トップへ戻る

ベランダガーデニングを始めよう! はじめてでも快適に楽しむ5つのコツ

ベランダガーデニングを始めよう! はじめてでも快適に楽しむ5つのコツ

Isa Long/Shutterstock.com

ベランダやテラス、屋上スペースがあるようなマンションやアパートに住むことになったら、ベランダガーデニングに挑戦してみませんか。手すりなどに囲まれた限られた空間でも、アイデア次第で花が咲き、緑豊かな空間を演出することができます。この記事では、ベランダガーデニングを成功させるコツをご紹介します。

Print Friendly, PDF & Email

コツその1:ベランダの特徴を知る

ベランダで植物を育てる前に、広さや環境などについて把握しておきましょう。ベランダが向いている方角や風の強さ、日当たり具合などに合わせて植物を選ぶことが成功の秘訣です。この項目では、ベランダの特徴について確認すべきポイントをご紹介します。

植物を置くスペースを確認する

ベランダガーデン
Ashley-Belle Burns/Shutterstock.com

ベランダには一般に室外機があり、洗濯物を干す場所やベランダで使うグッズの置き場所も必要です。それらと住み分けてガーデニングを楽しむなら、どれくらいの広さを確保できるか、まずはチェックしてみましょう。

室外機は見逃しがちなポイントですが、給気や排気を円滑にするためにも、周囲には植物を置かないようにしましょう。植物にとっても、常に風が当たり続ける環境は好ましくありません。

また、洗濯物を干すスペースと、ガーデニングを楽しむスペースはしっかり区分けしておきたいものです。洗濯物の近くにバラなどトゲのある植物があると、洗濯物を引っかけて傷める原因になることも。それに、植物につく虫が洗濯物に移って、たたむ時にイモムシが出てきて悲鳴をあげるということもありがちです。

ガーデニングスペースをどのくらい確保できそうか、どのくらいの大きさの鉢やプランターを置けそうか、メジャーを使って幅や高さを測り、あらかじめしっかりイメージしておきましょう。

日当たりや風通しを確認する

ベランダガーデン
pikselstock/Shutterstock.com

植物にとって日照や風通しは、生育条件の大切な要素となります。季節やベランダの向きによっても異なるので、実際にどのくらい日が当たるのか、事前に把握しておきましょう。

東向きのベランダでは、午前中に光が差す程度ですが、近年の夏の暑さを考慮すると、じつはベストな環境。午前中のみ直射日光が差す程度の環境でも、植物は一年を通して十分に育ちますよ!

南向きのベランダは、日当たりがよく植物が生育しやすい恵まれた環境です。しかし、熱がこもりやすく、夏場は一日中日差しが届くために植物が弱ってしまうことがあります。その場合は日除けを設置するなどの工夫が必要です。

西向きのベランダの場合、夏は特に暑さに弱い植物の栽培はNGですが、逆に冬は暖かいというメリットがあります。植物によっては西日が当たる環境を嫌うものがあるので、日除けを設置するなどの工夫が必要です。

北側のベランダでは、日差しがあまり望めないので、半日陰や日陰で育つ植物を選び、カラーリーフプランツなどを使って瑞々しく演出するとよいでしょう。

風通しについては、ベランダや屋上は、植物の栽培には適した環境です。ただし、上階にいくほど風が強くなるので、常に強風が吹きつける場合は対策が必要ですし、建物によってはガーデニングが禁止されているケースもあります。

排水口の位置を確認する

排水溝
Mr.keng/Shutterstock.com

ベランダでガーデニングを楽しむ場合、水やりのたびに水が流れたり、雨風が吹き込むので、気をつけていても土や枯れ葉などが排水口の周囲にたまりやすくなります。まず、排水口が手入れのしやすい場所にあるか、確認しておきましょう。マンションなどでは、2、3戸に1個しか排水口がない場合もあり、配慮を欠くと泥水や枯れ葉が排水口のある隣家にたまってしまい、トラブルの原因になりかねません。自身のベランダに排水口がない場合でも、風雨により隣家にゴミがいかないように金網やゴミ取りネットを付けるなどし、またこまめに掃除を心がけて、迷惑をかけない工夫が必要です。

コツその2:ルールを守る

ベランダの非常経路
shigemi okano/Shutterstock.com

ベランダでガーデニングを楽しむ場合、アパートやマンションのルールを守ることが大前提です。ほとんどのマンション・アパートの場合、ベランダは「共用部」であり、個人の所有スペースというわけではありません。まずはお住まいの管理規約をチェックし、許される範囲で楽しむことが大切です。

一般的には、緊急時に蹴破って避難できるように設置されている仕切り壁や、階下とつなぐ緊急用はしごが装備されているハッチをふさぐように物を置くことはできません。仕切り壁にラティスでカバーしてディスプレイ用にアレンジしたり、ハッチの上に鉢を飾ったりということは禁止事項なので、注意してください。

また、鉢やハンギングバスケットを落下の危険がある位置には飾らない、水やりや薬剤散布は隣近所に配慮する、土埃や枯れ葉、花がらなどが近隣に飛ばないようにし、掃除をまめにする、などの配慮も心がけましょう。

コツその3:ベランダガーデンのデザインを決める

1鉢での栽培から始めて、少しずつお気に入りのデザインの鉢やアクセサリーを増やしてきたけれど「全体で見ると、なんだかまとまりがなくて落ち着かないなぁ」という悩みをもつビギナーさんが多いと聞きます。まずは目指すベランダガーデンのスタイルのイメージを固めることから始めるのが成功の秘訣。この項目では、ベランダをトータルコーディネートするポイントをご紹介します。

好みのガーデンのイメージを決める

ベランダガーデン
boyphotos/Shutterstock.com

まずは、ベランダガーデンをどんなスタイルでまとめたいのか、イメージを明確にすることから始めましょう。ナチュラルスタイルなのか、大人かわいいシャビーシックなのか、雑貨を多めにしたポップな雰囲気なのか……。

室内のインテリアをコーディネートするのと同じで、目指すスタイルを明確にすると、素材も絞られてきますね。ナチュラルスタイルにしたいなら、ウッドやバスケット、ラフィアなどの自然素材でコーディネートする、シャビーシックならアンティークやエイジング加工をした素材を取り入れるなど、方向性が定まってきます。

これといったイメージが浮かばなければ、インターネットで画像検索したり、ガーデニング雑誌を読んだりして、「こんなベランダにしたいな」と、気に入ったもののスナップを集めて、目を肥やしていくとよいでしょう。

デザインの基礎となる床材を決める

ベランダガーデニング
swissdrone/Shutterstock.com

ベランダガーデンでは、床材を取り入れるのは不可欠だといって差し支えないでしょう。マンションやアパートのベランダの多くは、床はコンクリートやモルタルなどで整えられています。コンクリートは熱を伝えやすい性質ので、夏に強い日差しを受けると非常に温度が高くなり、蓄熱すると冷えにくい性質があります。また寒い冬には、外気が伝わって大変冷たくなります。このコンクリートに真夏・真冬に鉢植えを直置きすると、植物に負担のかかる悪い環境となるのです。そのため、床には断熱効果のあるウッド素材のパネルを敷き詰めるのをおすすめします。ウッド素材はカラートーンに幅がありますし、使いたい色があれば、自身でペイントしても素敵ですね。

フロアパネルの素材は、ほかにもタイルや人工芝など多様ですが、植物に熱を伝えやすいという点では同じです。「スタイルの統一のためには、気に入った資材を使いたい」という場合は、コンテナスタンドやハンギングを利用したり、底にレンガなどをかませて直置きを避けたりといった工夫をするとよいでしょう。

置けるプランターや鉢の総量を決める

ベランダガーデニング
TG23/Shutterstock.com

ベランダのサイズを測って床材を敷いたら、そこに配置する植物をイメージし、全部でどれくらいの鉢やプランターを置けそうか、プランニングしてみましょう。

ベランダには耐荷重があり、重い資材や鉢を多数置くと建物に負担がかかります。なるべくアイキャッチとしてポイントごとに配置し、できるだけ軽量になるようにしましょう。紙にラフに配置図などを書き込んでイメージを膨らませるのもいいですね。高さのある樹木を置いたり、つる植物や枝垂れる植物を使って広い面積を緑化したり、小さい鉢やハンギングバスケットを配したりと、高低差のある変化に富んだ植栽がおすすめです。

コツその4:何を植えるのかを決める

ベランダガーデニング
Franz Peter Rudolf/Shutterstock.com

ベランダガーデニングでは、どんな植物を植えるべきでしょうか? それはもちろん、まずはお気に入りの花を咲かせる植物を選んでください。でも、ベランダや屋上の場合は鉢栽培が基本で、気候や環境にあまり恵まれないケースも多いもの。お気に入りの植物はベランダや屋上の中でも一番条件のいい特等席に配置し、そのほかは脇役として活躍する、環境に馴染みやすい植物を選ぶのも一案です。この項目では、ベランダや屋上などに向く、丈夫で乾燥に強いおすすめの植物をご紹介します。

ベランダガーデニングにおすすめの草花

ベランダで育てやすい草花には、以下のようなものがあります。ぜひ参考にしてください。

【パンジー・ビオラ】

パンジー・ビオラ
Nick Pecker/Shutterstock.com

スミレ科の一年草。寒さに強く、開花期は10月下旬〜5月中旬と長く楽しめます。花色は赤、ピンク、オレンジ、黄、白、紫、複色など。品種が多様で選ぶ楽しみがありますよ! 草丈は10〜30cmで、こんもりと茂って風を受け流してくれます。

【スイートアリッサム】

スイートアリッサム
Nonchanon/Shutterstock.com

本来は多年草ですが、高温多湿に弱く、日本の暑い夏を乗り切れずに枯死するので、一年草として扱われています。開花期は9月下旬〜12月下旬、2月上旬〜6月上旬で、花色は白、ピンク、紫、オレンジなど。一つひとつの花は小さいのですが、集まって咲くので色のかたまりとなってよく目にとまります。草丈は10〜15cmで這うように広がり、強風の影響をあまり受けません。

【インパチェンス】

インパチェンス
Tanya_Terekhina/Shutterstock.com

開花期は5月〜11月上旬の一年草です。花色は白、赤、ピンク、オレンジなど。草丈は15〜40cmで、茎葉を低くこんもりと茂らせるので、あまり風の影響を受けません。半日陰でも育ちます。

【ベルフラワー】

カンパニュラ
Rummiya Vilaithong/Shutterstock.com

キキョウ科の多年草で、開花期は4〜5月。花色は紫で星形の愛らしい花をたくさん咲かせます。草丈は10〜15cmで密に茂り、強風も受け流してくれます。暑さにはやや弱い性質ですが、環境に合えば毎年開花してくれます。

ベランダガーデニングにおすすめのハーブ

【ローズマリー】

ローズマリー
WindAwake/Shutterstock.com

シソ科の常緑低木で、樹高は30〜200cmと品種によって異なるので、あまり高くならないものを選ぶとよいでしょう。乾燥に強いので、ベランダでの栽培に向いています。少し触れただけで爽やかな香りが立ち、癒やされますよ! 肉料理の香りづけにおすすめのハーブです。

【バジル】

バジル
DarwelShots/Shutterstock.com

シソ科の一年草。植え付け適期は5月頃で、収穫適期は6〜8月。草丈は20〜25cmと、あまり場所をとらず丈夫な性質なので、初心者にもおすすめ。ひと枝切り取って水に挿しておくと1週間ほどで発根するので、手軽に増やすこともできます。イタリア料理に重宝。

【イタリアンパセリ】

イタリアンパセリ
Stephen Orsillo/Shutterstock.com

セリ科の二年草。植え付け適期は4月上旬〜5月下旬、9月頃。草丈は20〜25cmで、葉がついている間は常に収穫できます。サラダやスープなどの香りづけに重宝します。

【シソ】

シソ
Kittisak Chysree/Shutterstock.com

代表的な和のハーブ。シソ科の一年草で、植え付け適期は5〜6月。草丈は30〜40cm。地植えでは虫がつきやすい植物ですが、ベランダなど風通しがよい環境では虫の害は少ないほうです。収穫は6月下旬〜8月。若いうちに摘心を繰り返すほど、枝数が増えてこんもり茂ります。薬味に最適。

ベランダガーデニングにおすすめの野菜

■果菜類

【ミニトマト】

ミニトマト
maruco/Shutterstock.com

ナス科の一年草で、植え付け適期は5月上旬。苗は小さいけれど、人の背丈以上に大きく成長するので10号ほどの大鉢に植え付けましょう。茎葉を旺盛に伸ばすので、誘引しながら育てることになります。収穫期は7〜8月。上手に育てれば100個以上の収穫も可能です。

【枝豆】

エダマメ
nnattalli/Shutterstock.com

マメ科の一年草。植え付け適期は5月中旬。大型のプランターに3株ほど植え付けます。肥料を与えすぎると茎葉ばかりが茂って実りが悪くなるので注意します。収穫期は7月上旬です。

【イチゴ】

イチゴ
Taras Garkusha/Shutterstock.com

バラ科の多年草で、一度植え付ければ毎年収穫できます。植え付け適期は10月頃で、標準タイプのプランターに3株ほどを目安に植え付けましょう。根元のクラウンを埋めずに浅植えにすることがポイント。3月下旬に開花し、5月下旬〜6月上旬に収穫できます。

■葉菜類

【コマツナ】

コマツナ
Ryoko Fujiwara/Shutterstock.com

アブラナ科の一年草。種まきの適期は3月中旬〜10月で、収穫適期は5〜12月。標準サイズのプランターに条(すじ)まきにし、間引きながら育てます。種まきから約1カ月で収穫できるので、適期に何度かに分けて種まきすれば、長く収穫ができます。

【春菊】

シュンギク
lzf/Shutterstock.com

キク科の一年草。種を3〜4月に播くと5〜6月に収穫でき、9〜10月に播くと11〜12月に収穫できます。プランターに種を条まきし、間引きながら育てます。収穫の際は抜き取らずに、外葉から必要な分だけ折り取ると、再び新しい茎葉が出て長く収穫できます。

コツその5:自分が素敵だと思うものと組み合わせる

ベランダガーデニング
Anna Nahabed/Shutterstock.com

「ベランダガーデニングでは、環境に合う植物を選びましょう」といっても、「あまり気に入ってはいないけど、環境に合うから育てている」ということでは、楽しさが半減してしまいますよね。

前項の最初に述べたように、まずは好きな植物を選んでください。植物は生命力が強く、環境に合わなくても順応していくことがあるので、成長を見守ってみましょう。それでもうまく育たないようであれば、似たタイプの植物を探したり、まったく性質の異なる植物を選んでみたりと、いろいろチャレンジしてみてください。「失敗しないガーデニング」よりは、トライ&エラーを繰り返して、植物にだんだん詳しくなっていくプロセスも楽しいものですよ!

ベランダガーデニングに王道なし! 自分だけの素敵な空間を作ろう

ベランダガーデニング
HelloRF Zcool/Shutterstock.com

ベランダガーデニングは、千差万別。収穫できる植物を育てたいのか、テーブル&チェアを置いてくつろぎの空間を演出したいのか、開花リレーをさせていつも花でいっぱいのコーディネートをしたいのか……。ベランダをどう演出するかは、個人の趣向次第。レイアウトやデザインをしっかり計画し、世界に一つだけの素敵なベランダガーデンを目指しましょう。

Print Friendly, PDF & Email

人気の記事

連載・特集

GardenStoryを
フォローする

ビギナーさん向け!基本のHOW TO