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今が買い時の宿根草「クリスマスローズ」最新・注目品種&今やっておきたいお手入れ公開!

今が買い時の宿根草「クリスマスローズ」最新・注目品種&今やっておきたいお手入れ公開!

古くから茶花として親しまれてきたクリスマスローズは年々進化が止まらず、今年も新品種や人気品種が入手できる時期が到来しました! また、1株で何十輪という花を早春に咲かせる感動的な株に育て上げるためには、晩秋の今のお手入れが肝心です。特に猛暑やゲリラ豪雨、暖冬などクリスマスローズにとっても厳しくなってきている日本の気候にも負けない丈夫な株に育てるために、今作業してほしいクリスマスローズの手入れを動画を交えて解説。今注目のクリスマスローズのベスト・バイもいち早くご紹介します。

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今年注目の最新・人気クリスマスローズをピックアップ!

クリスマスローズは丈夫で育てやすく、よく増えて年中常緑の葉が庭の彩りになる、コスパのよい植物です。さらには、花色、花形のバリエーションが多彩で、進化が止まらず、魅力的な品種が続々登場しています! ここでは、注目のイチオシ品種をご紹介。今お取り寄せして、つぼみから開花まで、その時にしか出会えない魅惑の花を、ぜひ堪能してください。

横山園芸作出の珠玉の品種「プチドール」

日本のクリスマスローズの第一人者として、今なお最先端の品種を発表し続ける横山園芸、横山直樹さんが作出したクリスマスローズです。これまで、花も葉も大ぶりなものが多いクリスマスローズの中で、草姿が小ぶりでかわいらしい花をたくさん咲かせる性質を持ち、日本人の琴線に触れるその姿は、思わず両手で掲げて見惚れてしまう魅力をまとっています。

指先ほど小さい極小の花が咲く株もある「プチドール」。

株がコンパクトなので小鉢での栽培も可能。クリスマスローズの栽培を諦めてしまったベランダや狭いスペースでも育てることができる点も、画期的な進化を遂げています。横山直樹さんが何世代にも渡る交配を繰り返したことで生まれた珠玉の品種です。
⚫︎この記事の最後では「横山直樹さんの直筆サイン入り書籍」限定数販売のお知らせもご案内。お見逃しなく。

最新品種「雪の妖精 レオナ」

最新品種 「雪の妖精 レオナ」

「雪の妖精シリーズ」はクリスマスローズの名花「マダムラモニエ」を引き継ぐ原種ニゲル種の交配種です。ニゲルでは出せない色鮮やかなピンクやレッドなどの色合いが特徴。なかでも「レオナ」は「ニゲル」の姿の特徴を持った赤系花、「レッドニゲル」ともいえる最新花です。

氷の薔薇シリーズ「イタリアーノ ベノッタ」

「氷の薔薇シリーズ」は、名前の通り寒空の下に咲くバラのような美しさを持ちながら、性質が強く、真夏の暑さにも耐えるクリスマスローズの革命児としてデビューしました。これまでのニゲル系のガーデンハイブリッドにはない、豊かな色合いと圧巻の花数で豪華に咲き揃います。魅力的な個性を備えた新しい品種が次々登場するシリーズの中から、ピックアップしてご紹介します。

「氷の薔薇シリーズ」の中でも、超レアな「イタリアーノ ベノッタ」

「イタリアーノ ベノッタ」グレープレッドの深みのある花色が目を引きます。丸弁で整った花形に、明かりが灯ったような花心がチャームポイント。

最高峰のHGCシリーズ「ニゲル・パウロ」

HGCシリーズ「ニゲル・パウロ」

光を透かし、輝く純白花が美しいHGC(ヘレボレス ゴールドコレクション)の「ニゲル・パウロ」。優秀な個体からメリクロンによって増殖・株分けを経て、選び抜かれた究極の品種です。整った花形、くもりのない白花は次第にピンクに染まり、見頃が長く続きます。先のローマ教皇ヨハネ・パウロ2世にちなんで命名されました。

ガーデンハイブリッドシリーズ「ピンクフロスト」

ガーデンハイブリッドシリーズ「ピンクフロスト」

近年最も注目されている、ヘレボルスの異なる原種間交配により登場した「ガーデンハイブリッド(ニゲル交配種)」は、両親の特徴を受け継ぎ、さまざまな表情が楽しめます。花だけでなく、葉の色や形にも魅力をまとっています。ガーデンハイブリッドシリーズの中でも、霜をまとったようなパウダーピンクの花が多数咲くのが、「ピンクフロスト」。濃淡の幅がある花色で存在感を放ちます。

クリスマスローズを美しく咲かせるお手入れ術

多数の花を咲かせるガーデンハイブリッドシリーズ「ピンクフロスト」。

お気に入りのクリスマスローズを毎年美しく咲かせるためには、晩秋の今時期のお手入れが肝心です。特に近年は、猛暑やゲリラ豪雨、暖冬など、クリスマスローズにとって少々厳しくなってきていますが、適した時期に最適な資材を使って植え替えすれば、年々花数が増えて立派な株に成長します。これからご紹介するクリスマスローズの新しい栽培テクニックを実践して、冬の庭の主役花、クリスマスローズを美しく咲かせましょう。

開花前に要注意‼︎ 絶対にやっておきたい病気予防

気温も下がりクリスマスローズの新芽や花芽が上がってくる晩秋。この時期、特に注意したいのが「灰色カビ病」です。

灰色カビ病になったクリスマスローズの株元。

この「灰色カビ病」にかかってしまうと、せっかく伸びた花茎や葉が株元から腐って倒れてしまったり、花や葉が展開したときに黒く筋が入ったようになってしまい、1年かけて育った株が台無しになってしまいます。

「灰色カビ病」は特に近年の温暖化の影響か被害が多いようで「平田ナーセリー」の店舗でもお客様からの相談が絶えません。「灰色カビ病」は、名前の通りカビが原因でおこる病気です。特に湿気が多くて日照が少なく、風通しの悪い条件で出やすくなりますが、しっかりと予防をすれば防げる病気でもあります。

病気予防の3つの極意をお教えします。

極意① 過湿にしないための「マルチング」と「モンモリロナイト」

左から、マルチング材のウッドチップ、ベラボン(ヤシガラチップ)、モンモリロナイト。

クリスマスローズの成長期の新芽や花芽は柔らかく繊細で、地際から出てくる際に「灰色カビ病」が付きやすくなります。ですので、この時期に株の上から水やりすることは特に厳禁。葉や葉柄を伝って株の付け根に水が溜まると過湿の原因となり「灰色カビ病」を誘発します。

株元の過湿を防ぐためにおすすめしたいお手入れが表土を覆うマルチングです。株元をヤシガラのチップやウッドチップでマルチング(株元が隠れるくらいの厚さで敷き詰める)すれば、株の付け根についた水分をマルチング素材が吸収し、株元を最適な湿度に保つうえ、春先の雑草の防止や、夏の暑さでによる地温の上昇を防ぐこともできます。

左・中央/「GOOD SOIL ウッドチップ(小粒)」。右/ヤシの実をチップ状にし、アク抜きをした素材「ベラボンプレミアム」(ヤシガラチップ)は、繊維質が多く吸水クッション性に富みます。

地表を木製チップやヤシガラチップで覆うマルチングは、まるで手品のように土中の過湿、温度上昇を抑えてくれます。真夏の強烈な日射しにさらされた、むき出しの地表温度は、なんと50℃を超えることも。ところが、ウッドチップを敷いた場所では30℃前後。これは、まさに天国と地獄ほどの違いです。

「モンモリロナイト」(土のお守り)左は1kg入り、右はお得な4kg入り。

また、「モンモリロナイト」(土のお守り)は、ケイ酸塩白土という名前でも呼ばれますが、根腐れ防止剤として利用している方が多いのではないでしょうか? 土壌改良剤として土の中の余分な水分や肥料分を吸着して根腐れを防いでくれるこの物質は、土の上にまくことでも効果を発揮。クリスマスローズの株元にひと握りまくことで、過湿を防ぎ「灰色カビ病」を予防してくれます。

極意② 風通しをよくするクリスマスローズの古葉切り

「灰色カビ病」は風通しのよい場所では発生しにくくなります。葉が茂りすぎた株は株の中が蒸れやすくなり、適正に古い葉を切ることで風通しがよくなり「灰色カビ病」の予防になります。

葉を切るタイミングについては、「植え替えをしたらすぐに切る」とか「冬の寒風から花芽・新芽を守るため、切らない」などのさまざまな説がありますが、長年クリスマスローズと付き合ってきた「平田ナーセリー」では、これまで育ててきた経験から以下の見解にたどりつきました(関東以西の平野部など、比較的温暖な地域)。

 9月下旬~11月下旬

まだ温暖な秋に早々に全て葉を切り取ると、翌春に出てくる予定の新芽が秋に成長を始めてしまう傾向にあります。そのため秋に葉を切ってしまうと、花が遅れる・小さい・少ないなどパフォーマンスが悪くなりがちです。混みあった葉を間引くように切りましょう。

12月下旬頃が切るベストタイミング

12月下旬になると寒さも厳しくなり始めているので、新芽が伸びることもなく、葉を切られた刺激と光の刺激を受けて、急激に花芽が成長を開始します。葉がなくなり風通しのよい状態で成長した花芽は「灰色カビ病」に侵されることもなくしっかりとした花茎を伸ばします。

切らずにそのままずっと古い葉を切り取らないでいると、株の中心に光が当たらず、花芽の生育がかなり遅れてしまう傾向があります。株の中の風通しも悪くなり、過湿状態になりやすいため、「灰色カビ病」も出やすくなります。

極意③ 土にまくだけのお薬で病気予防!!

化学薬品はあまり使いたくない、植物を育てているとやはり自然環境は大事にしたい、という方は多いもの。もちろん無農薬で植物を育てられるに越したことはありませんが、無農薬にこだわるあまり大切な植物が手遅れになっては本末転倒です。

「灰色かび病」はうっかり放置してしまうとその年の花がダメになったり、株元から腐ってしまい、最悪の場合、枯らしてしまうことも。「ベニカXガード粒剤」はあらかじめ用土に混ぜ込んだり、株元にぱらぱらとまくだけで病害虫の予防になる優れもの。特に病気に対しての予防は一般的な農薬のように科学的に殺菌するのではなく、微生物(B.T.菌)の作用により植物の抵抗力を高め、丈夫にすることで病気を予防します。人間で言うワクチンで病気に対する抵抗力を獲得するのに近い仕組みで病気を防ぎます。

「灰色カビ病」だけでなく「うどんこ病」、「黒星病」にも効果があり、アブラムシなどの害虫ももちろん予防しますので、一つ持っておくと心強い薬です。

動画で作業をチェック! クリスマスローズの植え替え

クリスマスローズを長く楽しむためのコツは、病害虫の予防だけでなくベストタイミングでの植え替えです。休眠から目覚めるタイミングを逃さず作業しましょう! クリスマスローズは、秋のお彼岸の頃を境に目覚め始めます。地域やその年の気候にも左右されるので、お住まいの地域でヒガンバナが自然開花し、見頃を迎えるときを目安にするとよいでしょう。そして、モミジが落葉し始めるまでには、植え替えを終わらせるのが理想です。

クリスマスローズは休眠から覚めると一気に冬に向けて新しい根を次々発生させ、成長を開始します。そのタイミングであれば、根を傷めても、株分けをしても、細胞の再生能力が高く、少々手荒く扱っても大丈夫。また、古い土や傷んだ根をきれいに取り除くチャンスにもなります。植物のお手入れ作業は、「最適な時期」を守ることが大切です。

<準備するもの>

  • GOOD SOIL クリスマスローズの土
  • 傷口の保護剤「トップジンMペースト」
  • ウイルス消毒液剤「ビストロン-5」
  • 土の状態をリセットする「土のお守り」
  • 殺虫殺菌剤「ベニカXガード粒剤」
  • 植物活力剤「メネデール」

<クリスマスローズの植え替え・株分けの手順>

【手順1】鉢から株を抜き出して、根をほぐします。

この時期は少々手荒に扱っても大丈夫。それよりも、枯れた根や弱った根には病原菌が潜んでいる可能性が高いので、それを取り除くことが大切です。少々根が切れてしまっても、すぐに新しい根が出てくるので、しっかりほぐしてきれいにしましょう。グルグルに巻いた根鉢は、完全にほぐしましょう。

もし株分けをするならば、できるだけ2〜3芽以上の塊で分けましょう。あまり小さく分けすぎないように。大株の場合は、中心にある古い株もこの機会に取り除きます。使用するハサミ等の道具は、ウイルスの伝搬を防止するため、ウイルス消毒液剤「ビストロン-5」溶液にその都度浸しながら作業しましょう。

【手順2】株分けをしたら傷口に保護剤(トップジンMペースト)を塗って消毒します。

【手順3】植え付けるための新しい土を用意します。

クリスマスローズ栽培のためにブレンドされた専用土「GOOD SOIL クリスマスローズの土」がおすすめです。ふるいにかけ、微塵(みじん)という砂のように細かい土を取り除き、粒状の土だけを使いましょう。

【手順4】用土にケイ酸塩白土(モンモリロナイト)「土のお守り」を適量混ぜます。「土のお守り」は、細かい根をたくさん発生させる作用があります。この作業をすることでクリスマスローズは、すぐに成長を始め、冬の開花に向かっていきます。

また、コガネムシの幼虫など病害虫を予防する殺虫殺菌剤「ベニカXガード粒剤」も適量混ぜます。

昼夜の気温差が大きくなる秋以降は、うどんこ病や灰色かび病などさまざまな病気にもかかりやすくなります。そのため、あらかじめ用土に病原菌を殺菌する作用もある殺虫殺菌剤をブレンドしておくと、その後の成長がスムーズです。

例えば、以下のような症状は病原菌の仕業です。殺菌することで改善されます。

「新芽の付け根にカビが生えてダメになった」

「やっと咲き始めたのに、花茎の付け根が腐って倒れてしまった」

「新しい葉に黒いシミが広がり、次々と伝染していく」など。

【手順5】クリスマスローズの根にもまんべんなく「土のお守り」をまぶします。

【手順6】植え付けが終わったら、水に植物活力剤「メネデール」を適量混ぜ、鉢底から流れ出るまでたっぷり水やりして、植え替え・株分けは完了です。

 栽培の極意は、クリスマスローズを栽培する「土」にこだわる

平田ナーセリーオリジナルの専用土「GOOD SOIL クリスマスローズの土」。

植物を正しく育てるには、いつも原生地の環境に大きなヒントがあります。そこで、クリスマスローズの原生地と日本との大きな違いを見比べてみましょう。それは、梅雨時期のジメジメと、夏の高温です。

原生地も夏は高温となり、冬は凍結する気候ですが、雨が少ないのが大きなポイント。日本では夏の土壌は雨水をたっぷり含んでいることが多く、気温の上昇によって土中の水分がすぐにお湯化してしまい、クリスマスローズの根が傷んでしまいがち。一方、雨が少ない原生地では、気温は上がっても土中にまでは伝わりにくいのです。空気をたっぷり含んだひんやりした土の中では、根が傷むことはありません。

つまり、大事なのは地上部の温度ではなく、土中の温度。雨が降った後でも、水はけがよく十分な空気を含んだ土であれば、高温による根のストレスを軽減することができます。

30冊限定!横山直樹さん直筆サイン入りクリスマスローズ最新本

2023年11月6日に発売された新刊『新版 クリスマスローズ〜この1冊を読めば原種、交雑種、栽培などすべてがわかる』(誠文堂新光社刊)の発売記念として横山直樹さんの直筆サインをいただいた貴重な書籍を30冊限定販売いたします。

クリスマスローズの魅力や歴史、栽培管理などを横山さんがたっぷり熱く語る一冊です。ぜひクリスマスローズ栽培のバイブルとしてお求めください。

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