カモミールはハーブの中でも、よく知られる人気の花のひとつです。その歴史は古く、4000年も前から薬草として用いられていました。ここではカモミールを育てる際の日々のお手入れから、育て方のコツ、寄せ植えの楽しみ方までを紹介します。NHK『趣味の園芸』などの講師としても活躍する、園芸研究家の矢澤秀成さんにお聞きしました。
目次
カモミールを育てる前に知っておきたいこと
カモミールと呼ばれる植物はいくつかありますが、その中でも代表的なものがジャーマン・カモミールとローマン・カモミールです。ジャーマン・カモミールはヨーロッパから中央アジア、中国、朝鮮半島などを原産とし、ローマン・カモミールは西ヨーロッパ、北アフリカなどに分布します。日本ではジャーマン・カモミールをカモミールと呼ぶことが多いようです。
見た目も育て方も似ていますが、ジャーマン・カモミールが一年草なのに対し、ローマン・カモミールは多年草のため数年ごとの植え替えが必要です。
カモミールの基本データ
学名:Matricaria recutita(ジャーマン・カモミール)/Chamaemelum nobile(ローマン・カモミール)
科名:キク科
属名:シカギク属(ジャーマン・カモミール)/ローマカミツレ属(ローマン・カモミール)
原産地:ヨーロッパ、中央アジア、中国東部モンゴル、朝鮮半島(ジャーマン・カモミール)西ヨーロッパ、北アフリカ(ローマン・カモミール)
和名: カミツレ
英名:German chamomile(ジャーマン・カモミール)/Roman chamomile(ローマン・カモミール)
開花期:3〜6月(ジャーマン・カモミール)/5〜6月(ローマン・カモミール)
花色:白
発芽適温:15〜20℃
花もち:基本的には1日で、2〜3日もつものもある。
カモミールは風通しが良く乾き気味の環境を好み、鉢植えでも地植えでも育てることができます。地植えにすると自然に種が落ちて、そこから生える「こぼれ種」で増えていくので、群れをなして美しい白い花を咲かせるのを見ることもできます。
苗や種は、ホームセンター、園芸店、街のフラワーショップなどで市販されています。キッチンハーブとして人気があり丈夫で育てやすいため、ハーブの育成キットとして雑貨店などで購入できることもあります。苗はすぐに楽しめるメリットがありますが、種から育てるのもさほど難しくありませんので挑戦してみるのも良いでしょう。
ハーブティーとして飲むと、少しりんごに似た甘くやさしい味がして、不安、ストレス、炎症、鎮静、胃弱などに効果があります。ただし、妊娠中の人やキク科の植物にアレルギーのある人は飲用や使用を避けましょう。
種類を知ると、選び方がわかります
カモミールは大きくジャーマン・カモミールとローマン・カモミールに大別されますが、日本ではドイツから入ってきたジャーマン・カモミールを一般にカモミールと呼んでいます。それぞれの特徴を見てみましょう。
ジャーマン・カモミール
上に伸びる直立性の一年草で、よく枝分かれしながら60㎝ほどの高さまで育ちます。葉には香りがなく、花の部分をハーブティーとして用いるのが一般的です。春と秋に種をまくことができ、3〜6月に開花、収穫をすることができます。黄色の中心部が盛り上がってきた時が収穫期です。白い花弁が反り返って下向きになる前に収穫するとよいでしょう。開花期が長く初心者でも育てやすい花です。
ジャーマン・カモミールの園芸種には、コシカギク(オロシャギク)、ダイヤーズ・カモミールなどがあります。コシカギクは花と葉がパイナップルのような香りがし、15~30㎝くらいの丈で空き地や道端などで雑草化している株を良く見かけます。ダイヤーズ・カモミールは和名をコウヤカミツレといいますが、イエロー・カモミール、ゴールデン・マーガレットなどとも呼ばれています。長い茎の先に6〜7月に黄色い花を一輪咲かせます。レース状になる葉も特徴のひとつです。
ローマン・カモミール
ジャーマン・カモミールよりもやや大きめの花で、葉や茎にも香りがあります。枝分かれはあまりせず、茎の先に花をひとつだけつけるのも、ジャーマン・カモミールと見分ける特徴です。横に広がりながら成長し、花が開いてもジャーマン・カモミールほどは中心部が盛り上がりません。じょうぶで育てやすく、一緒に植え付けた植物の病害虫を防ぐなどの効果があるコンパニオンプランツとしても知られています。ハーブティーとしても飲用できますが、ジャーマン・カモミールよりも苦味があります。
代表的な園芸種には、ダブルフラワー・カモミールやノンフラワー・カモミールなどがあります。ダブルフラワー・カモミールは花が八重咲きになり、香りも一重のものよりも甘い感じです。ヨーロッパではハーブティーにすることが多い種類です。ノンフラワー・カモミールは、名前のとおり花を咲かせません。ゆっくりと成長し、丈も10㎝ほどまでしか伸びませんが、香りが強く日陰でも栽培できます。刈り込む必要がないため、芝生のようなグランドカバーで使用することもできます。
カモミールを育てるときに必要な準備は?
店頭には3〜5月ごろ、ポットに入ったカモミールの苗が並びます。それを買ってきて育てるのが一番手軽ですが、自分で種をまいて育てるのもさほどむずかしくありません。種を直接地面にまいて育てることもできますが、苗床(*1)で育ててから植え替えるほうが生育もよくなります。冬以外ならいつでも種をまいてかまいませんが、秋にまいておけば次の年に大きな株にすることもできます。
(*1)苗床(なえどこ)……種をまいて苗の状態になるまで育てるところ。
準備するもの
・カモミールの苗または種
・鉢または横長プランター *鉢植えの場合
・鉢底ネット *鉢植えの場合
・ラベル
・土
・肥料
・スコップなどの土入れ
・ジョウロ
適した土作りが、育てるコツの第一歩
カモミールを育てるには、水はけの良い土を選ぶことが大切です。
鉢植えの場合は、市販されているハーブ用の培養土でも構いません。自分でブレンドするなら、小粒の赤玉土に腐葉土を混ぜて、水はけをよくすると良いでしょう。赤玉土(小粒)6:腐葉土3:パーライト(小粒)1程度の割合がおすすめです。
カモミールは酸性の土が苦手なため、地植えにする場合は、庭の土を少し掘り返し、苦土石灰を混ぜ、土の酸性度を弱めておきます。腐葉土も加えて混ぜておくと、水はけが良くなりますのでおすすめです。土をよくすき込んでやわらかくしておきましょう。
カモミールの育て方にはポイントがあります
カモミールの花をたくさん咲かせるには、日当たりの良い場所に置くようにします。ただしカモミールには耐暑性がないため、夏の暑さには注意が必要です。鉢植えなら涼しい場所に移動できますが、地植えの場合は簡単に移動ができないので、夏に直射日光が当たる場所には植えないようにしましょう。夏は明るい日陰に置くのがベストです。
また、カモミールは繁殖力が強く、繁茂しやすい植物です。特に夏は蒸れやすくなります。プランターでも地植えでも、苗を植え付ける時には、苗と苗の間を20〜30㎝ほど開けて植えるようにしましょう。種を土に直まきした時も、芽が出たら間引きして間隔を開けるようにします。
カモミールの育て方 〜苗から始める〜
苗の選び方と植え付け時期
苗はビニールポットに入って売られています。まずは色つやの良い葉がたくさんついていて、全体的にいきいきと元気のあるものを選びましょう。ポットを持ち上げてみて、根元にぐらつきがないかも確認します。根元からたくさんの葉柄が伸びていて、新芽も出ているものがベストです。葉のつき方がまばらだったり、茎だけがヒョロヒョロと間伸びしたりしているものは避けましょう。葉が変色していたり、あきらかに弱ったりしているものは病気の可能性があります。
植え付けに最適な時期は3月中旬〜5月と9月中下旬〜10月。ジャーマン・カモミールは11月ごろまで植え付け可能です。ビニールポットに入った苗は、入手したらすぐに植え付けましょう。
鉢植えの植え付け方法
鉢はビニールポットよりもひと回り大きな鉢を用意します。土はハーブの培養土でも自分でブレンドしたものでも構いません。肥料分の含まれていない土には、緩効性の化成肥料を元肥として混ぜておきましょう。ひとつのプランターに複数の苗を植え付ける時は、最低でも20㎝ほどの間隔を開けるようにします。
① 鉢穴をふさぐように鉢底ネットを入れます。
② 鉢に水はけのよい新しい土(ハーブの培養土など)を鉢の4分の1ほど入れます。
③ ビニールポットから抜いた苗は土を崩さずに、新しい土を入れた植え付け用の鉢に置きます。
④ 鉢に土を加え、土を軽く手で押さえながら、鉢の上部2㎝のところまで土を入れます。
⑤ 種名と植付け日を記載したラベルを挿し、鉢底から水が流れ出すまでたっぷり水をやります。
地植えの植え付け方法
地植えの場合は、庭の土をよく耕して、苦土石灰と腐葉土を混ぜ込み、水はけがよくなるようにしておきます。複数の苗を植え付ける時は、20〜30㎝ほどの間隔を開けます。
①庭の土を直径、深さとも30㎝ほど掘り返し、苦土石灰と腐葉土を混ぜてよく耕します。
②元肥として緩効性の化成肥料を土に混ぜます。
③苗を置き、周囲の土の高さよりも高くなるように植え付けます。
④種名と植付け日を記載したラベルを挿し、水をやります。
植え付けが周囲の土よりも低くなっていると、水が溜まりやすくなり過湿状態になってしまうことがあります。土を盛って少し高めに植え付けましょう。元肥に有機性肥料を使う場合は、植え付けの2~3週間前に土に混ぜておくと、植え付けた時にちょうどよく肥料分を吸収することができます。
カモミールの育て方 〜種から始める〜
種まきの時期
種まきは、3月中旬〜4月の春と9月中下旬〜10月の秋に行うことができますが、春は開花までの期間が短いため、秋にまくほうが株も大きく育ち、花をたくさんつけてくれます。
種まき方法
カモミールの種は小さく細かいので、風で飛ばされたり、水やりで流れたりしないように注意しましょう。土は肥料分の入っていない種まき用の専用土を用意します。苗床用の容器は、平鉢のような背の低いものがあると良いでしょう。いちごパック、たまごパック、2ℓのペットボトルを横にカットしたものなどに、底穴を開けたものでも十分です。
①容器に土を4〜5㎝の高さまで入れ、霧吹きなどで水をやり湿らせておきます。
②種をばらまきし、指で軽く押さえ土となじませます。カモミールは、発芽に光が必要な植物です。厚く覆土をすると発芽しませんので、覆土は薄くするか、行わないようにします。
③土が乾いたら霧吹きで水やりをします。容器の受け皿に水を張り、鉢底から水を吸わせる底面給水でもかまいません。
④2週間ほどで芽が出てきます。双葉が触れ合わない程度に間引きます。本葉が1~2枚出て来たら、わりばしなどで根元を優しくほぐし、出来る限り根を切らないようにそっと持ち上げて、3号のビニールポットに植え替えます。
⑤ビニールポットで、3〜4週間ほど管理し、しっかりとした苗になってきたら、鉢や庭に植え付けます。
苗床ではなく、最初から鉢や庭に直まきした場合は、芽が出てきた時に間引きして、将来成長した株同士が混みすぎないようにします。
カモミールと仲よくなる日々のお手入れ
カモミールの水やりのタイミング
ジャーマン・カモミールは、鉢土の表面が乾いたらたっぷり水を与えます。鉢底から水が流れ出るまでやりましょう。ローマン・カモミールは根腐れを起こしやすいので、やや乾燥気味に管理するようにします。どちらも乾燥する時期は、葉水を与えてハダニの発生を予防します。
地植えの場合は、基本的に水やりは必要ありませんが、夏の晴天が続くときなどは、早朝に水やりをします。
カモミールの肥料の施し方
カモミールは植え付けの際に元肥を施します。ジャーマン・カモミールは春先に一度、リン酸分の多い速効性の液体肥料を施します。ローマン・カモミールは、花の収穫や刈り込みのあとに、規定の半分に薄めた速効性の液体肥料を水やりと一緒に与えます。
カモミールの花が咲いたら…
フレッシュなカモミールを利用したい場合は、開花したらすぐに収穫します。汚れや虫が付いていることもあるので、振り洗うようにして水洗いしておきましょう。収穫したものを保存する場合は、ザルなどに入れて風通しの良い日陰で乾燥させます。ときどき裏返したり天日に当てたりして、十分に乾燥させましょう。乾燥させたものは、食品保存袋に密封して冷蔵保存します。1年を目安に使い切りましょう。十分に乾燥していないとカビが出るので、注意してください。
立派に育てるための、植え替え時期と方法
ジャーマン・カモミールは一年草のため植え替えはしません。ローマン・カモミールの鉢植えは、根がいっぱいになりやすいので、1年に1〜2回植え替えましょう。植え替えの適期は、3月中旬〜4月と9月中下旬〜10月です。植え替えは次のような手順で行いましょう。
①新しい鉢の鉢穴をふさぐように鉢底ネットを入れます。
②鉢に水はけのよい新しい土(ハーブの培養土など)を鉢の4分の1ほど入れます。
③鉢からカモミールを抜き、手で根の下の方についた古い土を少し崩します。黒く変色した傷んだ根はハサミでカットして取り除きます。
④土を入れた新しい鉢にカモミールを置きます。
⑤鉢に土を加え、鉢と根の隙間にも土が入るように棒などでつついて土を入れ込みます。この時、つついた棒で根を傷めないように注意しましょう。
⑥ 鉢の上部約2㎝のところまで土を入れ、鉢底から水が流れ出すまでたっぷり水をやります。
剪定を行うときは、時期に注意しましょう
カモミールの場合は、蒸れを防ぐために刈り込みを行います。花の収穫を終えたら、本格的な夏が来る前に、草丈10㎝ほどに刈り込みます。このとき必ず下葉が残る様に刈り込みます。ローマン・カモミールは、葉や茎にも香りがありますので、刈り込みでカットした茎や葉はネットに入れて入浴剤などにすると良いでしょう。
知りたい! カモミールの増やし方
ジャーマン・カモミールは種をとって毎年種をまくことで楽しめます。ローマン・カモミールは挿し木や株分けで増やすことができます。
種の採取の時期と方法
育てているカモミールから種を取る場合は、花が咲いた後も収穫せずに、種ができるまでそのままにしておきます。中央の黄色い部分がとんがったように盛り上がってきたら種ができた証拠です。花弁が枯れて中心部の黄色が茶色くくすんで来たら収穫の時期です。花茎から切り取り、新聞紙の上で乾燥させます。しっかり乾燥させてから、花を軽く揉むと細かい種が落ちてきます。
挿し木の時期と方法
3〜4月と10月がカモミールの挿し木の適期です。水差しも可能ですが、水挿しの根は土挿しに比べ軟弱になるため、土に挿すことをおすすめします。
①横に伸びている元気な茎を10〜15㎝の長さに切ります。
②下のほうについている葉を落とし、水で湿らせた土に挿します。土は挿し木専用培養土(肥料分を含まない)を使いましょう。土に挿すときは、わりばしなどで土に穴を開けてから挿すと挿し穂を傷めません。土に挿したら、土を軽く押さえて挿し穂を固定します。
③明るい日陰に置き、土の表面が乾いたら水やりをします。
挿し木から2週間ほどで根が出てきます。挿し木から4~5週間ほどで根がはり、芽も動き始めますので、3号ポットに鉢上げしましょう。その後は生育するにしたがって植え替えをしていきます。
株分けの時期と方法
生育しすぎて鉢とのバランスが悪くなったり、鉢底から根が飛び出したりしてしまったら、植え替えをするタイミングで、株分けも行いましょう。適期は植え替えと同じで、3月中旬〜4月と9月中下旬〜10月です。
①鉢からカモミールの株を抜き、土を半分ほど落とします。
②手を使って、根っこから株を2〜3に分けます。手で分けにくいときは、ハサミでカットします。
③植え付ける鉢の鉢穴をふさぐように鉢底ネットを入れます。
④鉢に水はけのよい新しい土(ハーブの培養土など)を鉢の4分の1ほど入れます。
⑤土を入れた鉢に株分けしたカモミールを置きます。
⑥鉢に土を加え、鉢と根の隙間にも土が入るように棒などでつついて土を入れ込みます。この時、つついた棒で根を傷めないように注意しましょう。
⑦鉢の上部約2㎝のところまで土を入れ、鉢底から水が流れ出すまでたっぷり水をやります。残りの株も同じように植え付けます。
毎日の観察が、病気や害虫を防ぐコツです
育てるときに注意したい病気
カモミールの病気は少ないですが、春〜秋まで気温が高くなってくるとうどんこ病が発生することがあります。
うどんこ病
うどん粉をまぶしたように生える白いかびです。葉、茎、花などに発生し、ほおっておくと生育不良で枯れてしまうこともあります。初期のうちに専用の薬剤で処置しておきましょう。
農薬の有効期間と収穫時期が重ならないように注意しましょう。事前に農薬の注意事項を確認してから農薬を散布しましょう。
育てるときに注意したい害虫
害虫では、アブラムシ、ハダニに注意しましょう。風通しが悪いと発生しやすくなります。特に、初夏〜初秋にかけては害虫が出やすいため、鉢のまわりや鉢底を確認し、見つけたらすぐに駆除しましょう。
アブラムシ
2〜4mm程度の虫です。茎や花から養分を奪い生育を妨げます。春暖かくなったら、粒状の浸透移行性殺虫剤を1カ月に1回、株元に置いて予防します。ついてしまったら、即効性のあるスプレー式の浸透移行性殺虫剤で駆除します。農薬の有効期間と収穫時期が重ならないように注意しましょう。事前に農薬の注意事項を確認してから農薬を散布しましょう。
ハダニ
黄緑や赤色の0.5mm程度の虫で、気温が高く風通しが悪いとつきやすくなります。ハダニは葉の裏から養分を吸い取り、無数の白い斑点をつけます。水に弱いので、毎日、霧吹きで葉に水をかけると予防できます。ハダニを発見したら、シャワーのような勢いのある流水を葉の裏にかけると駆除できます。大量についた場合は、即効性のあるハダニ駆除の殺虫剤を散布しましょう。こちらも、農薬の有効期間と収穫時期が重ならないように気をつけてください。事前に農薬の注意事項を確認してから散布しましょう。
カモミールと相性のよい寄せ植えの植物は?
ハーブだけを植え付けたハーブガーデンのように、ほかのハーブと一緒に寄せ植えすると、さわやかなうえに、料理やハーブティーなどに使えて実用的です。
カモミールはティーとして楽しむことが多いため、同じようにティーに使えるハーブと一緒に寄せ植えしてはいかがでしょうか。ステビア、レモングラス、レモンバーベナ、レモンバームなどがあります。
またカモミールは、アブラナ科の植物と一緒に植えるとお互いの生育がよくなると言われています。アブラナ科のハーブには、サラダに使えるクレソンやルッコラなどがあります。
オレガノ、セージ、タイム、ミント、ラベンダー、ローズマリーなどはそれぞれの性質が強いため、カモミールとの寄せ植えには向いていません。特にミントとローズマリーは繁殖力が非常に強いため、カモミールがすぐに枯れてしまいます。
収穫したてのフレッシュなカモミールでより香り高いティーを淹れたり、ローマン・カモミールの葉や茎をネットに入れて入浴剤にしたりしてもいいでしょう。愛らしい小花は、自家製スイーツの飾りなどにもおすすめです。自分で育てれば、楽しみ方もいろいろです。
Credit
監修/矢澤秀成
園芸研究家、やざわ花育種株式会社・代表取締役社長
種苗会社にて、野菜と花の研究をしたのち独立。育種家として活躍するほか、いくとぴあ食花(新潟)、秩父宮記念植物園(御殿場)、茶臼山自然植物園(長野)など多くの植物園のヘッドガーデナーや監修を行っている。全国の小学生を対象にした授業「育種寺子屋」を行う一方、「人は花を育てる 花は人を育てる」を掲げ、「花のマイスター養成制度」を立ち上げる。NHK総合TV「あさイチ」、NHK-ETV「趣味の園芸」をはじめとした園芸番組の講師としても活躍中。
構成と文・ブライズヘッド
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