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黄色い花は春に多いというのは本当? 花の種類と花言葉を知って育ててみよう!
春になると、黄色い花を特によく見かけるようになりますね。今回は、その理由について探っていきましょう。また、春に咲く代表的な黄色い花と花言葉、黄色いチューリップの育て方についてもご紹介します。
目次
春には黄色い花が多い?
春になると、黄色い花をよく見かけるようになりますね。日本で咲く花のうち、黄色は2番目に多い花色で、じつに国内で咲く花の3割にのぼるとされているのです。
春に黄色い花が多いのはなぜなのか。それは植物の種の保存戦略に理由があります。じつのところ、ハチなどの昆虫は、黄色いものに集まりやすいという習性があるのです。植物が花を咲かせ、受粉して子孫を残そうとする場合、受粉を媒介する昆虫たちを呼び寄せるために、黄色い花を咲かせるとされています。特に早春に咲く花に黄色が多いのは、昆虫が活発に動き始める前、ようやく活動し始めたばかりの数少ない虫たちにいち早く見つけてもらうためなのです。植物たちの巧みな生存戦略が隠されているとはいえ、まだ寒い時期にいち早く咲く黄色い花を見つけると、春の到来を予感して心が躍りますね!
春によく見る黄色い花と花言葉
ここでは、春によく見かける黄色い花10種と、その花言葉をご紹介します。
チューリップ
チューリップは、ユリ科チューリップ属の球根植物です。原産地は中央アジア〜北アフリカで、寒さに強く、夏の暑さを苦手とします。開花期は4月頃です。花色は、ほかに赤、ピンク、オレンジ、緑、紫、黒、複色などがあり、色のニュアンスもさまざま。ユリ咲き、フリンジ咲き、パーロット咲きなど個性的な花姿の品種もあります。草丈は10〜70cm。黄色いチューリップの花言葉は「見込みのない恋」。3人の男性にプロポーズされた少女が思い悩み、黄色いチューリップに自らの姿を変えたというヨーロッパの伝説に由来しています。育て方の詳細は、後半の項目を参照してください。
タンポポ
タンポポは、キク科タンポポ属の多年草です。原産地はヨーロッパ。日本でも雑草化して野山に自生する姿が見られることからも分かるように、放任して手をかけずともよく育ちます。タンポポの花言葉は「思わせぶり」「愛の神託」「真心の愛」「別離」など。開花期は3〜6月です。黄色い花が愛らしいタンポポですが、庭に植えるとこぼれ種であちこちから顔を出し、繁茂しすぎて他の植物との調和を乱しやすいので注意してください。
菜の花
菜の花は、アブラナ科アブラナ属の一年草です。日本では菜の花畑が各所にあり、一斉に咲いて黄色いカーペットのように景色を染める様子は見応えがあります。花言葉は「快活」「豊かさ」「明るさ」など。春の訪れを告げる明るい花姿からイメージしてこれらの言葉が与えられたとされています。種まきは関東地方の平地で9〜10月、冬を乗り越えて翌春の3〜4月に開花。早生種では12月頃から咲くものもあります。こぼれ種で増えていくほど生命力が強く、寒さにも強くて大変育てやすい植物です。菜の花には、観賞用、菜種油用、食用に栽培され、おひたしや和え物など、料理に使われるものは菜花(なばな)と呼ばれます。
ミモザ
日本で一般にミモザと呼ばれているのは、ギンヨウアカシア。マメ科アカシア属の常緑高木で、自然樹高は5〜10mですが、剪定でコントロールできます。原産地はオーストラリア南東部で、寒さ暑さに強い性質。開花期は3月頃で、一つひとつの花は丸くて小さいのですが、木を覆うほどによく咲きます。他の春の草花たちが咲き始める少し前に満開になるので、春の喜びをより強く感じさせてくれます。またシルバーグリーンの葉が美しく、冬でもみずみずしい葉姿を楽しめるので、シンボルツリーにおすすめ。マメ科の植物らしく、開花後には中に種が入ったサヤが多数つきます。ミモザの花言葉は「秘密の恋」「感受性」「思いやり」など。日当たり、風通しのよい場所に植え付け、強風による倒伏を防ぐために支柱を立てて栽培するとよいでしょう。成長が早いので、毎年の剪定が必須です。一般の家庭の庭では3〜4mの樹高をキープするようにするとよいでしょう。翌年の花芽が8月にはできるので、それ以降の剪定は避け、花後すぐに込み合っている部分を切り取って樹形を整えます。
ロウバイ
ロウバイは、ロウバイ科ロウバイ属の落葉性花木です。樹高は4mほど。原産地は中国で、暑さ・寒さに強い性質です。開花期は12月中旬〜2月で、つやつやとした黄色い小さな花を咲かせます。葉を出す前に満開になるので、黄色い花が目に飛び込んで青空とのコントラストも美しいものです。ロウバイの花言葉は「ゆかしさ」「慈しみ」「先導」「先見」など。栽培適地は、日向〜半日陰です。多湿の環境を嫌うので、土壌改良資材をすき込み、盛り土をして高くするなど、水はけのよい土壌づくりがポイント。植え付けの適期は落葉期の11〜12月。自然に樹形が整うので、剪定は、込んでいる部分を切って風通しをよくする程度でOKです。
スイセン
スイセンは、ヒガンバナ科スイセン属の秋植え球根植物です。原産地はイベリア半島を中心に地中海沿岸で、寒さに強い性質を持っています。花色は、ほかに白、オレンジ、複色など。花姿は一重咲き、八重咲き、ラッパ咲き、カップ咲き、バタフライ咲きなど多様です。昔から人気の高い花で、品種改良が盛ん。毎年新品種が発表されており、選ぶ楽しみがあります。草丈は10〜50cmで、種類によって幅があります。スイセンの花言葉は「自己愛」「神秘」「私の元へ帰って」「尊敬」など。10〜11月に球根を植え付けて栽培をスタートします。日当たり、風通しのよい場所で、水はけのよい土壌が適地です。開花期は次から次に花が咲くので、終わった花はこまめに花首で切り取りましょう。6月頃に地上部が枯れますが、枯死したわけではなく、休眠してまた生育期に入ると新芽を出します。数年は植えっぱなしでかまいませんが、大株に育ったら掘り上げて分球し、風通しのよい半日陰で保管を。秋に植え直しましょう。
レンギョウ
レンギョウは、モクセイ科レンギョウ属の落葉樹です。樹高は1.5〜3mの低木。地際から細い枝を立ち上げて密生し、ややしなる低木株立ちの樹形をしています。原産地は中国で、暑さ寒さへの耐性は普通程度。開花期は3〜4月で、細い枝にびっしりと小さな花を咲かせる姿は見応えがあります。レンギョウの花言葉は「期待」「希望」「集中力」など。植え付けの適期は、落葉期の12〜2月。日当たり、風通しのよい場所を選び、水はけ・水もちがよく、適度に湿度を保つ土壌を好みます。翌年の花芽は7月頃にできるので、強い切り戻しや刈り込みは花後すぐに行いましょう。落葉期の剪定は、込み合っている部分を透かす程度にし、古くなった枝は地際で切り取って新しい枝に切りかえます。
マンサク
マンサクは、マンサク科マンサク属の落葉樹。樹高は2〜3mの低木です。原産地は日本で、昔から野山に自生してきたため寒さ暑さに強く、環境に馴染んで放任してもよく育ちます。開花期は2〜3月で、新葉を出す前の枝にびっしりと花をつける姿は大変華やか。花色は、ほかに赤、オレンジ、茶があります。マンサクの花言葉は、「ひらめき」「魔力」「霊感」など。植え付けの適期は、落葉期の寒い時期を除く11月か3月頃。日当たりのよい場所を選び、水はけ、水もちのよい土壌づくりをして植え付けます。剪定は、花が終わった後に、込んでいる部分をすかす目的で余計な枝を切り、根元から出るひこばえや枯れ枝などを切り取りましょう。
フリージア
フリージアは、アヤメ科フリージア属の球根植物です。草丈は20〜50cm。原産地は南アフリカで、寒さにやや弱い性質を持っています。開花期は3月中旬〜5月中旬。花茎を長く伸ばした先に、ラッパ状の花をいくつも連ねます。花色はほかに白、赤、ピンク、オレンジ、紫、複色など。フリージアの花言葉は「あどけなさ」「純潔」「慈愛」「憧れ」などがあり、黄花は「無邪気」。栽培は、球根の植え付けからスタートします。植え付け適期は9月下旬〜11月上旬。日当たり、風通しのよい場所を選び、水はけ、水もちのよい土作りをして5〜10cm間隔で植え付けます。終わった花はまめに摘み取り、株まわりを清潔に保ちましょう。夏前に地上部を枯らして休眠し、生育期になると再び新芽を伸ばします。
‘ゴールデンクラッカー’
‘ゴールデンクラッカー’はキク科ユリオプス属の常緑低木で、学名はEuryops virgineus ‘Golden Cracker’、ユリオプス・バージネウス種の園芸品種です。樹高は50〜150cm。原産地は南アフリカで、寒さには強いものの真夏の暑さが苦手です。開花期は1〜5月。枝に切れ込みが細かく入った小さい葉を枝に密につけ、小さな花を多数咲かせます。‘ゴーデンクラッカー’の花言葉は「心躍る」「祝福」「美しい日々」「明るい愛」など。植え付けの適期は9月頃。日当たり、風通しのよい場所に、水はけのよい土作りをして植え付けます。樹形が乱れてきたら、開花後の5月頃に切り戻すとよいでしょう。
黄色いチューリップを育ててみよう
春に咲く黄色い花の中でも、最も人気が高く、初心者でも育てやすいチューリップの育て方をご紹介します。球根は植え付けする時期である秋から園芸店などで入手できます。
球根の植え方
球根の植え付け適期は10月中旬〜12月中旬です。球根を購入する際は、ふっくらとして重みがあり、傷がないものを選びましょう。
チューリップを植える場所は、日当たりがよく、風通しのよい環境を選びます。植え付ける1〜2週間前に、腐葉土や堆肥、緩効性化成肥料をよく混ぜ込んで耕し、土作りをしておきましょう。あらかじめ土づくりをしておくと、ゆっくりと分解が進んで熟成し、植え付ける頃には適した土壌になっています。植え付けの際は、球根2個分の深さに、尖ったほうを上にして植えます。複数植える場合は、球根2個分の間隔を空けましょう。チューリップは球根を1〜2球植えるより、同じ品種を5〜10球ずつ植えるマス植えにすると見栄えがします。
鉢植えにする場合は、5号鉢に3球を目安に植え付けます。用土は、市販の草花用に配合された培養土を利用すると便利です。用意した鉢の底穴に鉢底ネットを敷き、軽石を1〜2段分入れてから培養土を入れます。水やりの際にすぐあふれ出さないよう、土の量は鉢縁から2〜3cm下の高さまでを目安にし、ウォータースペースを取るとよいでしょう。球根は、2個分の深さの穴に、等間隔を取って植え付けます。チューリップの栽培では、冬の寒さにあわせることが大切なので、必ず戸外で管理しましょう。
庭植え、鉢植えともに、植え付けた後にたっぷりと水やりをします。
水やりの方法と肥料の与え方
水やり
【地植え】
水やりは、地植えの場合は地中から水が上がってくるので、ほとんど不要です。ただし、晴天が続いて乾燥し、葉がしなびた状態になっている場合は、水やりをして補いましょう。
【鉢植え】
日頃から水やりを忘れずに管理します。土の表面が乾いたら、鉢底から水が流れ出すまで、たっぷりと与えましょう。茎葉がだらんと下がってきたら、水を欲しがっているサイン。植物が発するメッセージを逃さずに、きちんとキャッチしてあげることが、枯らさないポイントです。真冬に水やりする場合は、夕方に与えると凍結の原因になるので、十分に気温の上がった真昼に行います。
肥料
12月中旬に緩効性化成肥料を株の周囲に均一にばらまき、土によく馴染ませます。
しおれたら切り取る
翌年も開花させるために球根を掘り上げる場合は、花が咲き終わったら、早めに花首を切り取ります。いつまでも終わった花を残しておくと、種をつけようとして株が消耗するからです。
球根を掘り上げよう
花が終わったあと、地上部には茎葉が残りますが、6月頃に黄色く変色して枯れるまではそのままにしておきます。葉が光合成をして養分を球根に送り、翌年の発芽や開花のためのエネルギーを蓄えるためです。植えっぱなしで翌年も同じ場所で再び芽吹きますが、移動する必要がある場合は、地上部が完全に枯れたら、枯れ葉を処分し、球根を掘り上げます。土を丁寧に落とし、ネットなどに球根を入れて風通しのよい日陰などで保管しましょう。秋の植え付け適期になったら再び球根を植え付けます。
黄色い花で明るい気分に
緑が少なくなって、冬枯れた景色が寂しかった庭。そこへ黄色い花がいち早く咲き始めると、輝くように明るくなり、一気にみずみずしく生命力にあふれたシーンを作り出してくれます。春の喜びを強く感じられる演出として、黄色い花を咲かせる植物を、ぜひ庭やベランダに取り入れてみませんか?
Credit
文 / 3and garden
スリー・アンド・ガーデン/ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。
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