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半日陰で育てられる花はあるの? 庭でシェードガーデンをつくろう!

半日陰で育てられる花はあるの? 庭でシェードガーデンをつくろう!

SimonTheSorcerer/Shutterstock.com

シェードガーデンという言葉をご存じでしょうか? シェードガーデンとは、日陰や半日陰の環境下でも育つ植物を集めてつくった庭のことです。では、日陰や半日陰とはどのような環境なのでしょうか? また、そこで育つ植物にはどのようなものがあるのでしょうか? この記事では、シェードガーデンに向く植物やその育て方についてご紹介します。

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半日陰の定義

日陰の庭
sun ok/Shutterstock.com

前述の通り、日陰や半日陰の環境でも生育できる植物を植えて楽しむ庭をシェードガーデンといいます。半日陰とは、1日の日照時間が2~3時間程度の場所のこと。このような環境で生育できる植物は、耐陰性に優れているものが多いです。

ただし、園芸関連の本やウェブメディアでは、「午前中だけ日が当たる場所」「終日直射日光は当たらないけれど、上空が開けているような場所」「落葉樹の木陰になっていて春から秋は木漏れ日が射すけれど、秋から春はよく日が当たる場所」なども半日陰としている場合もあります。

また、1日に2〜3時間日が当たるとはいっても、春から秋の午後から夕方の気温が高い時間帯に日が当たるような場所は「西日が強い場所」といいます。

こうした場所は気温が高い時間に直射日光にさらされるため、耐陰性のあるシェードガーデン向きの植物は不適当です。

半日陰の植物の例

シェードガーデン
Natalia Savilova/Shutterstock.com

半日陰でも生育できる耐陰性に優れた植物には、どのようなものがあるのでしょうか?

ここからは、半日陰で育つ植物とその詳細についてご紹介していきます。

アジサイ

アジサイ
LITVINOVA IRINA ART/Shutterstock.com

アジサイは、6~7月にかけてさまざまな色の花を咲かせて梅雨時の街を彩ってくれる、皆さんにも馴染みの深い植物ですね。アジサイ科アジサイ属(ハイドランジア属)に分類され、手まり咲きのものや、額咲きのものなどがあります。剪定さえしっかり行えば、毎年楽しむことができる寿命の長い花です。

アガパンサス

アガパンサス
Gekko Gallery/Shutterstock.com

アガパンサスは、アジサイとほとんど同じ時期に清涼感のある花を咲かせます。ユリ科アガパンサス属の植物で、開花期は5月下旬から8月上旬にかけて。冬でも葉が枯れない常緑性のものと、冬に地上部が枯れる宿根性のものがあります。公園や花壇の植え込みなどでも育てられるほど管理が容易な植物です。

種が市販されていることがほとんどないため、苗や根茎から育てるのが一般的です。

クリスマスローズ

クリスマスローズ
yuri-ss/Shutterstock.com

クリスマスローズはキンポウゲ科ヘレボルス属の植物で、1~4月頃に花を咲かせます。その名の通り、キリストの逸話に関わりのある植物で、キリスト誕生の際にお祝いの品を持っていなかった少女が泣いてしまい、その涙が落ちた場所から咲いたといわれています。葉柄と花柄が別に出てくる無茎種と、茎が立ち上がって葉を展開する有茎種の2タイプがあります。

スミレ

スミレ
Tamotsu Ito/Shutterstock.com

スミレは道端でも普通に見かける身近な植物です。種類が非常に豊富で、3~5月頃に紫やピンク、黄色、白色などさまざまな色の花を咲かせます。スミレの名前の由来は、花の形が大工の使う「墨入れ」に似ていることや、「摘入草」からきているなど、諸説あります。小さな花をひっそりと咲かせる様子から、「謙虚」や「誠実」などの花言葉があります。

アジュガ

アジュガ
Wut_Moppie/Shutterstock.com

アジュガは暑さや寒さには強いものの、直射日光には弱いため、日陰のグラウンドカバーとして最適な植物です。シソ科アジュガ属の植物で、4~6月にかけて青紫やピンク色の唇形の花を咲かせます。匍匐(ほふく)性の植物で、ランナーと呼ばれる子株のついたツルを横に伸ばすことで生育範囲を広げていきます。

半日陰の植物の育て方

ガーデニング
VH-studio/Shutterstock.com

さて、ここまで半日陰に向く植物の例を挙げてきましたが、その育て方はそれぞれ異なります。

ここからは、先ほどご紹介した植物たちの育て方について説明していきます。

アジサイ

アジサイ
krolya25/Shutterstock.com

アジサイは日陰でも、日当たりのよい環境下でも育てることができます。水はけや通気性がよく、湿潤な土壌を好みます。

花の色は土の酸度、つまり酸性や中性、アルカリ性によって変化します。アルカリ性ではピンク、酸性では青の花が咲きやすくなります。

アジサイは水切れに弱いため、水やりは忘れずこまめに行うようにしましょう。一般に庭植えした株は水やりは必要ありませんが、真夏で雨が少なく葉が萎れるようなら、水やりをしたほうがよいでしょう。

一般的なアジサイは、花が枯れた後には、花がら摘みと同時に剪定を行うようにしましょう。花から2節下にある芽の、上部2cmほどのところで茎をカットします。アナベルなどのアメリカアジサイ(アメリカノリノキ)、ノリウツギなどは、早春に芽が出はじめる前に剪定しても開花します。

アガパンサス

アガパンサス
anne-tipodees/Shutterstock.com

アガパンサスは環境への適応力が高く、土質をほとんど選ばず、乾燥にも強い植物です。

しかし過湿には弱いため、地植えの場合、日照りが続く時以外には水やりはしなくてよいでしょう。

種まきや植え付けは4~5月、または9~10月を目安に行いましょう。

アガパンサスは半日陰の環境ならば育てることができますがまったく日の当たらない日陰での栽培は難しいです。

クリスマスローズ

クリスマスローズ
nnattalli/Shutterstock.com

クリスマスローズは、日光が長時間当たる環境は苦手で、半日陰で水はけのよい土壌を好みます。6~9月にかけての水やりは、土が乾燥気味の時に行う程度に。枯れた葉や傷んだ葉はこまめに取り除き、種を取らない場合は花がらも適宜切り取ります。

植え付けは10〜3月に行います。大株の場合は、同じタイミングで株分けすることもできます。

種まきは9~10月に行い、生育期である10~5月はしっかりと水やりを行いましょう。

スミレ

スミレ
masajla/Shutterstock.com

スミレは、冬から春にかけては日当たりのよい場所を、夏場は半日陰の環境を好みます。土壌を選ばず、豊富な水を好むので、表面の土が乾いてきたらたっぷり水やりをしましょう。肥料は休眠期に施す程度にし、過肥にならないよう注意します。スミレの花を咲かせるためにはある程度明るい環境が必要なので、1日に1回は日の当たる場所で育てましょう。

アジュガ

アジュガ
NagyG/Shutterstock.com

アジュガは耐陰性に優れており、半日陰で育てるのに最適な植物です。乾燥が苦手なため、水やりはしっかり行い、土が湿っている状態をキープしましょう。肥料は基本的に不要で、植え付けの際に遅効性の肥料を与える程度で。また、真夏に日光が当たりすぎると葉焼けをしてしまうので、落葉樹の木陰などを選んで植え付けましょう。

半日陰を花で彩ろう!

ガーデン
Julia700702/Shutterstock.com

いかがでしたか。

このように、耐陰性のある植物を選べば、半日陰などの環境でもいろいろな花を育てることは可能です。皆さんも、あまり日当たりのよくない庭の木の下やベランダなどを、シェードガーデンにして楽しんでみてはいかがでしょうか?

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