今、僕らにできることは「Stay Home」をいかに有意義に過ごすか……。「自宅でできる健康的な活動。それは、まさにガーデニングだ!」と提案するのは、ガーデニング歴30年以上の大先輩、遠藤昭さん。樹木の剪定から、植物の移植作業、鉢増しなど、ガーデニングは、体を動かすスポーツ系アクティビティと言えます。では、何をどうすればよいのか? 揃えておくと便利な庭道具とガーデニングウェアについて、具体的な作業とともにご紹介します。

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自分の庭は自分で剪定しよう!

ガーデンの庭木
庭を囲むように樹木も一緒に育つ我が庭。

ハサミを使って植物を切る基本的な園芸作業の一つに剪定がある。剪定も格闘技系スポーツ感覚でやってみると意外と簡単で楽しく、きれいになってスッキリ! 我が家も5年ぶりに、3本仕立てのコルディリネを2本にして、余分な葉を落として気分もスッキリ! 所要時間は、1時間ほど。

コルディリネ

【Before】
種子から育てたコルディリネも25年が経ちボサボサ状態。

コルディリネの剪定

【具体的作業】
まずは、大きくなりすぎた1本をノコギリで切る。その後、残り2本の葉も剪定。

【ワンポイントアドバイス】
幹を切る前に葉を落として軽くしておくと、倒れた時に安全だ。コルディリネは、切った下から新芽が1カ月で出てくるので、バッサリ切りましょう。

コルディリネの剪定
残り2本の葉も剪定してスッキリ。
剪定したコルディリネ
株の先端につぼみがついていたので、壺に活けてみた。下方のパイナップルのような突起は、葉を切り取った跡。

これはガーデニングの基本作業の一つ。どうです? 簡単でしょう?

まずは形から? 庭での装いについて

スポーツにはスポーツウェアや道具が必要なように、ガーデニングにもウェアや道具が必要だ。まずは服装から。

自宅の庭で作業するので、別におしゃれをする必要はないが、キチンとした服装の方が、庭もセンスよく仕上がるような気がする。そして、見た目ばかりでなく、機能的で安全な服装が必要だ。では、各アイテムについて、長年のガーデニング経験を経て行き着いた僕なりのガーデニングウェアをご紹介。

ガーデニングの靴

まずは足元の靴。植木職人さんみたいな地下足袋は、木登りや足で土を寄せたりする作業には機能的でいいが、水に濡れたり、棘のある剪定枝を踏みつけたりすると危険だ。それに、ガーデニングという言葉には地下足袋は似合わないかもしれない。そこでおすすめは、L.L.BeanのBean Bootsだ。おしゃれだし、丈夫で長持ちで機能的だ。底が厚いので、バラのような棘のある剪定枝などを踏みつけても大丈夫だ。僕は、この10年間で2足目を履きつぶしつつあり、そろそろ3足目に履き替えようかと、セールのタイミングで予備を購入しておいた。ブーツタイプもあるが、くるぶしが隠れる程度のタイプが履きやすいと思う。特に毎朝の水やりで濡れても水を通さないので重宝する。また、雨の日のホームセンターへの買い物や、愛犬の散歩にも時々活躍してくれる。

上着とパンツ

ガーデニングの服装

次はパンツだ。厚手のデニムジーンズでもいいが、僕はBean Bootsの色に合わせて、Levisの生地のしっかりしたカーキ色のカラージーンズを愛用している。これなら足に小枝や草の葉が擦れても平気だ。夏は虫刺されなどもあるので、半パンや短パンは厳禁だ。

そして上着について。夏であっても上着は長袖が作業上安全だ。写真左のようなユニクロのナイロン製のフード付きジャンパーを羽織るようにしている。インナーは、長袖のTシャツだったり、サラリーマン時代のゴマンとある古いワイシャツだったりいろいろだ。

オーストラリアのブッシュコート

そして冬には、オーストラリアでポピュラーなブッシュコートを着ることが多い。このブッシュコートは、厚手のコットン製だが、オイルスキンといって、洗濯の後に特製のオイルを塗って防水加工して使用する。なかなかのスグレモノなのだ。

帽子

ガーデニングの帽子

さて、次はガーデニングには欠かせない帽子だ。日差しを避ける目的もあるが、剪定枝が頭にぶつかったりしないよう、安全上の対策でも帽子着用は有効だ。これはLOGOSの帽子。キャップよりハット型がおすすめ。庭で使うものなので、グリーン系をセレクトしている。

手袋と手甲

ガーデニングの手袋と手甲

ガーデニングウェア最後のアイテムは、手袋と手甲について。一般的なガーデニング用のゴム加工が施された手袋でよいが、バラの剪定など行う際は写真のような皮手袋が安心だ。そして、手甲をつけておくとさらに安心。

手甲は、ワークマンなどのショップで入手可能だ。最近、ワークマンプラスとか話題のワークマンだが、オンラインショップもあるので、Stay Homeのままで買い物ができるのはありがたい。

作業に合わせて揃えたい園芸道具①
木鋏と剪定鋏

木鋏と剪定鋏

さて、着るものが揃ったので、次は道具だ。

まず剪定に必要なものが木鋏(左)と剪定鋏(右)だ。木鋏と剪定鋏の違いは何かというと、木鋏は直径6~7mm以下の細い枝を切るときに使用し、剪定鋏は、やや太い15mm程度までの枝の剪定に使用する。剪定鋏では切れにくい場合は、手首のスナップを利かせ包丁で押し切りをするように剪定鋏を廻すと切れやすい。

実際に使用する場面として、3年間放置したツバキの剪定を紹介しよう。

ツバキの剪定
右写真、剪定後の地面を覆うものは切り落とした枝葉。結構な量を切り落としたことが分かる。

まず刈込鋏(後ほど解説)で刈り込んで、その後に、剪定鋏と木鋏で枝抜きをしてスッキリさせたツバキの例。枝抜きのコツは、込み入った枝や絡んだ枝、逆さ枝などを切り、幹から放射状に枝が均等に流れが見えるようにするとスッキリします。

ツバキの剪定
剪定後の枝のすき加減。

作業に合わせて揃えたい園芸道具②
刈込鋏と太枝鋏

刈込鋏と太枝鋏

両手で扱う大型の鋏が刈込鋏(右)と太枝鋏(左)だ。

刈込鋏は、生け垣の刈り込みや、樹形を球状や円柱、円錐型などに刈り込むときに使用する。

刈込鋏

使用するコツは、両方の手を同時に動かすのではなく、片方の手は固定しておき、もう片方の手を動かして切ると安定してきれいに刈り込める。また、頂上部分を刈り込む時は、鋏を裏返して使用すると角度がよくきれいに刈り込める。

メラレウカの剪定

写真はメラレウカ‘レボリューション・ゴールド’のBefore & After。

太枝鋏

もう一つ、重宝な鋏がある。先の写真左でご紹介した太枝鋏だ。剪定鋏では切れないし、ノコギリを使用するほどでもない直径20~40mm程度の太い枝を切るのに便利だ。柄の長さを調整できるタイプもあるので、使い分けることができる。例えば、伐採した長い枝を細かくしてゴミに出す際、太枝鋏の柄を短くして、枝を切り落とす処理にも便利だ。

作業に合わせて揃えたい園芸道具③
高枝鋏

高枝鋏

次に紹介するのは、高枝鋏の2種類だ。一般的なものは、高い所に実った果実の収穫にも使えるし、高い位置にある15mm以下の枝を切り落とすのにも使用できる。

グレビレアを高枝鋏で剪定
お隣さんを隠すほど大きく育ったグレビレア‘ロブスター’を高枝鋏でバッサリ剪定。

さらに太い枝を切るには、太枝高枝鋏という便利なものもある。上写真は太枝高枝鋏だけで剪定したオーストラリア原産のグレビレア・ロブスター、Before&Afterの様子。

我が家ではこの数年間、梯子は使わず、この太枝高枝鋏で切れる高さに樹高を抑えるようにしている。もし、剪定をする度に梯子を持ち出し、狭い場所で安定させたり、一人で乗り降りするのは考えるだけで面倒だ。高枝鋏を使うだけで作業ができることは、とてもスマートだと思う。また、ときどき2階のベランダから手を伸ばして、ユーカリの枝を落とすのに使用している。なかなかのスグレモノだ。

これがまたかなり腕の力を使うが、筋トレだと思うと楽しいものだ。

作業に合わせて揃えたい園芸道具④
剪定ノコ

剪定ノコ

ここまで各種の鋏を紹介してきたが、これら6つの鋏で切れない太さの枝ならば、あとはノコギリの出番だ。僕が愛用しているのは、ゴムボーイというノコギリ。数年に一度、刃だけを交換すれば切れ味が保てるし経済的だ。

作業に合わせて揃えたい園芸道具⑤
チェーンソー

チェーンソー

大きくなった木を伐採するには電動式のチェーンソーも便利だ。10年以上前になるが、大きくなったジャカランダが枯れたので、ノコギリで頑張って切ったら、右腕の肉離れを起こしてしまった。その後、無理はしないようにと小型のチェーンソーを購入した。

チェーンソー

危険なので取り扱いに注意が必要だが、ノコギリでも手に負えなくなったら、チェーンソーの力を借りるのも一つの方法である。初めて使用するときには、誰かベテランの人に使用法を学ぶか、メーカーの講習会に参加してからの方がよいと思う。チェーンソーは木こりになった気分で気持ちがよい。

植え付けなど基本の園芸道具はスコップ

スコップ

あとは、新しい樹木を庭に植えつけたり、移植するときに必要なのがスコップだ。家庭菜園を始めるなど、土を耕すときにも使用する。最初は小さいサイズで充分だと思う。

掃除に必需品の「み」

箕(み)

最後に、片付けにあると便利な道具を紹介しておこう。剪定をすると大量のゴミが出るが、「箕(み)」というチリトリをご存じだろうか? 「手箕(てみ)」と呼ぶこともある。由来は、コメなどの穀物の脱穀をした時に出る殻やチリを取り除くために用いられていたバスケット状の農具で、要は大型のチリトリだ。剪定枝の掃除には欠かせないのが、右側の熊手と「み」だ。

春のガーデニングスタイル
春のガーデニングスタイルの筆者。

さあ、着るものも道具の知識もこれでひと通りお分かりいただけたことでしょう。まずは1つ2つと揃えながら、Stay Homeの日々を自宅の庭で過ごしましょう。生き生きと成長する植物たちと触れ合いながら、体を動かし、健康維持のためにもスポーツ系ガーデニングをして、心身ともに元気に過ごそうではありませんか。

Credit


写真&文/遠藤 昭
「あざみ野ガーデニンプランニング」ガーデンプロデューサー。
30代にメルボルンに駐在し、オーストラリア特有の植物に魅了される。帰国後は、神奈川県の自宅でオーストラリアの植物を中心としたガーデニングに熱中し、100種以上のオージープランツを育てた経験の持ち主。ガーデニングコンテストの受賞歴多数。川崎市緑化センター緑化相談員を8年務める。コンテナガーデン、多肉植物、バラ栽培などの講習会も実施し、園芸文化の普及啓蒙活動をライフワークとする。趣味はバイオリン・ビオラ・ピアノ。著書『庭づくり 困った解決アドバイス Q&A100』(主婦と生活社)。
ブログ「Alex’s Garden Party」http://blog.livedoor.jp/alexgarden/

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