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培養土がいい? 自分でブレンドする? よい土を選ぶコツ

培養土がいい? 自分でブレンドする? よい土を選ぶコツ

Africa Studio/Shutterstock.com

植物を健やかに育てるために必ず必要となるのが土です。新しい土が欲しいなと思ったら、どこで購入しますか? ガーデンセンターや専門店、ネット通販や100円均一ショップなど、最近はいろいろな方法で土を購入することができるようになり、ガーデニングを手軽に楽しめるようになりました。その反面、専門家が見ると「これでは近い将来植物が枯れてしまうかも?」と思われる土も紛れていると指摘します。ここでは、よい土の見分け方をご紹介します。

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基本の土とは?

よい土とは、粒と粒の隙間に空気や水分、養分をほどよく含むことができる団粒構造(だんりゅうこうぞう)になった土のことです。この構造が保たれた地中では、植物の根が水分や栄養を吸収し、伸びたり増えたりすることができます。もし、土の状態がよくなければ、植物の育ちや開花、果実の実りにも影響してきます。

「団粒構造を保つ土づくり」と聞いても、具体的に何をすればいいのかわからない。だから「あらかじめ必要な用土がブレンドされているという“市販の培養土”」を使う人が増えているのかもしれません。

培養土は万能か?

いろいろな土が混ざっているなら、万能だろうと思いがちですが、かえって最低限必要な土の量がとても少ないことがあります。最低限必要な土とは、昔から使われてきた「黒土」や「赤土」、「鹿沼土」など各地で採取されている自然の土のことで、それらだけでも十分植物は育ちます。

では、培養土がなぜあるかというと、幅広い植物の性質に対応する土を求めて、軽くしたり保湿したり、それらの機能を補う改良用土が混ぜられているのです。上写真の土は、軽くてさらさらして、手触りはふんわり柔らかです。でも、細かな繊維質が多すぎて頼りない土という印象。袋の裏には主原料として、ココナッツファイバー、パーライト、炭、堆肥、赤土と表示されていました。実際にこの土に植物を植えて水を与えていたら、土が沈んで表土付近の根が出てきてしまいました。おそらく土中の空気層が水の重みで次第に潰れ、団粒構造が保てなくなったのでしょう。

赤玉土にも良し悪しがある

基本的な用土のひとつとしてあげた自然の土「赤玉土」にも、質に差があることを知っていますか? 上写真の2つの皿には、購入先が別々の赤玉土が入っています。自然の土を採取したはずの赤玉土、次の実験によって質の差があることがおわかりいただけるでしょう。

アルミのスコップで同じ力を上からかけると、右の皿に入っていた赤玉土は簡単に崩れました。左の赤玉土は多少崩れたものの、塊を保っています。

次に、2種の赤玉土を水に入れてそれぞれ30回撹拌し、5分が経過。右は濁ったままで、左は濁りが少ないですね。

崩れやすい土より崩れない土を選ぼう

それぞれの水を流したら、水の濁りが多かった右のコップには細かな土が多く残りました。これは、左が硬質で崩れにくいことを表しています。硬質な土ということは、植物を植え込んで水をやっていても、簡単に微塵の土ができないということです。植物を長く育てていくうちに、土が崩れていくということは、先にお伝えした団粒構造が保たれなくなり、次第に植物の生育にも影響が出てくることでしょう。せっかく育てていた植物の元気がなくなったり、植え込んだ土が簡単に崩れたら、がっかりですね。植物がよく育たないと感じたら、用土の見直しも考えましょう。

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Credit

写真&文/3and garden
ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。

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