです。また、うつむきがちに咲く品種を選べば、下から見上げた時に花の顔を楽しむことができます。

バラの選び方その2
つるバラがベストとは限らない

バラ
ADELART/Shutterstock.com

アーチに仕立てるバラは、基本的にしなやかな枝を長く伸ばし、誘引しやすいつるバラ。ですが、常につるバラが最適というわけではありません。枝を長く伸ばすつるバラは樹勢が強い品種も多いため、剪定などの手入れに非常に手間がかかってしまうことも。また、一季咲きや返り咲きの品種が多く、選択肢が限られてしまう場合もあります。

初心者の方にはシュラブ系の品種もおすすめです。シュラブ系の品種では四季咲き性も多く、品種によっては一年中バラのアーチを楽しむことも可能です。花形や花色もさまざまで、香りの強い品種やトゲの少ない品種など幅広い選択肢から選ぶことができます。ただし、シュラブ系は、つるバラに比べると枝が長く伸びにくいので、小型のアーチなどに取り入れるとよいでしょう。

バラの選び方その3
慣れてきたら複数の品種を取り入れる

バラのアーチ
Juergen Wackenhut/Shutterstock.com

バラのアーチを作るのに経験の少ない初心者のうちは1品種でつくることをおすすめしますが、慣れてきたら複数の品種を取り入れてバラのアーチにすると表現が広がります。

複数の品種を組み合わせることで、異なる色や花形のバラが混ざり咲く風景をつくることができます。アイデア次第でさまざまな表現ができるのはバラのアーチの醍醐味ですので、慣れてきたらぜひチャレンジしてください。

バラのアーチをつくるときの注意点

トラブル
Vectorium/Shutterstock.com

バラのアーチを美しく、そして安全につくるためにはいくつか気を付けなければならないことがあります。ここではバラのアーチを仕立てる際の注意点について、項目ごとに紹介します。

注意点その1
設置場所は慎重に選ぶ

作業
Kristi Blokhin/Shutterstock.com

バラのアーチは倒壊すると大変危険です。設置する際は、強風などで倒れたり飛ばされたりしないように、設置場所を慎重に選び、アーチをしっかり地面に固定する必要があります。

周囲に大きな建物や風よけになるものがない場所では吹きさらしになり、直接風を受けて倒れたり飛ばされたりしてしまう可能性が高いため、そのような場所は避けたほうがよいでしょう。アーチを固定するために、アーチの脚をしっかりと土中に埋めてセメントなどで固定するのも重要です。

注意点その2
品種選びにも気を配る

バラの剪定
Tasha-photo/Shutterstock.com

特に初心者の場合は、剪定や誘引の作業が負担にならないよう、樹勢の強すぎない品種を選ぶことが大切です。手入れが大変な品種では、作業だけで手一杯になってしまい、折角のバラのアーチを楽しむ余裕がなくなってしまうことも。枝が硬くて曲げにくい品種や、毎年強いシュートが何本も伸び出て、スペースに収まらないような品種は避けたほうが無難でしょう。

注意点その3
場所によってはトゲに注意する

バラのトゲ
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バラのアーチをベランダや人通りの多い場所など、設置場所によってはトゲが当たって怪我をしないようトゲの状態に気を配る必要があります。バラのトゲも美しい造形で、魅力の一つと言えますが、あまりに鋭かったり数が多い場合は、服や体に触れる場所では引っ掛かりやすく安全に通行できなくなってしまいます。特に小さなお子さんがいる場所に設置する場合は、トゲに気づかずに触ってしまい、怪我の原因になる恐れもありますので、十分に注意が必要です。

バラの品種の中にはつるバラの‘サマー・スノー’などのトゲがとても少ない品種もあります。人に触れる可能性がある場所にはトゲの無い品種や少ない品種を選ぶのもおすすめです。

注意点その4
鉄製のアーチは錆びに気をつける

アイアン
Robith_13/Shutterstock.com

アーチは定期的なメンテナンスが必要です。鉄製のアーチは比較的安価で頑丈なつくりで、取り入れやすいというメリットがあります。しかし、錆びやすい材質のため、定期的に錆び止めを塗るなどのメンテナンスが必要です。錆びて腐食しボロボロになってしまうと落下したり、転倒したりする危険性も高まるので注意が必要です。木製のアーチの場合も、経年変化による腐食や老朽化に注意が必要です。メンテナンスの手間が気になる場合は、錆びにくいアルミ製やステンレス製のアーチを選びましょう。

注意点その5
庭の大きさに合わせたアーチを選ぶ

エクステリア
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アーチを選ぶ際には、置き場所にあったサイズを選ぶのも重要です。庭の大きさと比べて大きすぎたり小さすぎたりしてしまうと、全体のバランスが崩れてしまいます。庭全体の雰囲気に合わせて、大きくて圧迫感がないかなど、完成図をイメージしながら選ぶようにすると失敗が減ります。玄関のアプローチや小道に設置する場合は、道幅に収まるサイズを選ぶと見栄えがよくなります。

バラアーチのつくり方の手順は?

ガーデンツール
Jovanovic Dejan/Shutterstock.com

ここまで、バラのアーチの魅力やバラの選び方などについてご紹介しました。魅力あるバラのアーチを取り入れてみたいけれど、どのようにつくればいいんだろう? とお悩みの方へ。ここからはバラアーチのつくり方について詳しくご紹介します。

手順1
設置場所を決めて脚の位置に穴を掘る

Photo/Jurga Jot/Shutterstock.com

初めにバラのアーチを設置する場所を決めます。設置場所は風の影響を受けにくい場所にします。

設置場所が決まったら、アーチの脚を設置する位置付近の用土を事前に土壌改良しておくとよいでしょう。アーチを設置した後に苗を植え付ける穴を大きく掘りたくても、アーチの脚が邪魔になって、掘り起こしたり土壌改良がしづらくなるためです。また、アーチの脚下にも根が伸びて丈夫に生育するように、あらかじめ脚を埋め込む位置の近くを深さ50cmほど掘って、1苗につき10ℓ以上のバラ専用培養土を入れておきます。

手順2
掘った穴に脚を埋め込みしっかり固定する

ブロック
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アーチの脚は30cmくらいの深さを目安にして埋め込んで配置します。アーチがぐらつかないように固定するためには、穴あきブロックの穴が上向きになるように脚を固定する場所に埋め、ブロックの穴にアーチの脚を差し込むのも方法です。ブロックの穴とアーチの脚の隙間にはセメントなどを流し込んで固定しましょう。さらにブロックが安定するようブロックの周りには小石などを詰めてしっかり踏み固めます。

アーチが風などで倒壊しないようしっかりと固定することが大切です。

手順3
バラを植え込む

バラの植え付け
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アーチの脚の外側にバラの苗を植え付けます。バラは肥料を多く必要とする植物なので、植え付けの際に効きめの長いタイプの元肥を植え穴の底に入れたり、培養土に混ぜておくとよいでしょう。バラ苗の隙間に培養土を入れたら、仕上げに株元の周りにドーナツ状の土手を作ります。その後バラの株元に水たまりができるほど、たっぷりと水やりをしましょう。そうすることで、根の隙間に用土が入り込んで株が安定します。

手順4
枝を誘引して麻ひもなどで固定する

誘引
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植えたバラが成長してシュートが伸びてきたら、麻ひもなどで固定して適宜アーチに誘引します。アーチ本体に枝を沿わせるように固定すると綺麗なバラアーチになります。バラは成長とともに枝が太くなるので紐はあまりきつく縛らず、緩めに固定するのもポイントです。バラを植えてからアーチ全体を覆うまでには、品種によって約1年以上かかります。バラが休眠する冬には剪定と誘引を行い、綺麗な姿を維持しましょう。

●つるバラの誘引方法についてはこちらの記事もご参照ください。
バラの専門家がズバリ答える! 美しく咲かせるための作業「つるバラの誘引」

バラのアーチで庭を素敵に演出しよう!

バラのアーチ
Joshua Haviv/Shutterstock.com

バラのアーチはゴージャスな見た目で庭を華やかに演出してくれます。アーチの形や品種選びによって、さまざまなバラアーチを楽しむことができます。庭をオリジナリティ溢れるバラ咲くアーチで彩ってみてはいかがでしょうか。

Credit

文/3and garden
ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。

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