「雑草対策」のコツをプロに教わる! 庭づくりを左右する植栽前の大事な作業決行〜はまだんの「ステキなお庭をつくろう!」企画Vol.3〜
横浜のとある場所に建つおしゃれな一軒家…ここは、神奈川ご当地アイドルグループ「YOKOHAMA男子」(通称はまだん)のメンバー5人が住むシェアハウス「はまだんハウス」。この家にある手つかずの庭を、ガーデンストーリープロデュースのもと、ステキな庭に変えていきましょう! という本プロジェクト。今回は、今後の庭づくりの苦楽を左右する植栽前の大事な作業「除草」のコツを、その道のプロにレクチャーいただきました。はまだん動画とともにお届けします。
目次
庭づくりでは最初の雑草対策が肝心!
横浜某所の丘の上に建つおしゃれな一軒家に住むのは、『YOKOHAMA男子』(通称:はまだん)。「音楽の力で横浜そして神奈川を元気にしよう!」 というコンセプトのもと結成された神奈川ご当地アイドルグループのメンバー5人です。
彼らの住む「はまだんハウス」で現在進行中のガーデンプロジェクト。前回でウッドデッキの完成まで進み、いよいよ植栽に着手します。
…と、その前にやらなければならないのが雑草の除去。昨年夏の植栽帯は、こんな感じでした。
セイタカアワダチソウやアメリカセンダングサなどの雑草が、旺盛に繁っています。住宅の造成地などでは、庭土に山の土が使われていることがあり、そこには膨大な数の雑草のタネが入っています。
イギリスの調査では、1㎡あたり7万5千粒もの雑草の種子があったという報告がありますが、このように土の中にある種子を「埋土種子」と呼びます。埋土種子は個々の発芽条件が揃うと次々に芽吹いてきて、放っておくとあっという間に上の写真のように藪化してしまいます。
ですから、庭づくりの最初にまずはしっかりと雑草対策をしておくことがとても大事。この作業がその後の庭作りの苦楽を大きく左右します。まずは草刈りをして地上部を整理し、さらに除草剤を使って土の中に残っている雑草の根を枯らしていきます。
草取りを楽にしてくれる鎌の使い分け
2021年晩秋のある日、メンバー全員で雑草の刈り取り作業をすることになり、貝塚造園の岸聡志さんが「はまだんハウス」に雑草刈りの指導にきてくれました。
まずは鎌を使って草刈りから。さっそく、岸さんから鎌の種類と使い方の説明を受けます。この日、岸さんが持参していた道具はこのようなラインナップでした。
●小鎌:コンパクトなサイズで、細かい場所も作業しやすい鎌
●草取鎌:土の中に差し込み、根っこから刈り取るのに便利なスコップ型の鎌
●鋸鎌:刃先にギザギザの刻みがついた鎌。固い茎や根を刈るのに便利
●大鎌:大きいサイズの鎌
●ホー:立ったまま使う柄の長い鎌で、腰が痛くなりにくい
通常の鎌は土の中に差し込むと土中の砂利などで刃こぼれしたりしますが、写真の特殊鎌や鋸鎌は土中でも使えるように耐久性を高めて製造されています。多年草の雑草の根切りなどに使う場合は、製品説明をよく読み、土の中でも使えるものを用いましょう。
雑草を増やさないための雑草取りのポイント
作業を始める前に、岸さんから以下の雑草取りのポイントを教わりました。
①雑草は引っ張りながら根っこを残さないよう取ること。
②雑草には多年草と一年草があるが、特に多年草は根っこから取らないとまた生えてきてしまうので抜き方に注意。
③スズメノカタビラなどの一年草はタネが落ちると再び生えてきてしまうので、見つけたらできるだけ早いうちに抜き取っておくこと。
④今後花壇にする予定の場所なら、「天地返し」といって土を深く耕し、下層と表層の土を入れ替えるようにしておくと、土の上に露わになった雑草の根が乾燥して枯れ、土に空気も入ってその後植栽する植物も生育がよい。
雑草取りのための服装と装備
そして一斉に雑草刈り開始。メンバー5人、思い思いの場所で刈り取っていきます。
草取りをする時は、長袖・長ズボン・手袋が必携です。草の中には葉の縁が「鋸歯(きょし)」といって、ノコギリの刃のようにギザギザになっているものがあるので、素肌が露出していると切り傷を負ったり、「草負け」といって草の汁で肌がかゆくなる場合があります。また、鎌は刃物なので怪我を防ぐ意味でも手袋や服装は大切です。
1時間ちょっとの草刈り作業を経て…雑草の山がこんなにも!
除草剤を正しく使って効率よく雑草対策をしよう!
庭は見違えるほどすっきりしました! が、これで終わりではありません。刈り取り作業だけでは、抜けきらなかったしぶとい雑草の根がいくらかまだ土中に残ってしまうものです。2〜3週間ほどでまた雑草は伸びてくるので、今度は除草剤を使って雑草を退治します。
今回は、除草剤「グリーンスキットシャワー(住友化学園芸)」を使用して、雑草対策の仕上げをすることにしました。
「除草剤」と聞くと、使うのがなんだかコワイ、環境への影響が心配、と思われる方もいるかもしれませんが、ご安心を。「農林水産省の農薬登録を取得している除草剤」は、農薬として登録するまでに人や生物、環境の安全を確保するためのさまざまな審査をクリアしており、商品の記載に従って正しく使えば安全に使用できます。その際、畑や花壇など栽培予定地で使用する場合は「作物名」の記載があることを確認してください。
除草剤は2タイプのどちらを選ぶかが大事
また、除草剤には大きく分けて以下の2つのタイプがあるので、使う場所やケースによって使い分けることが大切です。
①土壌に有効成分が長くとどまり、草が根から成分を吸い上げ草の生えない状態が半年以上続くものなどがある(粒状のものが多い)。駐車場など、植物を育てる予定のない場所向き。
②生えている雑草に液体をかけ、葉や茎から成分を吸収させ、生えている雑草だけに効果を発揮するもの。根からは吸収されない。ただし使用場所は空き地や駐車場に限られる製品が多い。除草後に植栽計画がある場合は、花壇や畑などで使える「作物名」の記載がある製品(グリーンスキットシャワーなど)を選ぶとよい。
このほかにも、芝生の中で使える除草剤や、雑草が発生する前に使用し、土中の雑草の発芽を抑制するタイプなどがあるので、製品説明をよく読み、用途に合わせて使い分けましょう。
今回はまだんが使った除草剤「グリーンスキットシャワー」は、②のタイプ。散布液がかかった雑草だけを枯らしてくれて、土に成分が残らないので、撒いた後に種まきや苗の植え付けができる商品。花壇や畑をつくる構想がある「はまだんハウス」の庭にもってこいです。
事前に、住友化学園芸のガーデンドクター“牛ちゃん”こと牛迫正秀さんに、動画にて商品の説明や使い方、注意事項をレクチャーいただきました。牛ちゃんからいただいた注意事項は主に下記2点。
●野菜や花壇の草花がある場合は、それらに直接かからないように、うね間や植栽のすき間に生える雑草をねらって散布する(今回はまだ雑草のみなので、その心配はありません)
●雑草がゆっくり伸びる時期(冬など)は、除草剤の効き目もゆっくりになるので、枯れるスピードも遅くなるが、焦らない
牛ちゃんからのアドバイスを参考にしながら、晩秋に刈り取った雑草がまた少し伸び始めた12月某日、散布作業が行われました。
大きい雑草は刈り取りやすいですが、小さいものや地面に張り付くように生える雑草(特に秋冬に増えてくる雑草の形態でロゼッタ型といいます)はそのまま残っていますので、仕上げに除草剤を使うとより完璧に雑草の発生を抑えることができます。
「グリーンスキットシャワー」は、、キャップを開けると、散布口がジョウロの「はす口」のようになっているのでそのまま雑草に散布できます。
庭全体の散布が完了しました。さらに、初春にまだ雑草が生える前、またはごく初期段階で、種子の発芽を抑制するタイプの除草剤をまけば、雑草対策は完璧です。
ここからは本格的な庭づくりに向けて、植える植物の検討を始めていきます。今後の展開をお楽しみに!
雑草刈りと除草剤散布の様子の動画は、YOKOHAMA男子公式YouTubeチャンネル「はまだんTV」にて公開されております。こちらもチェックしてみてください!
雑草刈り編:https://youtu.be/BjiQd-NlDxM
除草剤編:https://youtu.be/dDFvOwogGDE
YOKOHAMA男子プロフィール
2017年11月、「音楽の力で横浜そして神奈川を元気にしよう!」というコンセプトのもと結成。 神奈川県内のお祭りやイベントに積極的に参加、さらには横浜市内での路上ライブにも力をいれて活動してるほか、「神奈川県犯罪防止応援アイドル」として神奈川県警の詐欺防止運動にも取り組んでいる。今後は地域の食や文化そしてSDGsなど、アイドルの枠組みにとらわれずに視野を広げて、よりよい社会作りに貢献できるグループを目指す
Youtube: https://www.youtube.com/channel/UCbF2EyAywVpiReWvTqQgFlA
Instagram: https://www.instagram.com/hamadan065/
Twitter: https://twitter.com/hamadan_11
Official Site: http://hamadan.yokohama/
Credit
ガーデンストーリー編集部
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