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冬にベランダガーデニングはできる? 冬に栽培できる植物をご紹介!

冬にベランダガーデニングはできる? 冬に栽培できる植物をご紹介!

Anna Nahabed/Shutterstock.com

冬になると休眠する植物が多くなり、ベランダが寂しいなと感じてしまう人も多いのでは? じつは、冬のベランダは霜や凍結の影響を受けにくいので、地植えよりも植物を育てやすい環境です。冬でも花を咲かせる植物や葉色の美しいエバーグリーンで、ベランダをみずみずしく彩ってみませんか。

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ベランダガーデニングのポイント

ベランダでのガーデニングは、鉢栽培が基本となります。ベランダガーデニングを始める前に、植物の栽培に適した環境かどうか、チェックすることから始めましょう。

日当たりはどうか

バルコニーガーデン
Shuang Li/Shutterstock.com

植物にとって、日当たり具合は生育条件の大切な要素となります。太陽の軌道は季節によって変わってくるので、ベランダや屋上がどのくらいの日照時間があるのか、把握しておきましょう。

東向きのベランダでは、午前中に光が差す程度ですが、近年の夏の暑さを考慮すると、じつはベストな環境。午前中のみ直射日光が差す程度の環境でも、植物は一年を通して十分に育ちますよ!

南向きのベランダは、日当たりがよく植物が生育しやすい恵まれた環境です。しかし、熱がこもりやすいので、夏は一日中日差しが届く環境だと植物が弱ってしまうことがあります。その場合は、日除けを設置するなどの工夫が必要です。

西向きのベランダは、夏は特に西日に弱い植物の栽培はNGですが、逆に冬は暖かいというメリットがあります。

北側のベランダでは、日差しがあまり望めないので、半日陰で育つ植物を選び、カラーリーフプランツなどを使ってみずみずしく演出するとよいでしょう。

排水溝はあるか

排水溝
Sirada Wichitaphornkun/Shutterstock.com

ベランダでガーデニングを楽しむ場合、水やりのたびに水が流れたり、雨風が吹き込むので、気をつけていても土や枯れ葉などが排水口の周囲にたまりやすくなります。まず、排水口が手入れのしやすい場所にあるか、確認しておきましょう。マンションなどでは、2、3戸に1個しか排水口がない場合もあり、配慮を欠くと泥水や枯れ葉が排水口のある隣家にたまってしまい、トラブルの原因になりかねません。自身のベランダに排水口がない場合でも、風雨により隣家にゴミがいかないように、こまめに掃除を心がけて、迷惑をかけない工夫が必要です。

風通しはよいか

ベランダガーデン
Isa Long/Shutterstock.com

風通しについては、2階以上にあるベランダは風が通りやすいので、植物の栽培には適した環境といえます。ただし、上階にいくほど風が強くなりがちなので、常に強風が吹きつける環境では対策が必要ですし、ガーデニングが禁止されているケースもあります。強風によって物が飛んでいかないように注意し、鉢やハンギングバスケットは落下事故が起きないように、しっかり固定しておくことが大切です。

一方、ベランダでも囲いが大きかったり、半地下などでは湿気がこもり、カビが発生しやすくなります。湿気の多い環境下では、植物に病気が発生しやすくなるので注意が必要です。

ベランダガーデニングの注意点

ベランダガーデン
Makistock/Shutterstock.com

【マンションなどの管理規約を守る】

ベランダガーデニングを楽しむ場合、アパートやマンションのルールを守ることが大前提です。ほとんどのマンション・アパートの場合、ベランダは「共用部」であり、個人の所有スペースというわけではありません。まずはお住まいの管理規約をチェックし、許される範囲で楽しむことが大切です。

【鉢などで避難経路を塞がないようにする】

一般的には、緊急時に蹴破って避難できるように設置されている仕切り壁や、階下とつなぐ緊急用はしごが装備されているハッチに、物を置いてふさぐことはできません。仕切り壁にラティスでカバーしてディスプレイ用にアレンジしたり、ハッチの上に鉢を飾ったりということは禁止事項なので、注意してください。

【ベランダの耐荷重を超えないようにする】

ベランダには耐荷重があるので、躯体を傷めないためにも、できるだけ軽量化を図る工夫が必要です。軽い素材の鉢やプランターを選ぶ、軽量化に特化した培養土を用いる、などの配慮を心がけましょう。

【ベランダの外側に鉢などを設置しない】

ベランダの柵の外側には、鉢やハンギングバスケットなどを飾らないようにしてください。いくら固定しているからといっても、万が一落下してしまったらどうなるでしょう。下にいた人に当たって怪我をさせてしまったら、責任を負うことになります。それに、通行人に不安感を与えることにもなるので注意しましょう。

【水を与える時は下の階に注意を払う】

植物に水を与える際に、「階下に水が落ちないように」と意識して行うのは大切なことです。雑にジャバジャバと勢いよく水をかけると、土や植物の茎葉に当たって思わぬ方向に跳ね返り、そのまま階下に落ちてしまうことはありがちです。階下の方が干していた布団や洗濯物などにかかってしまうと、トラブルになりかねません。ジョウロのハス口をはずし、水の勢いがつきすぎないように、株元の土を狙って与えるようにしてください。

【排水口を詰まらせないようにする】

ガーデニングをしていると、枯れ葉や花がらなどのゴミが出やすく、注意していても排水溝に流れ込んでしまいます。排水口が詰まる原因になるので、こまめに掃除や手入れをしてください。排水口が詰まった状態を放置すると、水たまりができて階下への漏水の原因にもなるので注意しましょう。

ベランダガーデニングのために準備するもの

ガーデニングツール
Mouse family/Shutterstock.com

植え付けやその後の管理に必要な道具は、鉢やプランター、ガーデニング用の手袋、スコップまたは土入れ、園芸用ハサミ、ジョウロなどです。

ベランダで植物を栽培する場合は、耐荷重に注意する必要があるので、大きな鉢やプランターを使う場合は、プラスチックやFRPなど、軽い素材のものを選ぶとよいでしょう。

手袋は、植え付け・植え替えの際の必需品。手袋をせずに作業すると土が爪に入ってなかなか取れずに困ることがあります。また、敏感肌の方は土を直接触ると手荒れすることがあるので、綿の手袋をはめた上にゴム手袋をするのがおすすめです。

スコップや土入れは、植え付けや植え替えの際に使います。園芸バサミは枯れ葉や花がら摘み、切り戻しなどに。ジョウロは水やりに欠かせません。

冬におすすめしたい植物

「冬に咲く花なんてあるの?」と疑問を持つかもしれませんが、晩秋から春にかけて長い間咲く草花はありますよ! それに、冬でも葉を落とさない常緑の植物を取り入れても、みずみずしいシーンを作ることができます。それでは、冬のガーデニングにおすすめの植物をご紹介しましょう。

クリスマスローズ

クリスマスローズ
Natalia Greeske/Shutterstock.com

クリスマスローズは常緑性の多年草で、一度植え付ければ毎年花を咲かせてくれる、ライフサイクルの長い植物です。寒さに強く、半日陰の環境でも育つ性質を持っています。開花期は1〜3月で、植え付けの適期は10〜3月です。花色は白、ピンク、紫、黄、茶、黒、複色など。咲き姿も品種によって多様で、一重咲き、半八重咲き、カップ咲き、平咲き、星咲きなどがあり、コレクターも多い人気の植物です。草丈は10〜50cm。鉢栽培では6〜7号鉢を用意し、市販の草花用培養土を利用して植え付けると便利です。花もちがよいので、花心が膨らみ種がつき始めたら花茎の根元で切り取って、部屋に飾るのもおすすめです。開花中は、速効性の液体肥料を10日〜2週間に1度施して株の勢いを保ちましょう。真夏は生育が止まるので、風通しのよい明るい日陰に移動して管理します。植え付けから数年経って大株に育ったら、掘り上げて数芽つけて株分けし、若返りを図りましょう。

ローズマリー

ローズマリー
Joel Lisenby/Shutterstock.com

シソ科マンネンロウ属(ロスマリヌス属)の低木で、原産地は地中海沿岸地方。常緑性なので、冬でも葉を落とさずにみずみずしいエバーグリーンを楽しめます。枝が地際から立ち上がる株立ち性の樹形で、まっすぐに立ち上がるもの、這うように伸びるもの、その中間などがあり、種類によって異なります。自然樹高も種類によって幅があり、30〜200cmほど。成長の速度はやや速いほうです。ハーブの一種で、枝葉に触ると爽やかな香りが立ち、料理やクラフトなどさまざまに利用できます。開花は11〜5月で、花色は淡いブルー、白、淡い紫、ピンクなど。成長期の4〜11月には枝葉の収穫ができます。

入手した苗よりも1〜2回り大きな鉢に植え付け、日当たり・風通しのよい場所に置きましょう。日本の気候によくなじみ、暑さに強い性質です。霜にあっても枯れることはありませんが、寒冷地では防寒対策を施して日当たりのよい暖かい場所へ移動するのが無難。剪定適期は4〜11月で、込んでいる部分などを適宜根元から切り取って風通しよく管理しましょう。

ガーデンシクラメン

ガーデンシクラメン
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シクラメンというと贈答用に用いられることが多く、室内で管理する鉢花というイメージが強いもの。しかし、ガーデンシクラメンは、耐寒性のある原種のシクラメンを元にしてつくられた、寒さに強く屋外でも栽培できる品種群です。といっても耐寒性は0〜5℃くらいです。

ガーデンシクラメンは、一度植え付ければ毎年開花する息の長い球根植物です。開花期は10月中旬〜4月中旬で、花色は赤、ピンク、白、複色など。咲き姿も一重咲きや八重咲き、花弁にフリルが入るフリンジ咲きなどがあります。草丈は10〜20cm。

ガーデンシクラメンは日当たり・風通しのよい場所で管理します。開花期間中はまめに花がらを摘み、速効性の液体肥料を10日〜2週間に1度施して株の勢いを保ちましょう。水やりは乾燥したら与える程度に。多湿にすると根や球根が腐ることがあるので注意します。

ハボタン

葉牡丹
terekhov igor/Shutterstock.com

原産地はヨーロッパで、二年草、多年草に分類されています。葉が結球する姿を楽しむカラーリーフプランツで、葉色には白、紫、淡いピンク、斑入りなどがあります。また、葉姿も丸葉、縮れ葉、切れ葉などが揃います。草丈は種類によって5〜100cmと幅が広いのが特徴。昔はハクサイのような大きさのハボタンを花壇などでよく見かけましたが、年々小型化が進んで、寄せ植えにも利用できるミニサイズも出回るようになっています。和の雰囲気を持っているので、お正月飾りに利用するのもいいですね。春になると花茎を伸ばして菜の花のような黄色い花を咲かせます。

ハボタンは、日当たり、風通しのよい場所を好みます。水やりは表土が乾いたらたっぷりと与えましょう。巻いた葉の中に水がかかると蒸れやすいため、表土を狙って与えてください。肥料は液体肥料を10日〜2週間に1度施して株の勢いを保ちます。3月頃からはアブラムシがつきやすいので、あらかじめ植え付け時に土中に混ぜ込んでおくタイプの殺虫粒剤を施しておくとよいでしょう。

パンジー・ビオラ

パンジー
croquette/Shutterstock.com

パンジーやビオラの原産地は、ヨーロッパ。寒さに強く、暑さに弱い性質で、冬でも戸外で越冬できます。10月下旬頃から花苗店に出回り、多様な品種が揃います。花色は赤、ピンク、オレンジ、黄、白、紫、複色など。草丈は10〜30cmです。

パンジー・ビオラは日当たり・風通しのよい場所で管理します。秋〜冬に植えると、生育は緩慢で華奢な姿を保ちますが、3月下旬くらいからは生育が旺盛になり、こんもりと茂って次々と開花し、初夏まで咲き続けます。開花期間は10月下旬〜5月中旬と長いので、終わった花はまめに摘み取って株が老化するのを防ぎましょう。また、株の勢いを保つために、春からは1カ月に1〜2回は速効性の液体肥料を与えます。3月頃からアブラムシがつきやすくなるので、あらかじめ土中に混ぜ込んでおくタイプの殺虫粒剤を、植え付け時に施しておくとよいでしょう。一年草でライフサイクルは短く、夏の暑さに耐えられずに枯死するので、抜き取って処分します。

プリムラ・ジュリアン

プリムラ
Vitalinka/Shutterstock.com

ヨーロッパが原産地の多年草ですが、日本の酷暑を乗り切るのが難しく、一年草として出回っています。開花期は11〜4月で、赤、ピンク、オレンジ、黄、白、紫、青、茶、黒、白、複色など、花色が豊富なので、選ぶ楽しみがありますよ! 草丈は5〜10cmと低いので、鉢の前面や縁取りなどに向いています。

プリムラは日当たり・風通しのよい場所を好みます。平らな葉を放射状に伸ばした中央に花が咲くため、水やりの際に葉や花に水がかかりやすいので注意。株が蒸れてしまいます。3月頃からは次々とつぼみを上げてくるので、2週間に1度を目安に液肥を与えて、株の勢いを保つとよいでしょう。また、春からはアブラムシがつきやすくなるので、あらかじめ植え付け時に土中に混ぜ込んでおくタイプの殺虫粒剤を施しておくとよいでしょう。終わった花がらはまめに摘み取り、株まわりを清潔に保ちましょう。真夏は涼しい半日陰の場所で管理すると、越年も可能です。

冬にベランダガーデニングをしてみよう!

ベランダガーデン
Edward O’Neil/Shutterstock.com

冬に開花する植物は意外にも多いので、ぜひ花苗店をのぞいてみてください! 冬のガーデニングのメリットは、生育が緩慢で、春からの生育期以降のように草姿が乱れることがほとんどなく、長い期間にわたってきれいな花姿を保ってくれるところ。また、この時期は病害虫の発生が少ないのもいいですね。ぜひ、冬のベランダガーデニングを楽しんではいかがでしょうか。

Credit

文/3and garden
ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。

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