ガーデンの樹木を刈り込み、さまざまな形を象ったものを「トピアリー」といいます。自然樹形ももちろん魅力的ですが、人の手を加えて形をつくることで、目を引くような形や面白い印象を持ったガーデンになります。そんなトピアリーについてご紹介します。

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トピアリーとは

トピアリーは植物の仕立て方の一つで、樹木を刈り込んで立体的に仕立てた造形物のことを指します。ガーデンや街中の木々には、丸や四角などの幾何学的な形や動物を模した形をしたものがあります。また日本庭園でも、マツを刈り込んで鶴や船を象っているのを見たことがあるのではないでしょうか。植物を用いたこのような造形物を総称して、トピアリーと呼んでいるのです。

トピアリーは西洋庭園でよく見られる手法です。トピアリーの起源は、古代ローマ時代にまで遡ります。当時の庭師が、生け垣に自分のイニシャルを刈り込んだのが始まりだとか。その後ヨーロッパの整形式庭園において広く取り入れられました。

長い帽子をかぶったようなちょっとユーモラスな形の、3段重ねのようなトピアリー。手前に植わる宿根草が、幾何学的なトピアリーと好対照。

らせんを描くトピアリーに、ナチュラルな印象のグラスやユーフォルビア。青々とした芝生とレンガもマッチして、フォーマルな印象のガーデンに。

らせん状に渦を巻くように刈り込まれたトピアリー。幾何学的な形のトピアリーは、ガーデンはもちろん街中に置いても相性抜群。

トピアリーの種類

トピアリーには、代表的な刈り込み型のほか、フレームにアイビーなどのつる植物を這わせてつくるアイビートピアリー、植物に金網のフレームなどを被せて形をつくるメッシュトピアリー、ミズゴケを詰めたフレームにつる植物を這わせるスタッフドトピアリーなど、いくつかの種類があり、新しい手法のトピアリーも次々に考案されています。最も一般的な刈り込み型のトピアリーでは、幾何学模様や動物のほか、王冠などの器物、船などの乗り物の形を象ったものが多く見られます。

トピアリーにオススメの植物

トピアリーに向いている樹木は、丈夫で強い刈り込みにも耐え、比較的葉が細かく、小枝が多いもの。また、季節を問わずに楽しむために常緑樹であることも重要な条件です。実際のトピアリーでは、イチイやツゲ、イヌツゲ、マメツゲなどがよく使われています。フレームを使ったトピアリーの場合は、成長の速いヘデラやオオイタビなどが活用されています。

丸く刈り込まれたシンプルなトピアリーですが、5つの株を同じ形にすることでリズムが生まれ、ぐっと印象的に。

くるりとカーブを描くニワトリの家族のような、三日月状のトピアリー。同じ形で大きさの異なるものをたくさん集めたら、こんなに可愛らしい一角に。

世界のトピアリーガーデン

複雑でダイナミックなトピアリーを持つ、世界のトピアリーガーデンをご紹介します。

レーベンス・ホール&ガーデン(イギリス)

世界的に有名なトピアリーガーデンを持つ、エリザベス朝様式のマナーハウスです。レーベンス・ホール&ガーデンのトピアリーガーデンは、1730年代につくられたもの。トピアリーガーデンには100を超えるトピアリーがあり、抽象的な形やチェスの駒など、それぞれが異なる形に刈り込まれています。

https://www.levenshall.co.uk/

ヘット・ロー宮殿(オランダ)

VanderWolf Images/Shutterstock.com

オランダ王室縁の宮殿がヘット・ロー宮殿です。1685年に建造され、1970年代までオランダ王室の夏の離宮として使用されていたこの宮殿は、建物それ自体の美しさもさることながら、その庭園の見事さでも有名です。現在は博物館として一般公開されているので、誰でも訪れることができます。

https://www.paleishetloo.nl/

ヴィランドリー城(フランス)

ロワール渓谷内で最後に建設されたルネッサンス様式の古城、ヴィランドリー城は、幾何学的な美しい庭園を持つ城としてその名が知られています。城下にはキッチンガーデンや迷路を持つ庭、さまざまなシンボルを持つ装飾庭園など、いくつもの整形式庭園が広がり、全庭園のツゲの全長は52㎞にも及びます。

http://www.chateauvillandry.fr/en/

 

参考サイト

NPO法人 日本トピアリー協会 http://www.jta.gr.jp/topiary/

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