自宅のお庭で家庭菜園を始めたい人や、もっと上手に野菜を育てたい方は多いのではないのでしょうか? 初心者さんでも2つのポイントを押さえれば、ワンランク上の家庭菜園を実現することができます。ここでは、戸建て住宅の環境を生かし、日当たりやデザイン性などの悩みを克服するための、家庭菜園づくりのポイントをご紹介します。
目次
日当たりや土質をチェック
戸建てが建つ敷地に菜園をつくる場合、まずチェックしたいのが日当たりや風通し、そして土質です。広い場所があるならば、日当たりのいいエリアでトマトやダイコンなどを育てて、半日陰のエリアではサトイモを育てるなど、野菜苗の性質に合わせたエリアに植えたいもの。
また、面積を生かして輪作(りんさく)ができるのも戸建ての菜園のメリットです。場所によって栽培する野菜の属する科をあらかじめ決めておいてローテーションすれば、連作障害(れんさくしょうがい)を避けることができます。
※輪作とは、農業の手法の一つで、違った種類の作物を一定の順序を設けて育てること。
レイズドベッドでエリア分け
庭に菜園をつくるとき、ぜひ試してみたいのが、木材やレンガ、石などで縁をつくる「レイズドベッド」。水はけがよくなり土が流れ出ないだけでなく、まわりのエリアと境界がはっきりするので、菜園のデザインも描きやすくなります。そのほか、アプローチを上手に活用したり、菜園をより楽しむためのウッドデッキの設置など、家庭の庭ならではのこだわりポイントもたくさん。部屋から眺める楽しみもプラスされますから、トータルにコーディネートしてみましょう。
戸建て菜園のアイデア(和歌山県A邸)
立体的に育てて夏野菜が収穫できるゴーヤのカーテン
毎年2カ所で緑のカーテンをつくるそうです。こちらは窓のルーバーの上にネットを設置し、ゴーヤを誘引。ある年の夏は食べきれないほど収穫できたそう。
オリーブやカリンの樹など実のなる樹木もプラス
花も実も楽しめるカリンを数本と、オリーブを植えています。背の高い樹木があると、菜園に変化がつきます。
家庭菜園維持は、まず朝の水やりから
夫婦揃って菜園の世話をしているAさん。毎朝の水やりから1日がスタートします。
コンパニオンプランツも一緒に植えて花も楽しむ
シソやショウガを育てているコーナー には、花も一緒に植えています。眺めに変化がつくだけでなく、コンパニオンプランツとしての効果もあります。
レイズドベッドを活用する
Aさんの野菜づくりの基本は、レイズドベッドでの栽培です。レンガ、枕木、板などさまざまな素材を使って、自作しています。
デッキからの眺め
ここでお茶をいただくのがくつろぎの時間です。隣家との間のフェンスも木製なので、まるで菜園が絵のように見えます。
今回この記事でご紹介したAさんの朝時間は、とても優雅で贅沢なものに感じました。菜園だけでなくコンパニオンプランツも同時に育てることで、色とりどりの季節の変化を楽しむことができますね。菜園にちょっと慣れたら、ぜひコンパニオンプランツの栽培にも挑戦してみてください。
Credit
監修/矢澤秀成
園芸研究家、やざわ花育種株式会社・代表取締役社長
種苗会社にて、野菜と花の研究をしたのち独立。育種家として活躍するほか、いくとぴあ食花(新潟)、秩父宮記念植物園(御殿場)、茶臼山自然植物園(長野)など多くの植物園のヘッドガーデナーや監修を行っている。全国の小学生を対象にした授業「育種寺子屋」を行う一方、「人は花を育てる 花は人を育てる」を掲げ、「花のマイスター養成制度」を立ち上げる。NHK総合TV「あさイチ」、NHK-ETV「趣味の園芸」をはじめとした園芸番組の講師としても活躍中。
参照元/『菜園生活 パーフェクトブック』(監修・著:藤岡成介 発行元:株式会社日本インテグレート)
協力者/藤岡成介
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