冬のガーデンに欠かせない人気の宿根草、クリスマスローズ。1株で何十輪という花を早春に咲かせる感動的な株に育て上げるためには、晩秋の今のお手入れが肝心です。特に近年の猛暑やゲリラ豪雨、暖冬などクリスマスローズにとっても厳しくなってきている日本の気候にも負けない丈夫な株に育てるために、今作業して欲しいクリスマスローズの植え替えと株分けについて動画を交えて解説。今注目のクリスマスローズのベスト・バイや秋植え球根のおすすめ品種もいち早くご紹介します。

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開花前に要注意‼︎ 絶対にやっておきたいクリスマスローズの病気予防

夏の暑さが少し和らぎ、日中も過ごしやすくなる9月下旬頃から、クリスマスローズは休眠から目覚めて新しい根や新芽が動き始めます。この時期から花芽が上がってくる12月までの間に特に注意したいのが「灰色カビ病」です。

クリスマスローズにダメージを与える「灰色カビ病」に罹病した株の様子。

この「灰色カビ病」にかかってしまうと、せっかく伸びた花茎や葉が株元から腐って倒れてしまったり、花や葉が展開したときに黒く筋が入ったようになりと、せっかく一年かけて育て上げた株が台無しになってしまいます。「灰色カビ病」は、特に近年温暖化の影響か被害が多いようで、「平田ナーセリー」の店舗でもお客様からの相談が絶えません。

「灰色カビ病」は名前の通り“カビが原因”で起こる病気です。特に湿気が多く日照が少なく、風通しの悪い条件によって出やすくなりますが、しっかりと予防をすれば防げる病気でもあります。

では、クリスマスローズの病気予防、3つの極意をお教えします。

極意① 過湿にしないための「マルチング」と「モンモリロナイト」

cap)左から、マルチング材のウッドチップ、ベラボン(ヤシガラチップ)、モンモリロナイト。

クリスマスローズの成長期の新芽や花芽は柔らかく繊細で、地面に近い場所から伸び出てくるため、特に「灰色カビ病」が付きやすくなります。

この時期の株の上からの水やりなどは特に厳禁。理由は、葉や葉柄を伝って株の付け根に溜まった水分が過湿の原因となり「灰色カビ病」を誘発してしまうのです。

株元の過湿を防ぐのにおすすめが「マルチング」です。ウッドチップやヤシガラのチップなどのマルチング材をクリスマスローズ の株元が隠れるくらいの厚さで敷き詰めると、株の付け根についた水分をマルチング材が吸収し、株元を最適な湿度に保つだけでなく、春先の雑草の防止、夏の暑さによる地温の上昇を防いでくれます。

左・中央/「ウッドチップ(小粒)」。右/ヤシの実をチップ状にし、アク抜きをした素材の「ベラボンプレミアム」(ヤシガラチップ)。繊維質が多く吸水クッション性に富みます。

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地表を木製チップやヤシガラチップで覆うマルチングは、まるで手品のように土中の過湿、温度上昇を抑えてくれます。真夏の強烈な日射しにさらされた、むき出しの地表温度は、なんと50℃を超えることも。ところが、ウッドチップを敷いた場所では30℃前後。これは、まさに天国と地獄ほどの違いです。

「モンモリロナイト」(土のお守り)左は1kg入り、右はお得な4kg入り。

また、「モンモリロナイト」(土のお守り)は、ケイ酸塩白土という名前でも呼ばれますが、根腐れ防止剤として利用している方が多いのではないでしょうか? 土壌改良剤として土の中の余分な水分や肥料分を吸着して根腐れを防いでくれるこの物質は、土の上にまくことでも効果を発揮。クリスマスローズの株元にひと握りまくことで、過湿を防ぎ「灰色カビ病」を予防してくれます。

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極意② 風通しをよくするクリスマスローズの古葉切り

「灰色カビ病」は風通しのよい場所では発生しにくくなります。葉が茂りすぎた株は株の中が蒸れやすくなり、適正に古い葉を切ることで風通しがよくなり「灰色カビ病」の予防になります。

葉を切るタイミングについては、「植え替えをしたらすぐに切る」とか「冬の寒風から花芽・新芽を守るため、切らない」などのさまざまな説がありますが、長年クリスマスローズと付き合ってきた「平田ナーセリー」では、これまで育ててきた経験から以下の見解にたどりつきました(関東以西の平野部など、比較的温暖な地域)。

 9月下旬~11月下旬

まだ温暖な秋に早々に全て葉を切り取ると、翌春に出てくる予定の新芽が秋に成長を始めてしまう傾向にあります。そのため秋に葉を切ってしまうと、花が遅れる・小さい・少ないなどパフォーマンスが悪くなりがちです。混みあった葉を間引くように切りましょう。

12月下旬頃が切るベストタイミング

12月下旬になると寒さも厳しくなり始めているので、新芽が伸びることもなく、葉を切られた刺激と光の刺激を受けて、急激に花芽が成長を開始します。葉がなくなり風通しのよい状態で成長した花芽は「灰色カビ病」に侵されることもなくしっかりとした花茎を伸ばします。切らずにそのままずっと古い葉を切り取らないでいると、株の中心に光が当たらず、花芽の生育がかなり遅れてしまう傾向があります。株の中の風通しも悪くなり、過湿状態になりやすいため「灰色カビ病」も出やすくなります。

極意③ 土にまくだけのお薬で病気予防!!

薬品はあまり使いたくなかったり、植物を育てているとやはり自然環境は大事にしたいもの。もちろん無農薬で植物を育てられるに越したことはありませんが、無農薬にこだわるあまり大切な植物が病気にかかって手遅れで枯らしてしまっては本末転倒です。

「灰色かび病」はうっかり放置してしまうと、その年の花が咲かなかったり、株元から腐ってしまい、最悪の場合、枯れてしまうことも。「ベニカXガード粒剤」はあらかじめ用土に混ぜ込んだり、株元にぱらぱらとまくだけで病害虫の予防になる優れもの。特に病気に対しての予防は一般的な農薬のように科学的に殺菌するのではなく、微生物(B.T.菌)の作用により植物の抵抗力を高め、丈夫にすることで病気を予防します。

人間で言うワクチンで病気に対する抵抗力を獲得する仕組みに近い仕組みで病気を防ぎます。

「灰色カビ病」だけでなく「うどんこ病」、「黒星病」にも効果があり、アブラムシなどの害虫ももちろん予防しますので、持っておくと心強い薬です。

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動画で作業をチェック! クリスマスローズの植え替え

<準備するもの>

・クリスマスローズの土

・傷口の保護剤「トップジンMペースト」

・ウイルス消毒液剤「ビストロン-5」

・土の状態をリセットする「土のお守り」

・殺虫殺菌剤「ベニカXガード粒剤」

・植物活力剤「メネデール」

<クリスマスローズの植え替え・株分けの手順>

【手順1】鉢から株を抜き出して、根をほぐします。

この時期は少々手荒に扱っても大丈夫。それよりも、枯れた根や弱った根には病原菌が潜んでいる可能性が高いので、それを取り除くことが大切です。少々根が切れてしまっても、すぐに新しい根が出てくるので、しっかりほぐしてきれいにしましょう。グルグルに巻いた根鉢は、完全にほぐしましょう。

もし株分けをするならば、できるだけ2〜3芽以上の塊で分けましょう。あまり小さく分けすぎないように。大株の場合は、中心にある古い株もこの機会に取り除きます。使用するハサミ等の道具は、ウイルスの伝搬を防止するため、ウイルス消毒液剤「ビストロン-5」溶液にその都度浸しながら作業しましょう。

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【手順2】株分けをしたら傷口に保護剤(トップジンMペースト)を塗って消毒します。

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【手順3】植え付けるための新しい土を用意します。

クリスマスローズ栽培のためにブレンドされた専用土「Best Soil クリスマスローズの土」がおすすめです。ふるいにかけ、微塵を取り除いて使いましょう。

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【手順4】用土にケイ酸塩白土(モンモリロナイト)「土のお守り」を適量混ぜます。「土のお守り」は、細かい根をたくさん発生させる作用があります。この作業をすることでクリスマスローズは、すぐに成長を始め、冬の開花に向かっていきます。

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また、コガネムシの幼虫など病害虫を予防する殺虫殺菌剤「ベニカXガード粒剤」も適量混ぜます。


昼夜の気温差が大きくなる秋以降は、うどんこ病や灰色かび病などさまざまな病気にもかかりやすくなります。そのため、あらかじめ用土に病原菌を殺菌する作用もある殺虫殺菌剤をブレンドしておくと、その後の成長がスムーズです。

例えば、以下のような症状は病原菌の仕業です。殺菌することで改善されます。

「新芽の付け根にカビが生えてダメになった」

「やっと咲き始めたのに、花茎の付け根が腐って倒れてしまった」

「新しい葉に黒いシミが広がり、次々と伝染していく」など。

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【手順6】植え付けが終わったら、水に植物活力剤「メネデール」を適量混ぜ、鉢底から流れ出るまでたっぷり水やりして、植え替え・株分けは完了です。

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 栽培の極意は、クリスマスローズを栽培する「土」にこだわる

専用土「Best Soil クリスマスローズの土」。

植物を正しく育てるには、いつも原生地の環境に大きなヒントがあります。そこで、クリスマスローズの原生地と日本との大きな違いを見比べてみましょう。それは、梅雨時期のジメジメと、夏の高温です。

原生地も夏は高温となり、冬は凍結する気候ですが、雨が少ないのが大きなポイント。日本では夏の土壌は雨水をたっぷり含んでいることが多く、気温の上昇によって土中の水分がすぐにお湯化してしまい、クリスマスローズの根が傷んでしまいがち。一方、雨が少ない原生地では、気温は上がっても土中にまでは伝わりにくいのです。空気をたっぷり含んだひんやりした土の中では、根が傷むことはありません。

つまり、大事なのは地上部の温度ではなく、土中の温度。雨が降った後でも、水はけがよく十分な空気を含んだ土であれば、高温による根のストレスを軽減することができます。

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クリスマスローズと一緒に植えたい秋植え球根3選

クリスマスローズは、それだけでも様になる存在感のある植物ですが、花の時期が重なる秋植え球根との相性も抜群です。毎年花を咲かせて、お手入れのサイクルもクリスマスローズと一緒にできる球根植物を3つご紹介します。

スノードロップ

早春に可憐な花を咲かせるスノードロップは海外ではさまざまな伝説を持ち、古くから愛されてきた球根植物です。クリスマスローズと同じく、落葉樹の下など夏に木陰になるような場所が大好きです。

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ムスカリ

左上から時計回りに、アルメニアカム、ダブルビューティー、ブルーマジック、シベリアンタイガー。

よく見かけるスタンダードな花形の「アルメニアカム」をはじめとして、さまざまな品種が揃うムスカリは、クリスマスローズにはないブルーの色合いが庭や鉢を引き立てます。あまり長く植えっぱなしにすると、球根が増えすぎて花が小さくなってしまうので、クリスマスローズを植え替えるのと同じタイミングで一緒に掘り上げて植え直しましょう。

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シラーカンパニュラータ

釣鐘状の花を咲かせるシラーカンパニュラータは、2~3年植えっぱなしでもどんどん球根が増えていく生命力の強い球根植物です。半日陰などでもよく花が咲き、植える場所を選ばずに育てることができます。

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今年注目の最新・人気クリスマスローズ紹介

クリスマスローズは丈夫で育てやすく、よく増えて年中常緑の葉が庭の彩りになる、コスパのよい植物です。さらには、花色、花形のバリエーションが多彩で、進化が止まらず、魅力的な品種が続々登場しています! ここでは、注目のイチオシ品種をご紹介。今お取り寄せして、つぼみから開花まで、その時にしか出会えない魅惑の花を、ぜひ堪能してください。

注目の新品種 HGCホワイトクリスマス

ホワイトクリスマスは12月下旬には咲き始める早咲き品種で、クリスマスの室内装飾にアレンジを楽しむのにも適した画期的な品種です。株はコンパクトでも花付きがよく、次々と数多くのつぼみが上がってきて、きっと今年のクリスマスシーズンを花いっぱいで癒やしてくれることでしょう! もちろん戸外でも元気に育ちます。

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「氷の薔薇シリーズ」セレクト8品種

「氷の薔薇シリーズ」は、名前の通り寒空の下に咲くバラのような美しさを持ちながら、性質が強く、真夏の暑さにも耐えるクリスマスローズの革命児としてデビューしました。これまでのニゲル系のガーデンハイブリッドにはない、豊かな色合いと圧巻の花数で豪華に咲き揃います。魅力的な個性を備えた新しい品種が次々登場するシリーズの中から、ピックアップしてご紹介します。

「氷の薔薇シリーズ」の中でも、超レアな【イタリアーノベノッタ】。

New【イタリアーノベノッタ】グレープレッドの深みのある花色が目を引きます。丸弁で整った花形に、明かりが灯ったような花心がチャームポイント。

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新登場で注目の【ラベンダーピンク】。

New【ラベンダーピンク】優しさを感じる花形に、すっきりとした色合いのピンク花。花はシルクを思わせるテイスト。
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New【雪の妖精リアラ】ふっくらしたつぼみが愛らしく、開くと大きな花が楽しめる新しいタイプのニゲルハイブリッド。登場間もないニューフェイスです。
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「最高峰のHGCシリーズ ニゲル・パウロ」

HGCシリーズ ニゲル・パウロ。

光を透かし、輝く純白花が美しいHGC(ヘレボレス ゴールドコレクション)の「ニゲル・パウロ」。優秀な個体からメリクロンによって増殖・株分けを経て、選び抜かれた究極の品種です。整った花形、くもりのない白花は次第にピンクに染まり、見頃が長く続きます。先のローマ教皇ヨハネ・パウロ2世にちなんで命名されました。
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「ガーデンハイブリッドシリーズ」

近年最も注目されている、ヘレボルスの異なる原種間交配により登場した「ガーデンハイブリッド(ニゲル交配種)」は、両親の特徴を受け継ぎ、さまざまな表情が楽しめます。花だけでなく、葉の色や形にも魅力をまとっています。

「ガーデンハイブリッドシリーズ」スノーダンス。

【スノーダンス】
ガーデンハイブリッドの中でも最も白い花が12月から咲き、クリスマスローズのシーズン開幕を教えてくれます。花が咲き進むと、次第に真紅に染まることもあり、お得感があります。
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「ガーデンハイブリッドシリーズ」ピンクフロスト

【ピンクフロスト】
霜をまとったようなパウダーピンクの花が多数咲きます。濃淡の幅がある花色で存在感を放ちます。
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クリスマスローズを美しく咲かせよう!

「氷の薔薇」アーリーローズ

お気に入りのクリスマスローズのコレクションを丈夫に長く育てるコツは、適した時期に最適な資材を使って植え替えること。そうすることで、年々花数が増えて立派な株に成長します。ここでご紹介したクリスマスローズの新しい栽培テクニックを実践して、冬の庭の主役花、クリスマスローズを美しく咲かせましょう。
平田ナーセリーオンラインショップ

Credit

文/3and garden
ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。

取材・写真協力/平田ナーセリー

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