明るくやさしい色の花弁がいく重にも重なるラナンキュラスは、春に咲く球根植物です。華やかでかわいらしい花姿から、鉢花はもちろん、フラワーアレンジでも人気があります。英名の「バターカップ(buttercup)」の由来は、原種のラナンキュラスが5枚の花びらをもつ黄色い花を咲かせることから。今回は、世界中で愛されているラナンキュラスについて、育て方のコツや、日々のお手入れから寄せ植えに相性のよい植物までを紹介しましょう。NHK『趣味の園芸』などの講師としても活躍する園芸研究家の矢澤秀成さんに、教えていただきました。
目次
ラナンキュラスを育てる前に知っておきたいこと
ラナンキュラスは、咲き方や花色のバリエーションが豊富で、同じ品種でも個体により、色合いに差があることも。そのため、「どんな花が咲くか」と期待をしながら育てられます。まずは、ラナンキュラスと仲よくなるための基本情報を知っておきましょう。
ラナンキュラスの基本データ
学名:Ranunculus asiaticus
科名:キンポウゲ科
属名:キンポウゲ属
原産地:東ヨーロッパ、南ヨーロッパ、西アジア
和名:花金鳳花(ハナキンポウゲ)
英名:Persian buttercup
開花期:3月下旬~5月下旬
花色: 赤、ピンク、黄、オレンジ、白、紫、緑、複色
発芽適温:15℃前後
生育適温:5~20℃
切り花の出回り時期:11~5月
花もち:6~8日
ラナンキュラスは秋植えの球根植物で、耐暑性が弱く、夏の間は休眠します。耐寒性は普通ですが、地植えなら霜が当たらない場所で育てて防寒対策をとりましょう。次の項以降では、育て方のコツを説明します。
種類を知ると、選び方がわかります
キンポウゲ属の植物は世界で約500種あります。そのうち「ラナンキュラス」と呼ばれているものは、西アジアからヨーロッパ南東部にかけて分布する原種のラナンキュラス・アシアティクスを改良した園芸品種です。
ラナンキュラスの花は、咲き方によって大きく6つに分けられます。
カメリア咲き
たくさんの花びらが巻いて、八重のツバキの花のような花形。
ピオニー咲き
大小異なる花びらがフリルのように連なる、シャクヤクのような咲き方。
フリンジ咲き
花びらの縁が細かく波打っています。カーネーション咲きとも。
カール咲き
花びらがうねるように内側に巻いています。バラ咲きとも呼ばれます。
半八重咲き
花芯が見える、平咲きのタイプです。
変わり咲き
つぼみのときは通常と変わりませんが、花開くと、中心から緑色の花びらが飛び出します。
以下では、ラナンキュラスの代表的な3シリーズを紹介しましょう。
「ビクトリア」シリーズ
生育が早く、花がたくさん咲く定番の品種。基本的には草丈が低いので、育てる際に扱いやすいのが特徴です。花弁がいく重にも重なった、豪華な花が咲きます。
「ラックス」シリーズ
花びらに光沢があるのが、特徴です。日が当たると輝くさまがきれい。しべが見えます。
「モロッコ」シリーズ
花の中心のめしべが目立つ、個性的なタイプ。小さな花びらが放射状に開くのもこの花ならでは。
ラナンキュラスを育てるときに必要な準備は?
ラナンキュラスは、鉢植えと地植えのどちらでも育てられます。草丈が30~60㎝と比較的コンパクトなので、初めて育てるかたは鉢植えが管理しやすいでしょう。耐寒性は普通で、1~2月は防寒するほうがベターです。特に寒冷地では、鉢植えで栽培して、冬季は室内管理するのが確実です。
種、球根、苗の3パターンから育て始められますが、園芸初心者はある程度大きくなっている苗が育てやすいでしょう。苗には一番花がついた状態のものが多く、好きな花色を選んで育てられるというメリットがあります。
ラナンキュラスを育てる際には、以下のものを準備しましょう。
準備するもの(鉢植え、地植え共通)
・ラナンキュラスの苗、または球根や種
・土
・肥料
・土入れ、またはスコップ
・ラベル
・ジョウロ
※地植えの場合は、有機石灰または苦土石灰も用意
*鉢植えの場合は、下記のものも用意
・5号の鉢、または横長プランター
・鉢底ネット
・鉢底石
基本的には、北風の当たらない日なたで管理します。開花中は、なるべく雨に当てないようにしてください。そのほうが長く花を楽しめます。
適した土作りが、育てるコツの第一歩
ラナンキュラスの栽培は、水はけのよい弱酸性~弱アルカリ性の土壌が適しています。
鉢植えで育てる場合は、市販の草花用培養土で問題ありません。地植え栽培なら、日本は酸性土壌が多いので、使う土にアルカリ性を強める苦土石灰(くどせっかい)を混ぜて中和させ、その2週間以上あとに種や苗を植えてください。ただし、苦土石灰は量が多いと土質が悪化して植物の生育を妨げることがあるため、土と混ぜて見えなくなるぐらいの少量にしておきます。目安は1㎡あたり100gほど。
鉢植えで使う土は、前述のとおり、市販の草花用培養土を使います。土をブレンドする場合は、赤玉土(小)、腐葉土、酸度調整済みピートモス(ココピート)を5:3:2の割合で配合した土に、有機石灰(1ℓあたり約3g)と、リン酸分を多めに含んだ緩効性化成肥料(1ℓあたり約5g)を混ぜて使います。また、定期的に追肥として、75~90日に1回緩効性化成肥料を与えましょう。ただし、追肥は3月終わり頃に止めたほうが、球根が腐りにくくなります
地植えも元肥で緩効性化成肥料を施し、鉢植えと同様に定期的に追肥を与えてください。
ラナンキュラスの育て方にはポイントがあります
キンポウゲ属の植物は一般的に湿気の多い場所を好みますが、ラナンキュラスは多湿が苦手です。日当たり、風通し、水はけのよい環境で育てましょう。じめじめした場所で育てると病害虫の被害にあいやすく、特に地植えでは雨にあたって球根が腐ることがあります。また、冷たい風にあたり続けると、葉が傷んだり株そのものが悪くなったりします。そのため、鉢植えで室内栽培するのが、もっとも育てやすいのです。ただし、暖房器具の近くには置かず、温度調整に気を配ります。
ラナンキュラスの育て方~苗から始める~
苗の選び方
苗が市場に出回るのは11月下旬~4月頃。育てやすいのは3~4月頃に出ているもので、十分に育ち、芽が出ている苗を選べば開花させやすいでしょう。また、葉の数が多くて大きめのもの、株ががっしりとして安定感あるものが状態のよい苗です。
植えつけ時期と方法
苗の植えつけは、暖地では11月中旬~12月中旬に、寒冷地では10月上旬から11月中旬に行います。苗は、根鉢を崩さずに植えつけましょう
鉢植えの場合の手順
①鉢(またはプランター)に鉢底ネットを入れ、鉢底石を敷きます。あらかじめ湿らせておいた土を、鉢の高さ1/3ほどまで入れます。土を自分でブレンドする場合は、酸性土を中和させる有機石灰か苦土石灰と、元肥として緩効性化成肥料を混ぜておきましょう。
②ポットからラナンキュラスの苗を、なるべく根を傷つけないように引き抜きます。
③鉢の中心に苗を置き、その周りを埋めるように、隙間なく土を入れます。地表から2cmの深さの部分に球根がくるように、土を埋めていくのがポイント。地中に大きな隙間があると根が伸びないため、気をつけましょう。プランターに植える場合は、15~20cm程度の間隔で複数株を植えてください。
④水を与えて、日当たりのよい場所で管理します。品種名や植えつけ日を書いたラベルを挿しておくと、わかりやすくて便利です。
地植えの場合の手順
①土に堆肥または緩効性化成肥料と、酸性土を中和させる有機石灰か苦土石灰を混ぜておきます。プランターの場合と同様、15~20cm 程度の間隔で、ラナンキュラスの苗を植える穴を掘ります。穴は、地表から2~3cmの深さの部分に球根がくるように掘りましょう。
②各穴に、ラナンキュラスの苗をひと株ずつ植えます。水はけをよくするために、苗が少し盛り上がっている状態で植えてください。
③たっぷりと水やりをして、品種名や植えつけ日を書いたラベルを土に挿しておきます。
苗を植えるときのコツは、根を傷つけないこと。ポットから苗を引き抜くときは、根鉢(土と根がくっついて固まりになったもの)を触らず、そのまま植えましょう。
ラナンキュラスの育て方~球根から始める~
球根の選び方
園芸店の店頭などのほか、園芸店が運営しているネット通販でも購入できます。ただし、通販を利用して球根を入手する場合は、信頼できる種苗メーカーやショップから購入しましょう。
植えつけ時期と方法
ラナンキュラスの球根は、鉢植え、地植えともに10月頃が適期です。市販のものや掘り上げておいた球根は、そのまま植えてしまうと急激に吸水して球根が腐ることがあります。そのため、植えつけ前に吸水処理をするのが理想的です。軽く湿らせたバーミキュライトに球根を埋めて、冷蔵庫で1週間程度保管します。または湿らせたキッチンペーパーで球根を包み、さらにビニール袋入れて冷蔵庫に1日入れてもよいでしょう。吸水期間中は球根が腐っていないか、1か月に1回ほど確認してください。吸水後、土に浅く植えつけます。
鉢植えの場合の手順
①鉢(またはプランター)に鉢底ネットを入れ、鉢底石を敷き、あらかじめ湿らせておいた土を入れます。土を自分でブレンドする場合は、元肥として緩効性化成肥料を混ぜておきましょう。
②土に穴を掘り、球根を地表から深さ2cmくらいのところに植えてから、土をかぶせましょう。プランターに植える場合は、15~20cm程度の間隔で複数株を植えます。
③土が乾燥しない適度に水やりをします。品種名や植えつけ日を書いたラベルを土に挿しておくと、わかりやすくて便利です。
地植えの場合の手順
①土に堆肥や緩効性化成肥料と、酸性土を中和させる有機石灰か苦土石灰を混ぜておきます。混ぜてから2週間以上置いたあと、球根を植えつけます。球根を複数植える場合は、15~20cm程度の間隔で植えつける穴を掘ります。穴は、球根が地表から深さ2~3cmくらいのところに埋まるように掘ってください。
②各穴に球根をひとつずつ植えましょう。
③土が乾燥しない適度に水やりをして、品種名や植えつけ日を書いたラベルを土に挿しておきます。
ラナンキュラスの育て方~種から始める~
種まき時期
ラナンキュラスの発芽適温は15℃前後。地域によって異なりますが、ヒガンバナが咲く頃(9月中旬から10月中旬)が種まきに適しています。
発芽のコツ
種はまく前に吸水させておくと、発芽しやすくなります。水を含ませたティッシュやコットンなどに種を挟み、冷蔵庫の野菜室などに1日程度入れておいたものをまいてください。
種まき方法
種は、素焼き鉢や育苗箱にまくのがよいでしょう。本葉が4~5枚程度になったら、鉢や花壇などに植え替えてください。
種まきの手順(鉢植え、地植え共通)
①鉢植えの場合は素焼き鉢などに鉢底ネットを入れて鉢底石を敷き、土を入れます。土を自分でブレンドする場合は、元肥として緩効性化成肥料を混ぜておきましょう。地植えの場合は、花壇の土に堆肥や緩効性化成肥料と、酸性土を中和させる有機石灰か苦土石灰を2週間以上前に混ぜておきます。
②10粒程度の種を、土の上に重ならないようにまきます。
③種の上に薄く土(5㎜程度)をかぶせ、風に飛ばされないようにしてください。
④日陰に置き、土が乾燥しない程度に水やりをします。
⑤通常は2週間ほどで発芽しますが、全体が発芽するのはさらに10日ほどかかります。発芽後は少しずつ日に当てていきましょう。本葉が4~5枚ほど出たら、鉢や花壇などに植え替えてください。
ラナンキュラスと仲よくなる日々のお手入れ
水やりのタイミング
多湿が苦手なラナンキュラスは、土が常に湿っている状態だと根が腐りやすくなります。鉢植えも地植えも、用土の表面が乾いたらたっぷり水を与えてください。夏の休眠時期に備えて、5月下旬に葉が黄色くなってきたら水やりの頻度を減らし、葉がすべて黄色になったら水やりを止めて土を完全に乾かします。なお、水やりは暖かい日の午前中に行ないましょう。
肥料の施し方
ラナンキュラスは開花時にたくさんの栄養が必要になります。鉢植えも地植えも、元肥と追肥に緩効性化成肥料を与えてください。冬の時期から花が咲いているのであれば、液体肥料も併せて、2週間に1回程度のペースであげましょう。なお、追肥は3月終わりぐらいに止め、葉の枯れ始めまでに肥料を少なくさせると、球根が腐りにくくなります。
花が咲き終わったら…
花が終わったら、早めに花がらや枯れ葉を摘み取ってください。こうすることで、日当たりと風通しがよくなり、病気を防げます。また、花が咲き終わるたびに葉の付け根部分(次の花芽の手前)で剪定すると、次の花が咲きやすくなります。
休眠時期で葉が完全に枯れたら、球根を掘り上げます。地植えは晴天続きで土が乾いているときに行ないましょう。
立派に育てるための、植え替え時期と方法
ラナンキュラスは球根から根と芽が出ますが、芽はひとつだけでなく複数出るのが一般的。ポットや鉢植えで育てていると、植え替えをしなければ根詰まりを起こすことがあります。葉が早く黄ばむようになったら、根詰まりを起こしているかもしれません。用土の劣化も生育悪化の一因になります。ポットや鉢から葉が溢れたり、一番花の小さなつぼみが見えてきたりしたら、植え替えのタイミングです。適期は、暖地では11月中旬~12月中旬、寒冷地では10月上旬から11月中旬になります。植え替え時は、根をなるべく傷めないように、根鉢を崩さすに植えましょう。
剪定について
「6.ラナンキュラスと仲よくなる日々のお手入れ」のところで紹介したとおり、ラナンキュラスは花が終わったあとに花がらや枯れ葉を摘み取り、花が咲き終わるたびに葉の付け根部分(次の花芽の手前)で剪定します。この作業以外の剪定は、特に必要ありません。
知りたい! ラナンキュラスの増やし方
分球と種の採取で増やすことが可能です。ただし、種の場合は親株と同じ花が咲かない可能性が高いので、同じ花を咲かせたいのであれば「分球」がおすすめです。
分球の時期と方法
分球に適しているのは、5月中旬~6月中旬です。以下、分球の方法を紹介します。
①葉が茶色くなったら、ラナンキュラスの株を抜いて球根を掘り上げます。
②茎を球根の付け根部分から手で折ります。絡まり合った塊根が折れないように、球根を手で分けます。このとき、細かく分けないようにするのがコツです。
③掘った球根は水洗いで土をきれいに落とし、風通しのよい日陰で新聞紙の上などに置き、3日程度天日干しします。
④しっかり乾燥したら、ネット袋などに入れて風通しのよい涼しい日陰に吊るし、次に植える秋まで保管しておきましょう。
⑤鉢植えの場合は鉢の中心に穴を掘り、球根を地表から深さ2cmくらいのところに植えてから、土をかぶせましょう。地植えは地表から2~3cmの深さで地中に球根を植えます。仕上げに、土が乾燥しない適度に水やりを与えてください。
種の採取の時期と方法
ラナンキュラスの種は、開花時期の3~5月から1~2か月ほどで収穫できます。種は直径5mm程度で、サヤがついた状態で採取し、天日で干してサヤからはずします。採取した種は、乾燥させてから紙袋に入れ、さらに乾燥剤入りの密封容器に入れて、冷蔵庫などの冷暗所で植えつけまで保管してください。
※種から育てる場合、親株が交配種なら、その株から採取した種を育てても親株と同じ花はあまり咲きません。ただし、今までにない花を育てられるおもしろさはあります。
毎日の観察が、トラブルや害虫を防ぐコツです
育てるときに注意したい病気
ラナンキュラスの原産地である西アジアからヨーロッパ南東部は、雨量が少なく乾燥ぎみの環境です。そのため、過湿や風通しが悪いところで育てると、灰色かび病などの病気にかかりやすくなります。また、土の水はけが悪くて常に湿った状態は、根腐れを招きます。植えつけ時は水はけのよい土壌にして、栽培中は水やりの頻度に気をつけましょう。基本的には、日当たりと水はけのよいカラッとした土壌で育ててください。
灰色かび病
カビが原因の伝染病で、花びらやつぼみ、葉、茎などに現れます。最初は褐色の斑で、腐敗、軟化するうちに、被害部位の表面に灰褐色のカビが発生します。4~11月の曇りや雨が続く湿度の高いときにかかりやすくなります。予防法は、花がらや枯れ葉をこまめに取り除き、日当たりと風通しのよい場所で管理することです。
育てるときに注意したい害虫
植物を栽培する際は、害虫駆除にも気を遣わなければなりません。ラナンキュラスにつきやすい主な害虫は、アブラムシとハモグリバエ。アブラムシは10~5月、ハモグリバエは3~5月に発生しやすいので、要注意です。
アブラムシ
春から秋の高温乾燥時期に発生しやすい害虫。一般的な植物では、新芽や葉裏などに寄生して栄養を吸い取り、生長を妨げます。ウイルス病を媒介したり、アブラムシの排泄物の上に「すす病」が繁殖して黒くなったりすることがあります。
寄生しているアブラムシを見つけたら、手袋をつけた手でつぶすか、ガムテープなどで貼りつけて取り除きます。虫が大量にいる場合は、薬剤を散布して駆除しましょう。
ハモグリバエ
ハモグリバエは、主に野菜や草花に寄生します。成虫は葉の組織中に卵を産み、ふ化した幼虫は葉の内部を進みながら、トンネル状に食害して成長していきます。葉に落書きのような白い線を見つけたら、幼虫が筋の先端にいます。葉の上からつぶしてしまいましょう。多数の葉にわたって白い線が増えてきたら植物の生育が悪くなるので、なるべく早めに退治してください。
ラナンキュラスの寄せ植えについて
ラナンキュラスの開花期間は3~5月と長く、他の春の花と寄せ植えしやすいのが魅力です。また、品種が多く、カラーバリエーションも豊富なので、植える花しだいでさまざまな雰囲気を楽しめます。たとえば、淡いパステルカラーのラナンキュラスを使えばやさしく甘い印象に、紫色やくすんだピンクなどシックな色合いのラナンキュラスを使えば大人っぽく仕上がります。
また、背丈が高く、まっすぐ伸びる植物と合わせて、すっきりスタイリッシュに見せたり、花をたくさん咲かせる同じくらいの背丈の植物と一緒に植えてブーケのようにアレンジしたりと、合わせる植物によってもデザインが変わります。
寄せ植えを上手にするコツは、ラナンキュラスと生育温度および開花時期がほぼ同じ植物を一緒に植えること。咲くタイミングが極端に異なると、寄せ植えならではの華やかさが演出しづらくなるからです。ただし、開花時期が同じ植物だけで寄せ植えすると、それ以外の季節(夏~冬)は花を楽しめません。他の季節に開花する植物も併せて、バランスよく入れると、年間を通して花を観賞できます。
以上を踏まえて、ラナンキュラスの寄せ植えで相性がよい植物をいくつかピックアップしてみました。
・アネモネ
・アリッサム
・イベリス
・チューリップ
・デイジー
・ネモフィラ
・パンジー
・ビオラ
・ワスレナグサ
豪華でかわいらしいラナンキュラスの花を暮らしのなかに取り入れれば、きっと気持ちも華やぐはず。ぜひ、栽培にチャレンジしてみませんか?
構成と文・白神雅子
Credit
監修 / 矢澤秀成
やざわ・ひでなる/園芸研究家、やざわ花育種株式会社・代表取締役社長
種苗会社にて、野菜と花の研究をしたのち独立。育種家として活躍するほか、いくとぴあ食花(新潟)、秩父宮記念植物園(御殿場)、茶臼山自然植物園(長野)など多くの植物園のヘッドガーデナーや監修を行っている。全国の小学生を対象にした授業「育種寺子屋」を行う一方、「人は花を育てる 花は人を育てる」を掲げ、「花のマイスター養成制度」を立ち上げる。NHK総合TV「あさイチ」、NHK-ETV「趣味の園芸」をはじめとした園芸番組の講師としても活躍中。
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