雨水を貯めて、例えば庭木や植物への散水や打ち水、洗車などに使うことができれば、とてもエコロジーで経済的です。環境大国ドイツの雨水事情と人気の雨水タンクをご紹介します。雨水をうまく活用してみませんか?
雨水を暮らしに取り入れよう
環境大国ドイツの雨水事情とは…
『ビオトープ』という言葉をご存じでしょうか? これは環境大国ドイツからの外来語で、『生き物の生きる空間』という意味です。ビオトープが生まれたドイツの、ガーデンにおける水の使い方がとても参考になります。例えば、自然に見立てた池。オアシスとして人にとって心地よい空間であるとともに、水生の植物、水際の植物、そして多くの虫や動物が集まる空間になります。これは、まさにビオトープの根幹になるところです。そんなドイツでは、雨水の利用が一般化しています。通信販売やホームセンターで、住宅の庭に埋めて使う大きな雨水タンク(かなり大型で、価格も高額)や、雨どいから取り込むタンクなど、石調や木調の手軽なものが2万円ぐらいまでで売られています。
雨水は、さまざまな活用方法があります
水は、地球上の生物になくてはならない大切な資源。その元となるのが雨です。水を大切に使用するためにも、雨水を有効に活用していきたいものですね。
貯めた雨水は、花や野菜、庭木への散水、打ち水、洗車用水、池の水、作業用手洗い水、トイレの流し水、窓ふき用水、液肥などのうすめ用水、消火用水、非常用水等々、飲み水以外の生活雑用水に使えます。災害時の非常用としても重宝します。
雨水利用は非常に新しい技術ですが、日本ではまだ発展途上です。一方で、雨水タンクは新しい住宅装備の一部として取り入れられています。町全体に取り付けられれば、大雨のときの貯水池の代わりにもなります。また、エコロジ-に密接な技術であることから、経済的重要性も高まってきています。
“環境にやさしい”は、暮らしのゆとり
昔の家には、鉢やちょっとした工夫で水を貯めるものを置いていたような気がします。例えば、縦の雨どいに取り付けられる集水具。雨どいを途中で切ってはめ込むだけの簡単な構造ですが、水が貯まる様子には心が躍ります。鉢には小さな金魚などを入れればボウフラの発生を防ぐことができます。
“環境にやさしい”というのは、暮らしのゆとりや、家族や人に優しくなることにつながり、本来の日本の風習や里山、自然の神という、日本人の原点につながっていくのではないでしょうか。
自然に学び、自然に暮らそうとする気持ちが、本来のゆとりある暮らしを取り戻していく大きなきっかけにもなるのではと思います。
雨水利用のために大切なこと… 基本的な知識を覚えましょう!
雨水利用には基本的な知識が必要です。雨水の貯水には、雨水タンクの設置が一般的です。地中埋設型のタンクのほうが、建物内へタンクを設置するよりも基本的には望ましいといわれています。
1. 屋根の面積から雨水の量を計算する
●屋根面積では25㎡から40㎡で1トンが目安
2. きれいな水を保つための環境づくり
●雨水タンク内に常時、水を満たす
●光を防ぎ、水温は18℃以下に保つ ●凍結を防ぐ
●酸性雨を中和する ●循環ポンプで、水に酸素を供給する
3. メンテナンスが手軽
●アクセシビリティーが高い
●清掃が簡単、特別なコストをかけずにメンテナンスできる
節水にも! 人気の雨水タンク
住宅との調和を考えたデザインを選ぼう!
地域によって雨水タンク設置に対する助成金の設定があります。市町村によって異なりますので、詳しくは地域の自治体にお問い合わせください。
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