庭づくりは、自分の手で少しずつ理想の形に近づけていくのも楽しみの一つです。これまでガーデニング雑誌で幾度も紹介されてきた千葉在住の橋本景子さんは、長年の庭づくりを通してDIYの腕も上げ、毎年ひらめきと手仕事で庭のクオリティーをアップさせています。ここでは、橋本さんが相談を受け、フェンスをDIYしたプロセスご紹介の後編をお届けします。女性にも作ることができる目隠しフェンスの仕上げ作業と、バラ咲く季節を迎えた華やぐ庭をご紹介します。
庭が最盛期を迎える前にフェンスを仕上げる

ある日、「庭から見える周りの景色がどうも不満で、フェンスを作りたいのだけど手伝ってもらえないかしら?」と友人の鈴木トシコさんから連絡を受け、隣家の収納庫の壁面や、近隣の屋根などをフェンスで隠そうと始まったDIY。部材をホームセンターで調達し、塗装を経て、柱を立てました。
●これまでのストーリーはこちら『女性にもできるDIYでフェンスを作ろう!【前編】』
極小スペースに設置するフェンス作り
さて、柱が立ったら、あとは板を張るだけの作業です。
板の張り方にも横張りや縦張り、柱に直接張るケースなど、いろいろな方法があります。私がよく使うのは、横板を張る部分だけ細い木材を柱に袖のように打ち、そこに板を張る方法です。そうすることで、板を柱よりも数センチ奥に張ることができるので、圧迫感が軽減されます。極小の庭には、この数センチでもスペース確保として貴重になるのです。
今回は、杉貫板をサイズに合わせてホームセンターでカットしてもらい、塗装して、横板も直接柱に打つという、一番単純な方法を選びました。

本職の方は、しっかり板の幅と隙間の寸法を計算して印をつけ、下から張っていくようですが、計算が苦手な私たち(笑)。なので、上から張っていって「この辺まででいいね」と、とっても適当。
でも、フェンスの下の植物の茂り具合を見たり、バラの枝の行き場所を確保するために、ケースバイケースで足元の隙間を調整するのは、すごく重要なことなのです。
隣り合ったフェンスの足元の隙間がそれぞれ違ってたっていいんです。


次々と横板を張っていく作業に夢中だったため、プロセス写真がほとんど無いのですが……。
既存のフェンスも一緒に修復

既存のフェンスは、傷んでいた横板を外し、新しい板を替えました。

この時に使う細い木を、本職の方は「ばか棒」と呼ぶそうです。私も初めて知ったのですが、柱を垂直、水平を保ったまま固定するためには、こういう補助の小道具があればとても楽。こうして柱を固定したり、また横板を張る際に、隙間を均等にするためにも便利に利用しています。


ぐるりとコの字に囲んだフェンスによって、見たくないものを遮断し、隣近所からの視線も全く気にならなくなりました。
フェンスを作ると、庭が狭くなるのでは? と心配する方もいらっしゃると思いますが、雑然としている周りの景色を隠し、統一されたシンプルな色で囲むと、かえって庭の広がりを感じられることが多いものです。フェンスがあればバラの誘引もできるし、花の色も引き立って、冴えて見える効果があります。

出来上がったフェンスに満足しつつ、眺めながらのティータイム。咲き始めた水仙が春の色を添えています。
フェンスが仕上がって初めてのバラの季節到来
それから1カ月後、「そろそろバラが咲き始めました」という連絡でお邪魔したら、庭景色が変わっていました!

デッキの上には、ベンチを備えたテーブルのコーナー。そして、周囲にはバラが優しい色を添えて、想像を超える素敵な空間が出来上がっているではないですか。

上写真右のフェンスの後ろに、お隣の大きな物置があるだなんて、誰が想像できるでしょう。

前回の作業の後、残った木材で工夫したというバラを支える台。旺盛に広がりデッキを占領しようとするつるバラ‘群星’が、うまく抑えられていて、さすがです。
この日、庭で咲いていたバラやシャクヤクを使って、トシコさんのお仕事でもあるカルトナージュやアレンジメントの技法で、作品をいくつか作っていただきました。
バラの季節を迎えて花のある暮らしを素敵に演出

大人なシャクヤクのアレンジ。背景には‘群星’とジャスミン。カルトナージュで作った器は中にグラスや瓶を入れてアレンジに使用しています。庭の景色があると、作品もみずみずしく映えますね。

バラとクレマチス、ジャスミンなど、庭に咲いた花々をたくさん盛り込んで。香りまでも素晴らしい、庭からのご褒美のような、豪華だけれど可愛いアレンジです。

取材にお邪魔した私にも、こんな素敵なご褒美が! まん丸で可愛い‘粉粧楼’とジャスミンのアレンジ、そして、白いアイシングにバラの花びらが散りばめられたケーキは、母の日のプレゼントだそうです。

同じ町内に住み、同じ歳というご縁で、長年お付き合いさせていただいている、尊敬する友人でありよきライバル(笑)。
きっとこれからもお互いに切磋琢磨しながら、各々のペースでガーデニングを続けていくことでしょう。
Credit
写真・文/橋本景子
千葉県流山市在住。ガーデングユニットNoraの一人として毎年5月にオープンガーデンを開催中。趣味は、そこに庭があると聞くと北海道から沖縄まで足を運び、自分の目で素敵な庭を発見すること。アメブロ公式ブロガーであり、雑誌『Garden Diary』にて連載中。インスタグラムでのフォロワーも3.6万人に。大好きなDIYで狭い敷地を生かした庭をどうつくろうかと日々奮闘中。花より枯れたリーフの美しさに萌える。
YouTube 「Kay garden」
Noraレポート https://ameblo.jp/kay1219/
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