アクアリウムショップといえば、魚や水草など、水の中の生き物を扱うお店ですが、最近は一般的な園芸店のように、陸で育てる植物を置くお店もあるってご存じですか? 園芸ファンも夢中になること間違いなし! の植物を扱っている、東西の2店、関西からは「アクアテイラーズ」、関東からは「AQUA FORTUNE」をご紹介します。

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アクアリウムのショップで陸生植物を買える!?

苔テラリウム

アクアリウム・ショップ(以下アクアショップ)は、魚やエビなどの水生生物や、水草などの水生植物を主に扱うお店。

ですが、最近は水の中で育てない、陸生植物を置く店も増えてきています。

アクアショップでは、陸地と水場を設けて育てるカエルやイモリなどを扱っていることもあります。こうした生き物を育てる際には、陸地に植物を植えて飼育環境を整えますが、それがきっかけとなり、生き物の環境のための植物としてではなく、植物そのものへの興味が高まっていく人も少なくないようです。

また、アクアショップで扱われることが多いのは、雨林植物といわれるもの。その名の通り熱帯などの雨林に自生する、湿度が高い環境を好む植物です。

雨林植物は、鬱蒼と茂ったジャングルの林床に自生しているので、強い光がなくても育てられるものが少なくありません。雨林植物を育てるときは、水槽の中に入れて空中湿度が高い環境を作ったり、日光が差し込まない場所ではLEDライトで光を補ったりしますが、いずれも魚の飼育や水草水槽を楽しむ際に使う資材を利用することができます。

アクアショップで雨林植物が扱われるようになったのは、アクアリウムユーザーが、手持ちの資材で楽しむことができるというのも、理由の一つかもしれません。

ガラス器を使った植物栽培はあまり馴染みがないかもしれませんが、苔テラリウムなどで徐々にポピュラーになってきました。ガラス器の中は湿度が高めの環境になっているので頻繁な水やりが必要なく、LEDを使うので、これまで植物を育てられなかった暗い場所でも栽培が可能です。

なので、雨林植物は手間をかけずに部屋の中で植物を育ててみたい人にもぴったりといえます。

こうしたものの一例としては、上の写真のような苔テラリウムがポピュラーになってきていますが、それ以外にもシダなど、同様の育て方で楽しめる植物は少なくないのです。

雨林植物を扱うアクアショップは、全体からするとまだごく一部ですが、都市部を中心に登場し始めています。

今回ご紹介するのも、そんな雨林植物が充実しているアクアショップです。

近畿圏に4店を展開する総合アクアリウムショップ「アクアテイラーズ」

アクアテイラーズ

「アクアテイラーズ」は、海水、淡水、魚、水草水槽など、アクアリウムライフの広い範囲をカバーする総合アクアリウムショップ。

今回の取材では、大阪府東大阪市の本店にお邪魔しましたが、近畿圏にほかに森ノ宮店、尼崎つかしん店、神戸駒ケ林店の3つの支店を展開しています。

充実の雨林植物がいつでも手に入る!

アクアテイラーズ

売り場の多くを占めるのは、魚やエビ、水草や、それらを育てるための機材や資材類が中心です。しかし、店内に入ってすぐの場所に広がるのは、上の画像のような風景。目立つ場所に、大型のガラスケースで作られたパルダリウムが展示されています。

パルダリウムは、湿地を思わせる風景を、ガラス水槽などの中に作って楽しむテラリウムの仲間。水を入れずに育てる植物にも重きをおいた店作りをしていることがうかがえます。

ちなみに右奥に並ぶ小型の水槽に入っているのは、カラフルなヤドクガエル。ヤドクガエルを飼育する際も、水槽の中に自生地を模した環境を作るそうで、そうした環境づくりのためにも植物が使われます。

パルダリウムやヤドクガエル飼育に使われるのは、雨林植物と呼ばれる、ジャングルの林床に生える植物。

鬱蒼と茂る熱帯のジャングルは、上空を高い木に覆われて薄暗く、地面近くは湿度の高い環境です。こうしたところに自生する植物は、強い光がなくても育ち、LEDなどの人工照明でも育てることができるため、室内で栽培を楽しむのに向きます。

色とりどりの植物がよりどりみどり!

アクアテイラーズ

ストック用の水槽の中には、色とりどりの植物が。

上は鮮やかな色彩でファンも多い、ベゴニアなど。

ベゴニアといっても、一般の園芸店やホームセンターにはあまり出回らない原種ベゴニアなので、育て方にはちょっとしたコツが必要ですが、ご安心を。日々、お店で手入れをしているスタッフに相談すれば、栽培の方法や資材、機材の選び方を教えてもらうことができます。

花が咲く植物もアリ

アクアテイラーズ

室内の人工照明で育てられるものだと、観葉植物のように葉を楽しむものが中心になりますが、ジュエルオーキッドなどの地生ランや小型の着生ラン、ソネリラ、セントポーリア、ベゴニアなどは、花を楽しむことができます。

人気のアグラオネマも

アクアテイラーズ

最近、一部で熱い盛り上がりを見せているアグラオネマ・ピクタム。同じ種でも産地(採取地)や個体によって葉模様が異なり、コレクション心をくすぐります。

そんなアグラオネマの、産地や採集者などのデータもしっかりある株が、水槽に所狭しと並びます。

上の写真の迷彩柄の葉がアグラオネマ・ピクタムですが、後ろにかかっているのはバルボフィラムなどの着生ラン。小型の着生ランも水槽+LEDで栽培でき、花を楽しむことができるのでおすすめです。

資材も充実!

アクアテイラーズ

植物を育てるための水槽やLEDはもちろん、パルダリウムを作るための資材や材料も店内にはズラリ。植物の育て方はもちろん、資材の使い方なども相談にのってもらえます。

まずは苔テラリウムにチャレンジ

アクアテイラーズ

いきなり大きな水槽やLEDを買い揃えるのはちょっとハードル高めだと思ったら、まずは苔テラリウムから始めてみるのも手です。

「アクアテイラーズ」では、手のひらサイズから大型のものまで、インテリアにも最適なさまざまなサイズの苔テラリウムが店頭に並んでいます。また、自分で作ってみたい人のために、ガラス容器、LED、苔などの素材も揃っています。

苔テラリウムの制作が体験できるワークショップなども随時開催されているので、作り方やメンテナンスの方法を実地に教わることもできます。

Information

アクアテイラーズ

アクアテイラーズ

所在地:大阪府東大阪市中新開1丁目15-19

TEL:072-960-7910

営業時間:平日13~21時、土12~23時、日祝12~21時

定休日:火、第2・第3木曜

コンパクトな店内にオーナーの趣味が詰まった「AQUA FORTUNE」

アクアフォーチュン

「AQUA FORTUNE」は東京都町田市にあるアクアショップ。

メダカなどの魚や水草、昆虫などを扱っていますが、中でもレッドビーシュリンプなどのエビの品揃えが充実しており、マニアから熱い信頼を寄せられているお店でもあります。

こだわりの植物も多数ラインナップ!

アクアフォーチュン

アクアがメインのお店ではありますが、植物もたくさん店頭に並んでいます。

ブセファランドラやホマロメナといった水辺の植物も多く並びますが、中でも目を引くのは、原種ベゴニア。店主の代田さん自身もベゴニア好きとのことで、魅力的なベゴニアを探しては仕入れているそう。色彩や形のバリエーションが多いのがベゴニアの魅力の一つですが、店頭では常時販売している30~40種のベゴニアを実際に見て選ぶことができます。

仕入れたベゴニアは挿し木や葉挿しで増やして、小苗から株づくりをしているものも多く、栽培に癖がある原種ベゴニアの栽培もお手のもの。育て方も、実際の栽培経験をもとに教えてもらえます。

難栽培種も店内に

アクアフォーチュン

黒いマットな葉のフチに模様が入る美しいベゴニア、ベゴニア・ダースベイデリアナ。

異彩を放つその風貌からとても人気のベゴニアですが、栽培が難しく、長く育てるためには技術が必要な種です。

「AQUA FORTUNE」では、店内でこのベゴニアを栽培。日々の研究を怠らず、ケース栽培や常湿栽培など、さまざまな環境下での栽培を試しているそうです。

Information

AQUA FORTUNE

アクアフォーチュン

所在地:東京都町田市成瀬7-1-36小島ハイツ1F

TEL:042−860−7640

営業時間:平日12~19時、土日祝12時~18時(仕入れなどにより、変更することがあります)
月曜休(仕入れ、イベントなどにより変更することがあります)

twitter:@AQUAFORTUNE2007

Credit

写真&文/土屋 悟(つちや さとる)

フリーライター。
インドアグリーンの最新事情に強い、園芸・ガーデニング関連のライターとして活動中。自宅でも、水槽、透明ケースなどを使って試行錯誤しながらランなどの植物を栽培。ときおり実家の庭の手入れも行い、家の中、外での園芸ノウハウを蓄積。
https://twitter.com/tutti0514
https://www.instagram.com/satorutsuchiya_/

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