バラは、春の陽射しを受けながら、今年も芽吹きの季節を迎えました。これから5月の開花シーズンに向けて、芽吹き始めた新芽を大切に育てていきましょう。今回は、この時期のバラのお手入れ方法とバラに合う植物について、神奈川県在住で「日本ローズライフコーディネーター協会」の代表を務める元木はるみさんに教えていただきます。
芽吹きの季節のお手入れ
①新芽の管理A「芽かき」

冬の間に元肥を施して本剪定が終わった枝には、今の時期、元気よく新芽が出ていることでしょう。よく芽を観察し、1カ所からいくつかの新芽が発生している場合は、手(指)で、新芽をつまみ取る「芽かき」を行います。そのままにしておくとエネルギーが分散されてしまうので、こうして新芽を間引き、よい枝やよい花に繋げましょう。

上写真は、芽かき前の様子。同じ所から3芽出ています。

上写真は、芽かき後の様子。中央の一番しっかりした1芽を残し、両側の2芽を手(指)でつまんで取り除きました。
これらは、ハイブリッド・ティー・ローズ、クライミング・ローズ、シュラブ・ローズなどに行います。フロリバンダ・ローズや、ミニチュア・ローズ、ポリアンサ・ローズなどは、2芽残しても構いません。

①新芽の管理B「切り戻し」
本剪定を終えた枝で、強い寒気に当たって頂芽がうまく育たなかったり、あるいは、間違ってぶつかり頂芽を落としてしまった場合などは、その下のよい芽のところまで枝をカットします。これを「切り戻し」といいます。

②肥料を施す「追肥(ついひ)」
芽吹いた新芽が順調に育ち、無事5月の開花シーズンを迎えられるよう、バラの生育期に施す肥料を「追肥」といいます。冬の間に施した元肥(もとごえ)だけでも、5月になれば花は咲きますが、よりたくさん、美しく、しかもボリュームのある花が咲くように、私は毎年3月になると、花肥である「リン酸」分の多い肥料を与えています。

追肥の与え方は、袋に記載されている規定量をパラパラと株の周囲にまくだけです(与えすぎに注意)。
【注意】
・ご紹介の肥料は、冬に元肥を施し、新芽が順調に発育している苗に与えてください。
・バラの苗を植え付ける際は、元肥用の肥料を必ず使用してください。
・全ての施肥は、バラのつぼみが色付き始めたら、ストップしてください。
③ 病害虫の予防
3月は、アブラムシやバラの新芽を食害するゾウムシの発生の時期です。見回りを強化し、見つけ次第捕殺します。農薬を散布する場合は、使用方法をよく読んで使ってください。
④水やり
この時期は、新芽が旺盛に成長しますので、水切れには注意しましょう。私は、雨天以外は、地植えも鉢植えも、たっぷりと水やりをしています(ただし、バラに適した水はけのよい用土に植え付けてあることが前提)。
バラに合う植物のセレクトと植え付け
2020年は、新しい庭へ引っ越して、まず移植したバラや他の植物が枯れることなく根付いてくれることが第1の目標で最優先事項でした。なんとかバラが根付き、バラの近くに他の植物も植えることができました。そして、現在も試行錯誤を繰り返しながら、理想の庭を目指しています。
新しい庭で育てているバラは、現在100品種を超え、さまざまな花色が集まってきました。多彩な花色が揃ったバラと合わせる植物を考える時、まずは開花時期が同じ白や青、紫の花。葉物では、シルバーや銅色、斑入りのもの。そして、バラの花色と同系色、あるいは補色となる花や葉、また、ハーブ類などが合わせやすいかと思います。


以下は、2020年の5月に、バラと組み合わせた植物です。
【白花】デルフィニウム、ベロニカ、シャスターデイジー、オルレア他

【青や紫】ジャーマンアイリス、デルフィニウム、リナリア、クレマチス他

【葉物】シルバーレース、シルバープリペット、アベリア・コンフィティ、斑入りのシャガ、ニューサイラン、ヒューケラ、カレックス他



【ハーブ類】ヤロウ、ミント、レモンバーム、カモミール他


【その他】リナリア・ピンク、ラナンキュラス・ラックス他
淡いピンク色のリナリア・ピンクや、ラナンキュラス・ラックスは、優しい雰囲気を庭に運んでくれました。

昨年植栽したこれらの植物は、この春、株を増やしたり、思いがけない場所から芽を出しているものも見られます。植え替える場合は、根が張る前に行いましょう。
人も、温かな陽射しを受けながら、ガーデニングがしやすい季節となりました。
バラやさまざまな植物たちの成長を見守りながら、お手入れを楽しみましょう。
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