畝(うね)の立て方のコツ! 家庭菜園にぴったりの方向や厚み、幅を解説

Zocchi Roberto/shutterstock.com
畝を立てて野菜を育てることは、水はけがよくなるなどのメリットがあります。特に根菜類は畝での育成が適しています。畝を立てるのは難しいと敬遠されがちですが、ここでは、優しくステップに分けて畝の立て方をご紹介しますので、ぜひチャレンジしてみてくださいね。
目次
床づくりはしっかり、ていねいに
畑の土を細長く盛り上げた栽培床(さいばいどこ)のことを「畝」と呼び、畝をつくることを「畝たて」といいます。畝をつくる際には、つくる野菜や菜園の環境に合わせて、向きや厚み、幅などを決めましょう。
畝の向き・高さ(厚み)・幅

〈畝の向き〉
平地では東西方向に細長くつくるのが一般的です。
〈畝の高さ〉
水はけのよい土壌なら5~10cm、水はけの悪い土壌なら20~30cmにします。
〈畝の幅〉
野菜を1列(一条)で育てる場合と2列(二条)で育てる場合とでそれぞれ考えます。また、育てる野菜によって、必要な畝幅が異なります。二条植えをする場合でスペースに限りがあるときは、千鳥に苗を植えつけましょう。
一条植え(上)と二条植え(下)

畝たてのメリットは?
畝をたてる作業は、慣れるまでは少し難しく感じるかもしれません。けれど、畝たてには以下のようなメリットがあります。ぜひチャレンジしてみてください。
①水はけがよくなる
土を盛り上げることで、水はけがよくなります。
②栽培場所がはっきりする
通路と栽培場所の区別がはっきりするので、野菜の生育管理がしやすくなります。
③根菜類が育ちやすくなる
畝は、どの野菜の生育にも適していますが、柔らかな土の部分が厚くなるので、特に根菜類を育てるのに向いています。
畝のたて方
畝をつくる前には、土の状態を整えておくことが必要です。土壌のpHをつくる野菜に適した数値に合わせ、さらに堆肥を入れてよく耕しておきましょう。
●参考記事『野菜作りの最大のポイント! 土づくりの基礎知識やpH値の調整方法などをご紹介』
ここでは、畝をたてる際に用いる道具の使い方のポイントも、併せて紹介します。
用意するものは、堆肥、クワ、除草用カマ、ミツメ、ジョレン、レーキです。
●参考記事『家庭菜園に必要な道具と選び方【初心者に必須の道具&あると便利な道具】』
1.雑草をとる

除草用のカマなどを使い、雑草を根を残さず取り除きます。
2.雑草やゴミを集める

刈り取った雑草や野菜くずなどは1カ所にまとめ、数日日干ししておくとかさが減ります。かさが減ったら、畝間に深さ20cmほどの穴を掘って埋めると、堆肥となります。
3.堆肥をすきこむ

畝になる場所に堆肥をまき、ミツメで堆肥を土にすきこみながら耕します。堆肥の量は、1㎡あたり1~2ℓほど入れます。
4.土をよく耕す

クワで土をよく耕します。土が団粒構造になるように、12~13cmは天地を返し、空気を土の中に入れます。一度に多くの土を耕そうとせず、クワを土に入れ込むように心がけ、1回1回小分けに耕すとやりやすいです。
5.片側の土をすくいあげる

敷地の端から、縦に向かって畝をたてていきます。畝にする予定の場所の外側の土をクワで掘り、内側にすくいあげます。畝の肩の部分が最も高くなるようにすると、水やりをしたときに水が逃げない形になります。
6.もう片側の土をすくいあげる

片側が終わったら、もう片側も同様にします。
7.土をならす

すくいあげた土を、クワやレーキを使って平らにならします。側面の立ち上げた部分は叩いて固めなくてよいです。
8.完成

クワの持ち方

右利きの人の場合は、右足で踏ん張るときは右手が前にくるようにクワを持ちます。手の位置は、身長によって変わってきます。女性の場合は、やや短く柄を持つと耕しやすいです。レーキやミツメなど、柄の長い道具はすべて同じ持ち方でよいです。
畝づくりで、ワンランク上の家庭菜園を!
この記事では、畝づくりの方法を解説しました。畝づくりは時間も体力も必要になりますが、育てる野菜にとって、大切な環境になります。ワンランク上の家庭菜園を目指すためにも、畝づくりにチャレンジしてみませんか?
Credit
監修/矢澤秀成
園芸研究家、やざわ花育種株式会社・代表取締役社長
種苗会社にて、野菜と花の研究をしたのち独立。育種家として活躍するほか、いくとぴあ食花(新潟)、秩父宮記念植物園(御殿場)、茶臼山自然植物園(長野)など多くの植物園のヘッドガーデナーや監修を行っている。全国の小学生を対象にした授業「育種寺子屋」を行う一方、「人は花を育てる 花は人を育てる」を掲げ、「花のマイスター養成制度」を立ち上げる。NHK総合TV「あさイチ」、NHK-ETV「趣味の園芸」をはじめとした園芸番組の講師としても活躍中。
参照元/『菜園生活 パーフェクトブック』(監修・著:藤岡成介 発行元:株式会社日本インテグレート)
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協力者/藤岡成介
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