バラを育てていると、突然バラの新葉やつぼみが枯れてしまうことがあります。新葉が乾いてパリパリになっているので、水切れなのかなと思うかもしれませんが、この症状の時には一番に「バラゾウムシ」の仕業を疑いましょう。体長2㎜ほどの小さな虫「バラゾウムシ」はどんな行動をしてバラに被害を与えるのか。その行動と捕獲の方法について解説します。
バラのエキスを吸うバラゾウムシ

バラ(薔薇)の新葉が突然枯れる、つぼみが突然しおれる、ということにお悩みの方はいらっしゃいませんか。この症状は水切れや病気と思われることが多いのですが、実は「バラゾウムシ」が原因のことが多いのです。水切れの症状は、すべての茎がダランと下を向いてしまう、新葉に限らず葉先が茶色くなる、全体的に葉が黄変するなどが挙げられます。一部だけが枯れる場合は、まず「バラゾウムシ」を疑いましょう。
バラゾウムシは体調2㎜ほどのとても小さな虫で、その存在を知らなければほとんど見つけることができません。バラの新葉の葉軸やつぼみの首元に、ストローのような口で0.5㎜ほどの極小の穴を開け、バラの養分を吸います。まずは被害にあったバラの症状をよく覚えておきましょう。


しおれてチリチリになった新葉。乾いているので水切れが疑われますが、一部分だけこうなっている症状の時はバラゾウムシが原因です。

しおれかかったバラのつぼみ。首元の黒く変色したところがバラゾウムシが吸った箇所です。
毎日、観察することがバラゾウムシによる被害の予防になります

バラゾウムシは毎日、観察していると、どこに潜んでいるのかが大体分かってきます。新葉が出始める4月頃から秋までが活動時期です。葉っぱの裏や葉柄の影に潜んでいるので、被害にあった葉の周辺をよく観察しましょう。バラゾウムシがついたからといって、バラが枯れてしまうような決定的被害を及ぼす害虫ではありませんが、特に鉢植えなどで花数の少ないバラのつぼみを枯らされるのは悔しい限り。予防のためにつぼみが上がってきた頃は念入りに見回りましょう。
バラゾウムシの対処法

バラゾウムシには「クロケシツブチョッキリ」という別名がありますが、その名の通りケシツブのように小さいので、その存在と生態を知っていなければ見つけることは困難です。彼らはとても用心深く、人の気配がすると葉の裏などにサッと隠れたり、地面に落ちて姿をくらましてしまいます。見つけたらそっと手のひらの中に落として退治します。素手で触っても人への害はありません。また、ほかの植物への被害もありません。
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写真&文/3and garden
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