マンションでもOK! 初心者にもわかりやすい、ベランダ菜園を始める前のチェックポイントをご紹介

Franz Peter Rudolf/shutterstock.com
ベランダ菜園は、室内との距離が戸建ての庭よりも近く、窓越しに眺めて楽しむこともできるのが魅力の一つです。マンション暮らしだけどベランダで栽培してもいいのか、不安に思う方も多いのではないでしょうか? いくつかの注意事項を確認すれば、マンションでも十分に家庭菜園を楽しむことができます。ここでは、ベランダ菜園を始める前のチェック事項を初心者さんにも分かりやすくご紹介します。
目次
ベランダの規制をチェック
マンションでの野菜づくりで注意が必要なのが、ベランダは各戸の専有スペースではなく、避難用はしごや境界板を設置した避難路などが建物によっては、マンション全体の共有スペースになっているということです。
ですが、こうした点に配慮すれば、マンションでも十分に野菜づくりは楽しめます。ベランダでのハーブや野菜の栽培に便利なグッズも市販されているので、活用してみましょう。
また、戸建ての庭よりもベランダは、室内との距離が近いので、眺める楽しみもあります。
日当たりや風通しの条件は?
多くのベランダは軒とフェンスがあるので、雨の降り込みが少ないのはもちろん、季節によって差し込む日差しがさえぎられます。また、手すりがコンクリートの場合は風通しも悪くなりがち。日照時間や風通しについて確認し、環境に適した野菜を育てるのがおすすめです。スペースが限られている点については、スタンドの利用やハンギングなど、高さを出すと効果的です。
毎日の水やりには、ベランダに水道が引いてあれば便利です。さらにスロップシンクを設けると、野菜の泥を落とすのにも重宝します。

ベランダ菜園のアイデア(東京都O邸)
床材の敷き方ポイント

コンクリートの床に白いタイルを敷き詰めて明るい印象に。タイルは避難用はしごのまわりを避けて敷いています。
キャスターつき花台で移動もラクに

境界板の前の鉢は、移動可能なキャスターのついた花台に乗せています。緊急時以外の普段の世話にも、移動しやすいくラク。
排水口には水切りネットを利用

排水口には、台所で使う生ゴミ用の水切りネットを紐で固定して、落ち葉などの侵入を防ぎます。
レンガで通風確保

コンクリートやタイルの上に直接プランターを置くと水はけが悪くなり、夏は熱が伝わるので、底面にレンガを敷くと効果的です。
ラティスの高さ

ベランダの手すりの高さは110cmは必要です。ラティスをとりつける場合は、110cm前後を目安に。落下防止のため、金具はしっかりと取りつけます。
強風から守る。高層階は特に注意
高層階では想像以上に強風が吹きつけることもあります。台風のときなどは、鉢ごと室内に一時的に避難したり、寒冷紗で植物を保護するのも方法。

便利な収納庫

菜園グッズを片付ける場所としてはもちろんのこと、肥料など直射日光を避けるものを保管するのにも便利。
今回この記事でご紹介したOさんのベランダ菜園アイデアは、すぐに真似できるものが多かったのではないでしょうか? 水切りネットやレンガ、キャスター代は、100円ショップでも入手することができます。さっそく取り入れてみてはいかがでしょうか?
Credit

監修/矢澤秀成
園芸研究家、やざわ花育種株式会社・代表取締役社長
種苗会社にて、野菜と花の研究をしたのち独立。育種家として活躍するほか、いくとぴあ食花(新潟)、秩父宮記念植物園(御殿場)、茶臼山自然植物園(長野)など多くの植物園のヘッドガーデナーや監修を行っている。全国の小学生を対象にした授業「育種寺子屋」を行う一方、「人は花を育てる 花は人を育てる」を掲げ、「花のマイスター養成制度」を立ち上げる。NHK総合TV「あさイチ」、NHK-ETV「趣味の園芸」をはじめとした園芸番組の講師としても活躍中。
参照元/『菜園生活 パーフェクトブック』(監修・著:藤岡成介 発行元:株式会社日本インテグレート)
協力者/藤岡成介
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