まだ空気の冷たい早春に咲き出し、冬の庭で存在感を発揮する人気の宿根草、クリスマスローズ。春に立派に開花させるには、晩秋の今がお手入れ時です。このタイミングを間違えると、株を傷めてしまうキケンもあります。ぜひ、今作業してほしいクリスマスローズの植え替えと株分けについて動画を交えて解説。今年の最新・人気クリスマスローズもいち早くご紹介します。

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クリスマスローズ開花時期によくある質問

多くの園芸店で、店頭にクリスマスローズの開花株が並び始めるのは、1〜2月。九州のガーデンセンター「平田ナーセリー」でも、店頭に開花株が並び始めると、お客さまのクリスマスローズへの関心度も高まるようで、毎年この頃になると必ず「クリスマスローズの植え替えや株分けは、いつすればいいの?」という質問を受けます。しかし、残念ながらその頃はすでに、どの株も花を咲かせているので、植え替えや株分けの適期ではないのです。「今ではないですよ」と回答しては、適期を逃してしまっていることに悔しい思いをしています。

クリスマスローズの手入れはタイミングが命!

なぜ、開花中に植え替えや株分けをしてはいけないのでしょうか。その理由は、「開花中に根を傷つけてしまうと、その後の回復のタイミングを失ってしまう」から。花を咲かせている期間はクリスマスローズの絶賛成長期。そのときに植え替えなどで根を傷つけてしまうと、クリスマスローズは成長を一時的にストップします。そして、本来は傷んだ根を修復するためにエネルギーを使わなければならないのに、この時期は株の回復を犠牲にして子孫を残そうと、花を咲かせて種子を作ることに全力を注ぎこんでしまうのです。

タイミングが悪い植え替えは、夏の暑さで弱ることも

種子が充実し、やっと一息ついたところで株が回復に向けてエネルギーを傾け始めるころには、夏の休眠期へ突入。疲れ果てた状態で、いやおうなしに休眠に入らざるを得ないのです。こうして、傷ついた株は回復するタイミングを失ったまま梅雨や夏の暑さ、過湿に耐えきれず、枯れてしまうケースが少なくありません。同じ作業をするのでも、適期を守るか守らないかで、結果はまったく違うものになってしまうのです。

クリスマスローズの植え替えヒントはヒガンバナ⁈

Rossi0917/shutterstock.com

クリスマスローズは本来、何年も生き続けるコストパフォーマンスの高い宿根草。年数を重ねて充実した株は1株で何十輪という花を咲かせ、感動もひとしおです。その本来の魅力を堪能するために必ず守りたいのが、ベストタイミングでの植え替え。休眠から目覚めるタイミングを逃さず作業しましょう。クリスマスローズは、秋のお彼岸のころを境に目覚め始めます。地域やその年の気候にも左右されるので、お住まいの地域でヒガンバナが自然開花し、見頃を迎えるときを目安にするとよいでしょう。そして、モミジが落葉を始めるまでには、植え替えを終わらせましょう。

クリスマスローズが休眠から覚めると、一気に冬に向けて新しい根を次々発生させ、成長を開始します。そのタイミングであれば、根を傷めても、株分けをしても、細胞の再生能力が高く、少々手荒く扱っても大丈夫。また、古い土や傷んだ根をきれいに取り除けるチャンスにもなります。植物のお手入れ作業は、「最適な時期」を守ることが大切です。

動画で作業をチェック! クリスマスローズの植え替え

<準備するもの>

・クリスマスローズの土

・傷口の保護剤「トップジンMペースト」

・ウイルス消毒液剤「ビストロン-5」

・土の状態をリセットする「土のお守り」

・殺虫殺菌剤「ベニカXガード粒剤」

・植物活力剤「メネデール」

<クリスマスローズの植え替え・株分けの手順>

【手順1】鉢から株を抜き出して、根をほぐします。

この時期は少々手荒にしても大丈夫。それよりも、枯れた根や弱った根には病原菌が多く潜んでいる可能性が高いので、それを取り除くことが大切です。少々根が切れてしまっても、すぐに新しい根が出てくるので、しっかりほぐしてきれいにしましょう。グルグルに巻いた根鉢は、完全にほぐしましょう。

もし株分けをするならば、できるだけ2〜3芽以上の塊で分けて、1つをあまり小さく分けすぎないように。大株の場合は、中心にある古い株もこの機会に取り除きます。使用するハサミ等の道具は、ウイルスの伝搬を防止するため、ウイルス消毒液剤「ビストロン-5」溶液にその都度浸しながら作業しましょう。

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【手順2】株分けをしたら傷口を保護剤(トップジンMペースト)を塗って消毒します。

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【手順3】植え付けるための新しい土を用意します。

クリスマスローズ栽培のためにブレンドされた専用土「Best Soil クリスマスローズの土」がおすすめです。ふるいにかけ、微塵を取り除いた土を使いましょう。

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【手順4】用土にケイ酸塩白土(モンモリロナイト)「土のお守り」を適量混ぜます。「土のお守り」は、細かい根をたくさん発生させる作用があります。この作業をすることでクリスマスローズは、すぐに成長を始め、冬の開花に向かっていきます。

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また、コガネムシの幼虫など病害虫を予防する殺虫殺菌剤「ベニカXガード」も適量混ぜます。

昼夜の気温差が伸び始める秋以降は、うどんこ病や灰色かび病などさまざまな病気も活動が活発になります。そのため、あらかじめ用土に病原菌を殺菌する作用もある殺虫殺菌剤をブレンドしておくと、その後の成長がスムーズです。

例えば、以下のような症状は、病原菌の仕業です。殺菌することで改善されます。

「新芽の付け根にカビが生えてダメになった」

「やっと咲き始めたのに、花茎の付け根が腐って倒れてしまった」

「新しい葉に、黒いシミが広がり、次々と伝染していく」など。

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【手順5】クリスマスローズの根にもまんべんなく「土のお守り」をまぶします。

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【手順6】植え付けが終わったら、水に植物活力剤「メネデール」を適量混ぜ、鉢底から水が流れ出るまでたっぷり水やりして植え替え・株分けは完了です。

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 栽培の極意1●クリスマスローズを栽培する「土」にこだわる

専用土「Best Soil クリスマスローズの土」。

植物を正しく育てるには、いつも原生地の環境に大きなヒントがあります。そこで、クリスマスローズの原生地と日本との大きな違いを見比べてみましょう。それは、梅雨時期のジメジメと、夏の高温です。

原生地も夏は高温となり、冬は凍結する気候ですが、雨が少ないのが大きなポイント。日本では夏の土壌は雨水をたっぷり含んでいることが多く、気温の上昇によって土中の水分がすぐにお湯化してしまい、クリスマスローズの根が痛んでしまいがち。一方、雨が少ない原生地では気温は上がっても、土中にまでその温度が伝わりにくく、空気をたっぷり含んだひんやりした土の中では、根が傷むことがありません。

つまり、大事なのは地上部の温度ではなく、土中の温度。雨が降った後でも、水はけがよく十分な空気を含んだ土であれば、高温による根のストレスを軽減することができます。

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「ウッドチップ(小粒)」

また、地表を木製チップなどで覆うマルチングも効果てきめん! まるで手品のように土中の温度を下げてくれます。真夏の強烈な日射しにさらされた、むき出しの地表温度はなんと、50℃を超えることもあります。ところが、ウッドチップを敷いた場所の地表温度は30℃前後。これは、まさに天国と地獄ほどの違いがあります。

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栽培の極意2●クリスマスローズの常緑葉はいつ切るか

クリスマスローズの手入れの一つに、「古葉切り」という作業があります。葉を切るタイミングについては、「植え替えをしたらすぐに切る」とか「冬の寒風から花芽・新芽を守るため、切らない」などのさまざまな説があり、迷っている方も少なくないのでは?

長年、クリスマスローズと付き合ってきた平田ナーセリーでは、これまで育ててきた経験から以下の見解にたどり着きました(関東以西の平野部などの比較的温暖地)。

「秋に早く切らないほうがよい?」

まだ温暖な秋に早々に葉を切り取ると、翌春に出てくる予定の新芽が秋に成長を始めてしまう傾向にあります。そのため秋に葉を切ってしまうと、花が遅れる・小さい・少ないなどパフォーマンスが悪くなりがちです。

「切らずにそのままもよくない?」

ずっと古い葉を切り取らないでいると、株の中心に光が当たらず、花芽の生育がかなり遅れてしまう傾向があります。

「切るベストタイミングは12月下旬頃」

12月下旬になると、寒さも厳しくなり始めているので、新芽が伸びることもなく、葉を切られた刺激と、光の刺激を受けて、急激に花芽が成長を開始します。

今年注目の最新・人気クリスマスローズ紹介

 クリスマスローズは、丈夫で育てやすく、よく増えて年中常緑の葉が庭の彩りに役立つ、コスパがいい植物です。さらには、花色、花形のバリエーションが多彩で、進化が止まらず、魅力的な品種が続々登場しています! ここでは、注目のイチオシ品種をご紹介。今お取り寄せして、つぼみから開花まで、その時にしか出会えない魅惑の花をぜひ堪能してください。

「氷の薔薇シリーズ」セレクト8品種

「氷の薔薇シリーズ」は、名の通り寒空の下に咲くバラのような美しさを持ちながら、性質が強く、真夏の暑さにも耐えるクリスマスローズの革命児としてデビューしました。これまでのニゲル系のガーデンハイブリッドにはない、豊かな色合いと圧巻の花数で豪華に咲き揃います。魅力的な個性を備えた新しい品種が次々登場するシリーズの中から、ピックアップしてご紹介します。

「氷の薔薇シリーズ」の中でも、今年初登場の新品種。超レアな【イタリアーノベノッタ】

New【イタリアーノベノッタ】グレープレッドの深みのある花色が目を引きます。丸弁で整った花形に、明かりが灯ったような花芯がチャームポイント。

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「氷の薔薇シリーズ」の中でも、今年新登場で注目の【ラベンダーピンク】。

New【ラベンダーピンク】優しさを感じる花形に、すっきりとした色合いのピンク花。花はシルクを思わせるテイスト。
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「氷の薔薇シリーズ」の中でも、今年新登場で注目の【雪の妖精リアラ】

New【雪の妖精リアラ】ふっくらしたつぼみが愛らしく、開くと大きな花が楽しめる新しいタイプのニゲルハイブリッド。登場間もないニューフェイスです。
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「氷の薔薇シリーズ」の中でも、今年新登場で注目の【散らずサクラ】

New【散らずサクラ】優しい桜色にスポットが入り俯き加減に咲く、和の趣があるクリスマスローズ。早くから咲き始めます。
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「氷の薔薇シリーズ」ホワイト(左)とアーリーローズ。

【ホワイト】ニゲルにはない圧倒的なボリューム感で、冬の庭を純白に彩る「氷の薔薇シリーズ」の定番品種。

コチラから確認&購入ができます。 【アーリーローズ】クリスマスローズには珍しく、11月から咲き始める嬉しい超早咲き。気温によって花色の濃淡差が大きく現れるので、色の移ろいが楽しみな品種です。
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「氷の薔薇シリーズ」アーリーレッド(左)とナイチンゲール。

【アーリーレッド】花色が少ない冬の庭で、丸弁の濃ピンクの花がガーデンを明るくする存在に。株姿もコンパクトにまとまるので、小さな庭や鉢植えで育てやすい品種です。

コチラから確認&購入ができます。 New【ナイチンゲール】ブルーリッシュグレーのシックな花色が大人の印象。きりりと正面を向く花は、丸弁で整ったカップ咲きも魅力。葉姿もコンパクトです。
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「最高峰のHGCシリーズ ニゲル・パウロ」

HGCシリーズ ニゲル・パウロ

光を透かし、輝く純白花が美しいHGC(ヘレボレス ゴールドコレクション)の「ニゲル・パウロ」。優秀な個体からメリクロンによって増殖・株分けを経て、選び抜かれた究極の品種です。整った花形、くもりない白花は次第にピンクに染まり、見頃が長く続きます。先のローマ教皇ヨハネ・パウロ二世にちなんで命名されました。
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「ガーデンハイブリッドシリーズ」

近年最も注目されている、ヘレボルスの異なる原種間交配により登場した「ガーデンハイブリッド(ニゲル交配種)」は、両親の特徴を受け継ぎ、さまざまな表情が楽しめます。花だけでなく、葉の色や形にも魅力をまとっています。

「ガーデンハイブリッドシリーズ」スノーダンス

【スノーダンス】
ガーデンハイブリッドの中でも最も白い花が12月から咲き、クリスマスローズのシーズン開幕を教えてくれます。花が咲き進むと、次第に真紅に染まることもあり、お得感があります。
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「ガーデンハイブリッドシリーズ」ピンクフロスト

【ピンクフロスト】
霜をまとったようなパウダーピンクの花が多数咲き、濃淡の色幅がある花で存在感があるクリスマスローズです。
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クリスマスローズを美しく咲かせよう!

「氷の薔薇」アーリーローズ

お気に入りのクリスマスローズのコレクションを丈夫に長く育てるコツは、適した時期に最適な資材を使って植え替えること。そうすることで、年々花数が増えて立派な株に成長します。ここでご紹介したクリスマスローズの新しい栽培テクニックを実践して、冬の庭の主役花、クリスマスローズを美しく咲かせましょう。
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Credit

文/3and garden
ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。

取材・写真協力/平田ナーセリー

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