家庭菜園は水やりや除草だけでなく、成長過程に合わせて、間引きや追肥、ほかにもさまざまな作業が必要になります。この毎日のお世話を通して植物の成長の変化を楽しむことが、家庭菜園の醍醐味の一つといえます。ぜひ必要な作業を把握し、ワンランク上の家庭菜園を楽しみましょう。

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水やりのポイント

野菜の生育には水分が欠かせません。特にベランダやテラスなどでコンテナを使って栽培をするときには、水やりの管理が必要です。水やりのタイミングは四季を通じて午前中、それも朝がベスト。太陽が昇りきる前に、たっぷりと水をあげてください。

ジョウロでの水やりもホースでの水やりも、水を直接、強く株元に当てると、水圧によって根を傷めてしまいます。ジョウロならハス口のあるものを選び、ホースを使う場合は下写真のように水圧をコントロールします

水やり
ホースの先端を手の平で覆うようにし、もう片方の手でホースを軽く折り曲げて、水圧をコントロールします。

水やり
ホースに30~40cmの棒をくくりつけると先端が立ち上がり、離れた場所にも水を与えることができます。また、先端に布をかぶせておけば、水圧を抑えられます。

便利な自動水やり装置もあります。これは、タイマーをセットすると自動的に水やりをしてくれるもので、旅行などで留守のときに助かるのはもちろんのこと、毎日の水やりの手間をぐっと軽くしてくれます。

水やりタイマー
360度の範囲で水が出るものや、180度の範囲で水が出るものなど、さまざまなタイプがあります。

除草とマルチング

菜園に欠かせないのが、草むしり。栄養豊富な土には、野菜だけでなく雑草も生えてきます。そのままにしておくと、野菜が吸収するべき栄養を奪ってしまうほか、日当たりや風通しも悪くなるので、こまめに除草しましょう。根こそぎ抜かないと、すぐにまた生えてくるので注意しましょう。

また、マルチングをすれば雑草が生えにくくなるのでおすすめです

マルチング
マルチフィルムによるマルチング。わらを株元に敷いてもよいでしょう。

その他の管理作業

ほかにも、作物や状況によって、間引きや整枝・摘心などを行います。間引きはタネを播いたコマツナやホウレンソウなどの葉菜やダイコン、ニンジンなどの根菜で必要になります。摘心は主に果菜類で、先に実をつけたものをしっかり充実させるために、後からついた花芽を取り除くことです。

このほか、作物によっては、畝の両端の土を野菜の株元に寄せる土寄せや、人工授粉、施肥など、作物によって作業の内容やタイミングはそれぞれ。でも基本的なやり方は共通することが多いので、ていねいに管理することを心がけましょう。

最後に、収穫できるくらいに成長したら、早めに収穫しましょう。いつまでもそのままにしておくと、ほかの実に栄養がいかなくなったり、取り忘れたものが腐って害虫や病気を誘発してしまうことになります。

間引きと追肥

タネの発芽率は100%ではないので、多めに播くのが基本です。成長するにしたがって葉が混み合ってくるので、数回に分けて間引きます。間引き菜は、そのままサラダにしたり、お味噌汁に入れたりして、おいしくいただきましょう。

追肥には速効性のある肥料を施しますが、肥料の施しすぎは根を傷めたり、病害虫発生の原因になりますので、適量を守ってください。

間引き

間引き

追肥

追肥

栄養成長と生殖成長

植物の成長には、栄養成長と生殖成長があります。発芽すると葉が出て光合成が始まりますが、この茎・葉・根など栄養器官のみをつくる成長を「栄養成長」といいます。次に、花芽をつくり、花が咲き、実を結びそしてタネをつくることを「生殖成長」といいます。植物の成長過程を観察できるようになってくると、水や肥料を与えるタイミングや管理作業が上手になってきます。最初は少し難しく感じるかもしれませんが、育てている作物を観察していくことも大切なプロセスです。

植物の成長イメージ

野菜のよりよい育成のために

水やりはもちろん、除草などの作業に加え、育成に応じて間引きや整枝・摘心などお世話することが、初心者さんにとっては多いと感じるかもしれません。でも毎日の作業を通して、植物の成長の変化が見られるのも、楽しみと喜びの一つです。ぜひ、楽しみながらチャレンジしてみてくださいね。

Credit

監修/矢澤秀成

園芸研究家、やざわ花育種株式会社・代表取締役社長
種苗会社にて、野菜と花の研究をしたのち独立。育種家として活躍するほか、いくとぴあ食花(新潟)、秩父宮記念植物園(御殿場)、茶臼山自然植物園(長野)など多くの植物園のヘッドガーデナーや監修を行っている。全国の小学生を対象にした授業「育種寺子屋」を行う一方、「人は花を育てる 花は人を育てる」を掲げ、「花のマイスター養成制度」を立ち上げる。NHK総合TV「あさイチ」、NHK-ETV「趣味の園芸」をはじめとした園芸番組の講師としても活躍中。

参照元/『菜園生活 パーフェクトブック』(監修・著:藤岡成介 発行元:株式会社日本インテグレート)
協力者/藤岡成介

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