花もハーブも野菜も! 育てやすくて、どこでもできる小さな庭「ベジトラグ」
家にいながら、暮らしに楽しい変化が欲しいという人におすすめのイギリス生まれの木製プランター「ベジトラグ」。地面がないベランダや、限られたスペースでも家庭菜園をスタートできて、真夏も野菜や植物の生育がよい魔法のようなプランターです。2021年にベジトラグデビューをし、「生活が変わった!」と喜ぶHさんのベジトラグ栽培の体験談を交えながら、その魅力と活用法をご紹介します。
目次
野菜やハーブ栽培に最適のベジトラグ
「ベジトラグ」は、イギリスで開発された木製プランターで、一番の特徴は、植える容器部分が地面より高い位置にあることです。手入れがしやすかったり、植え付けたものがすくすく育つなど、野菜をはじめとした植物を栽培するのに優れた形状になっているガーデニングアイテム。このベジトラグの優れた点は、7つあります。
- 利点1 庭があるなしにかかわらず、狭い場所やベランダでも栽培場所が確保できる
- 利点2 深さがあるので、ハーブや葉物野菜に限らず、根菜類も育てられる
- 利点3 高い位置で植物が育つので、立ったまま手入れができてラク
- 利点4 植える容器部分が地面に接地しないので、風通しがよく、育ちがいい
- 利点5 高さがあるので、ナメクジやダンゴムシなど、‘地を這う系’の虫被害にあいにくい
- 利点6 壁際など日が当たりにくいような場所でも、容器部分が高い位置にあることで日当たりがよくなる
- 利点7 木製で見た目がナチュラル
置き場所は、日当たりと風通しがいい場所が最適です。特に、朝日が当たる南東向きがおすすめ。
2021年春にベジトラグデビューをしたHさんに、ベジトラグの使い心地を聞いてみました。
「ベジトラグは高さがあって、立ったままでも植物が目の前に育っているので、よく観察できます。しゃがんで覗き込んだりしなくてもよいので、植物のお手入れがラクで、植物が身近に感じられます。車いすの方でも使いやすい形状とのことで、さすがガーデニング先進国の英国デザインだなと思いました」
ベジトラグがあれば毎日の習慣が変わる!
ベジトラグに植物を植えた後、雨が降らない日が続いたら、水やりが必要になります。1日1回、ベジトラグに植えている植物の様子を見に外に出ましょう。土の表面が乾いていたら、まんべんなく水をやります。水が染み込んでいくのを確認しながら、花がらや枯れた葉は? 収穫時の野菜がないか? など毎日チェックすることで、植物の不調に早く気がつき、病気や害虫の発生を未然に防ぐことができます。
最初は小さい苗も、1カ月もすれば1回り大きくなっていることでしょう。ハーブなら、採取してその日の料理にちょっとプラス。ぜひ、ハーブの収穫記念に、新メニューを考えて食卓に新風を!
例えば、公道に面した場所にベジトラグを置いていると、通りかかったご近所さんから「何を育てているんですか?」など質問を受けて、思いがけず会話が生まれます。「このパンジーは食べられるエディブルフラワーなんですよ、とお話しすると、珍しいですね! と驚かれたりしました。これを機に、今後もちょっと面白いものを植えてみたくなりました」とHさん。
そうして育てながら、エディブルフラワーの花を摘んで、ランチの皿を彩ったり、スイーツのトッピングにしたり。身近に育てて成長を楽しみながら、摘みたての新鮮な素材を料理にすぐ使えるのも家庭菜園の醍醐味です。家族や友人とのティータイムも、ベジトラグで育つ花や野菜が話題になって盛り上がります。
花のある暮らしは、インスタ映えもGood! Hさんは花や野菜の株間にミニチュアグッズを置いて、ベジトラグをミニチュアガーデンに見立てる楽しい演出も。SNSで栽培報告を投稿するという楽しみが毎日の習慣に加わりました。
ベジトラグのある暮らしの始め方
ベジトラグには、大きなLサイズ(約幅183.5cm×奥行76cm×高さ80cm)やコンパクトなSサイズ(約幅77cm×奥行46cm×高さ63cm)など、6タイプあります。色もナチュラルとグレイウォッシュの2色から選べます。家庭菜園初心者のHさんは、「ホームベジトラグ ウォールハガーS ナチュラル」(約幅103.5cm×奥行46cm×高さ80cm)をセレクト。プランターの背が垂直で、前面が傾斜しており、壁際にピタッと省スペースで置くことができます。
ベジトラグは組み立て式です。キットが到着したら、同封の説明書の手順に沿ってネジで固定しながら立体的な形に組み上げます。道具は、ボルトを穴に打ち付ける金槌や、ネジを締めるドライバーやスパナなど。できれば2人以上で作業するとよいでしょう。形がすべて出来上がったら、最後に電動ドライバーで各ネジを締めると、しっかり仕上がります。
ベジトラグのサイズによっては、大人2人で約1時間ほど。簡単な大工仕事が楽しめますよ。
プランター部分の内側に、同封の黒い不織布でできた専用ライナーをセットし、土をたっぷり入れます。Hさんのベジトラグの場合は、90Lの土を用意しました。縁から3cm下くらいまで入れましょう。ベジトラグの特徴の一つが、底が傾斜していて、浅い部分と、深い部分があること。深い部分には用土がたっぷり入るので、土中で太らせるジャガイモなどの栽培もできます。
用土は、野菜専用の培養土でも、赤玉土に腐葉土や堆肥をプラスしたオリジナルブレンドでもOK。容器にまんべんなく用土を入れたら、苗を植え付けましょう。
Hさんがベジトラグデビューに選んだ苗は、ハーブとエディブルフラワーのパンジーです。ハーブはレモンタイム、ローズマリー、チャイブ、セージ、オレガノ、イタリアンパセリの6種をセレクトし、エディブルフラワーのパンジーは6株用意。花が前面に1列か、後方に1列か……など、いろいろ試し置きしながら考えた結果、個々の植物の成長具合が見えやすいように、花とハーブの苗をジグザグに配置して、植え付けました。また、丈が高く育つ植物は、根が地中に伸びてしっかり育つように、土の容量が深い後方に植えました。
枯れた葉はないかな? みんな順調に育っているかな? 毎朝、様子を見に外に出るようになって、これまで以上に毎日のお天気や気温が気になるようになったと話すHさん。
ベランダでも一年中、野菜やハーブ栽培が楽しめます
ベジトラグは、ベランダでももちろん大活躍! 2020年からベジトラグデビューしたマンション暮らしのKさんは、365日ベジトラグのある暮らしを楽しんでいます。
【4月】植え付けてまもない頃。土が多めに見えるけれど、これから大きくなるのを期待して株間をあけました。
【5月】黒葉ミツバ(中央)やカモミール(左下)、タイム(中央下)も2倍に!
育ったら、手でなでて香りを楽しんだり、伸びてきた枝を切り整えながら、切った枝を料理に活用。手入れしながら、フレッシュなハーブを使えるのは自家栽培の楽しみ。
【8月】カモミールや黒葉ミツバの調子が悪いので、別の鉢に移植して、バジルとシソを植え付けたらよく茂り始めました。緑豊かで目にも涼しい。
【10月】シソの収穫時期が過ぎたので、イチゴを前面に、配置を変更。手前には、ハンギングバスケットを3つ吊して、それぞれ違う種類のミントを植え付け。
【11月】バジルの収穫時期が過ぎたので、後方にビーツの種を播いて無事発芽。
【1月】真冬でもベランダは比較的暖かいからか、緑は絶えず、イチゴの葉が紅葉。後方の中央に細長く伸びているのは、ワケギ。
【4月】イチゴを収穫したり、空いた場所にバジルの種子を播いたり、伸びてきたハーブを少しずつ摘んでフレッシュハーブティーも堪能。
一年中、ベランダで何かしらが育っている経験を楽しんできたKさんにおすすめの野菜を聞いてみると「スーパーで買ってきた根付きのワケギですね。残った根っこをベジトラグに植えておくと、あ、薬味が何もない! なんて時に、とっても重宝するんですよ」
庭がなくても、ちょっとしたスペースやベランダで、一年中、野菜づくりやハーブ栽培が実現するベジトラグ。さあ、ベジトラグでガーデニング始めませんか?
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