埼玉県熊谷市にある「花音の森」では、イギリス生まれのおしゃれなプランター「ベジトラグ」を使って、野菜やハーブを育てています。今回は第5弾! ニンニクの育て方、植え方、管理方法をご紹介します。
ニンニクってどんなハーブ?
ニンニクは立派なハーブ! 古くから栽培されてきた健康野菜・ニンニクは、ユリ科ネギ属の植物で、原産地は中央アジアになります。ニンニクの起源は数千年前といわれ、古代エジプトではピラミッドを作る際、ニンニクを食べて体力維持をしたそうですよ。ヨーロッパでは、悪霊から身を守ってくれる魔除けのハーブと信じられていました。

特有の強いにおいの成分は、アリシン。アリシンには強い抗酸化作用があり、消化促進・血栓予防作用があると言われています。また、アリシンは、体内でビタミンB1と結合し、疲労回復作用のあるアリチアミンに変化します。食べるとスタミナ増進にも繋がるハーブ、という訳ですね。
ニンニクの育て方・植え方・管理方法
ニンニクは、栽培がとても簡単な野菜です。9~10月頃植えて、収穫できるのは翌年の5~6月頃。栽培期間は長いのですが、あまり手間がかからなく、病害虫にやられることも少ないので、初心者さんにもおすすめ! 今回は、ベジトラグでニンニクを栽培してみることにしますね。
ニンニクは普段見慣れている形、そのままのものが、ホームセンターなどで栽培用として、多品種販売されています。

ニンニクと一口にいっても、品種が40種類ほどあります。日本は北と南で気候がかなり違うため、それぞれの地域に合った品種を選ばれるといいですね。
例えば、寒地種で有名な品種は「ホワイト六片」。日本一の生産量を誇る青森県で栽培されています。冬の寒さにしっかり当てるとおいしくなる品種ですね。
一方、九州や沖縄などの暖かい地域で作られる品種に「平戸にんにく」があります。こちらは早生といって、寒地種に比べると収穫が1か月ほど早いのが特徴。種球を購入する際には、品種の特徴をよく確認してみてくださいね。
加えて、購入時の注意をもう一つ。スーパーで売られているニンニクは、保存状態をよくするために、発芽を抑制して出荷されているものもありますが、それは見た目では判断ができません。これを土に植えても上手くいかない可能性があるので、栽培用を購入することをおすすめします。
植え付け手順
ニンニクは暑さに弱いので、少し涼しくなってきた頃、9月~10月上旬くらいを目安に植え付けを行います。詳細は購入する品種を確認して、植え付けの期間を守りましょう。
まず、購入したニンニクを1片ずつに分球します。

ちょっと紫がかって見えるのは、暖地種の特徴です。1つずつが小さくて、12片ほど分球できます。寒地種・ホワイト六片はその名の通り6片に分球できます。

ズッキーニやナスを片付けた後のベジトラグ。水やりと共に、土が流れ出て少なくなっていたので、土を20リットルほど足し、有機肥料を追肥して、できるだけ掘り返しておきました。空いている場所に、ニンニクを植えていきます。

分球した1つを手に取り、ニンニクの高さ1~2つ分くらいの深さの穴を掘ります。根が生えていた部分を下にして、土をかぶせます。あまり深く植える必要はありません。次のニンニクとの間を15cmほど取り、続けて植えていきます。この間隔は、ニンニクが土の中で大きくなっていくのにぶつからないサイズを取る必要があります。品種によって大きさが異なりますので、購入時についている説明書をよく読み、参考にしてくださいね。

全部植えたら、表面をマルチングします。マルチングとは、腐葉土やわら、もみ殻、黒ビニールなどで、株元や畝全体を覆うこと。地温調整・雑草防止・降雨時の泥はねによる病害虫の防止・保水作用など、いいことばかり! おすすめです。私は腐葉土を使ってマルチングしました。
ニンニクを植えて2週間、ハーブたちのお手入れをしました。
ニンニクの植え付けから2週間。少し涼しくなったら、残っている下仁田ネギとカーリーミント、タイムが元気になっていました。

まだ、ニンニクは出てこないのですが、ハーブの草丈が大きくなってしまうと、ニンニクの栽培に影響が出ます。収穫を兼ねて、ハーブを生活の中に使ってみしましょう。
タイムはお料理にも大活躍。臭みを消して、いつもの料理をさらにおいしく仕上げてくれますよ。また、抗菌作用を持っていますので、玄関やトイレなどの空間に飾っておくのもおすすめ。割と長持ちするのも嬉しいですね。

カーリーミントは、レモングラス・レモンバーム・スペアミントとブレンドして、ハーブティーとしておいしく頂きました。
いかがでしたでしょうか? みなさんもニンニクを購入して、栽培チャレンジしてみてください!
この後の予定は、芽が出揃ってきた頃追肥と芽かきをします。またその様子もお伝えしますね。一緒にベジトラグでガーデニングを楽しみましょう♪
前回の「Vol.4 夏野菜のお片付け編」はこちら→ https://gardenstory.jp/gardening/48831
ベジトラグのご購入はこちら→https://aoyama-garden.com/lp/VegTrug.html
Credit

写真&文/堀 久恵(ほり ひさえ)
花音-kanon- 代表、ガーデンセラピーナビゲーター。一般社団法人日本ガーデンセラピー協会専門講師。
生花店勤務を経て、ガーデンデザイン・ハーブ・アロマセラピー等を学び、起業。植物のある暮らしを通じて、病気になりにくい身体を作り健康寿命を延ばすことを目指した「ガーデンセラピー」に特化した講座の企画運営と庭作りを得意とする。植物に囲まれ、日々ガーデンセラピーを実践中。埼玉県熊谷市在住。
https://kanongreen.com/
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