シェードガーデンという言葉をご存じでしょうか? シェードガーデンとは、日陰や半日陰の環境下でも育ちやすい植物を植え、日当たりのよくない庭づくりを楽しむことです。では、半日陰とはどのような環境なのでしょうか? また、そこで育つ植物にはどのようなものがあるのでしょうか? この記事では、半日陰の環境で育てられる植物やその育て方についてご紹介します。

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半日陰の定義

日陰の庭
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先述の通り、日陰や半日陰の環境でも生育できる植物を植えて育てることをシェードガーデンといいます。半日陰とは、1日の日照時間が2~3時間程度の場所のこと。このような環境で生育できる植物は、耐陰性に優れているものが多いです。

ただし、園芸関連の本やウェブメディアでは、「午前中だけ日が当たる場所」「終日直射日光は当たらないけれど、上空が開けているような場所」「落葉樹の木陰になっていて春から秋は木漏れ日が射すけれど、秋から春はよく日が当たる場所」なども半日陰としている場合もあります。

また、1日に2〜3時間日が当たるとは言っても、春から秋の午後から夕方の気温が高い時間帯に日が当たるような場所は「西日が強い場所」です。

こうした場所は気温が高い時間に直射日光にさらされるため、耐陰性のあるシェードガーデン向きの植物は不適当です。

半日陰の植物の例

シェードガーデン
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半日陰でも生育できる耐陰性に優れた植物には、どのようなものがあるのでしょうか?

ここからは、半日陰で育つ植物とその詳細についてご紹介していきます。

アジサイ

アジサイ
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アジサイは、6~7月にかけてさまざまな色の花を咲かせて梅雨時の街を彩ってくれる、皆さんにも馴染みの深い花でしょう。アジサイ科アジサイ属(ハイドランジア属)に分類される植物であり、手まり咲きのものや、額咲きのものなどがあります。剪定さえしっかり行えば、長年楽しむことができる寿命の長い花です。

アガパンサス

アガパンサス
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アガパンサスは、アジサイとほとんど同じ時期に清涼感のある花を咲かせる植物です。ユリ科アガパンサス属の植物で、5月下旬から8月上旬にかけて花を咲かせます。冬でも葉が枯れない常緑性のものと、冬に地上部が枯れる宿根性のものがあります。公園や花壇の植え込みなどでも育てられるほど管理が容易な植物です。

種が市販されていることがほとんどないため、苗や根茎から育てるのが一般的です。

クリスマスローズ

クリスマスローズ
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クリスマスローズはキンポウゲ科ヘレボルス属の植物で、1~4月頃に花を咲かせます。その名の通り、キリストの逸話に関わりのある植物で、キリスト誕生の際にお祝いの品を持っていなかった少女が泣いてしまい、その涙が落ちた場所から咲いたと言われています。葉柄と花柄が別に出てくる無茎種と、茎が立ち上がって葉を展開する有茎種の2タイプがあります。

スミレ

スミレ
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スミレは道端でも普通に見かけることができる身近な植物です。種類が非常に豊富で、3~5月頃に紫やピンク、黄色、白色など様々な色の花を咲かせます。スミレの名前の由来は、花の形が大工の使う「墨入れ」に似ていることや、「摘入草」からきているなど、諸説あります。小さな花をひっそりと咲かせる様子から、「謙虚」や「誠実」などの花言葉があります。

アジュガ

アジュガ
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アジュガは暑さや寒さに強く、日照にはあまり強くないため、日陰のグランドカバーとして最適な植物です。シソ科アジュガ属の植物で、4~6月にかけて青紫やピンク色の唇形の花を咲かせます。アジュガは匍匐性の植物で、ランナーと呼ばれる子株のついたツルを横に伸ばすことで生育範囲を広げていきます。

半日陰の植物の育て方

ガーデニング
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さて、ここまで半日陰で育つ植物の例を挙げてきましたが、その育て方はそれぞれ異なります。

ここからは、先ほどご紹介した植物たちの育て方について説明していきます。

アジサイ

アジサイ
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アジサイは日陰でも良く育ちますが、日光の当たる環境下でも育てることができます。アジサイを育てるには、水はけや通気性が良く、湿潤な土のある環境がよいでしょう。

花の色は土の酸度、つまり酸性や中性、アルカリ性によって変化します。アルカリ性ではピンク、酸性では青の花が咲きやすくなります。

また、アジサイは水切れに弱いため、水やりは忘れずこまめに行うようにしましょう。一般に庭植えした株は水やりが必要ありませんが、真夏で雨が少ない時期などは葉が萎れたら水やりをした方がよいでしょう。

一般的なアジサイは、花が枯れた後には、花がら摘みと同時に花から2節下にある芽の、上部2㎝ほどのところで茎をカットし、剪定を行うようにしましょう。アナベルなどのアメリカアジサイ(アメリカノリノキ)、ノリウツギなどは早春に芽が出はじめる前に剪定しても開花します。

アガパンサス

アガパンサス
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アガパンサスは環境への適応力が高く、土質をほとんど選ばず、乾燥にも強いです。

しかし過湿には弱いため、土が乾いた時以外に水やりはしなくてよいでしょう。

種まきや植え付けは4~5月、または9~10月頃を目安に行いましょう。

アガパンサスは半日陰の環境ならば育てることができますがあまり暗いのは苦手なので、日陰での育成は難しいです。

クリスマスローズ

クリスマスローズ
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クリスマスローズは、日光が長時間当たる環境は好まず、半日陰で水はけのよい土壌のある環境が最適です。6~9月にかけての水やりは、土が乾燥気味の時に行う程度でよいでしょう。枯れた葉や傷んだ葉はこまめに取り除き、種を取らない場合は花がらも適宜切り取ります。

植え付けは10〜3月におこないます。大株の場合は、同じタイミングで株分けすることもできます。

種まきは9~10月頃に行い、生育期である10~5月は水やりをしっかりと行いましょう。

スミレ

スミレ
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スミレは、冬から春にかけては日当たりのよい場所を、夏場は半日陰の環境を好みます。土壌を選ばず、豊富な水を好むので、表面の土が乾いてきたら水をたっぷりあげましょう。肥料は休眠期にあげる程度にし、過肥にならないよう注意しましょう。スミレの花を咲かせるためにはある程度明るい環境が必要なので、1日に1回は日の当たる場所で育てましょう。

アジュガ

アジュガ
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アジュガは耐陰性に優れており、半日陰で育てるのに最適な植物です。アジュガは乾燥が苦手なため、水やりはしっかり行い土が湿っている状態をキープしましょう。肥料は基本的に不要で、植え付けの際に遅効性の肥料を与える程度でよいです。また、真夏に日光が当たりすぎると葉焼けをしてしまうので、夏の間は日光が当たりにくい落葉樹の木陰などを選んで植え付けましょう。

半日陰を花で彩ろう!

ガーデン
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いかがだったでしょうか。

このように、耐陰性に優れた植物であれば、半日陰などの環境でも花を育てることは可能なのです。皆さんも、あまり日当たりのよくない庭の木の下やベランダなどに植物を植えて、シェードガーデンを楽しんでみてはいかがでしょうか?

Credit

文/3and garden
ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。

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