数株で素敵に! 夏のシンプル寄せ植え&コーディネート【黒田健太郎さんに学ぶLesson5】
一鉢で気軽にガーデニングが楽しめる寄せ植え。玄関先やベランダなど地植えができない場所を華やかに演出する寄せ植えは、たくさんの種類を使わず、たった数株だけでも素敵に仕上げることができます。ここでは、艶やかで美しい寄せ植えづくりで定評のある「フローラ黒田園芸」の黒田健太郎さんに、グリーンのみを使った寄せ植えのとっておきの技と見応えを高めるコーディネートをご紹介いただきます。
目次
暑さを逆手にとって
瑞々しさを楽しむ夏の寄せ植え
初夏に植えた草花が、にぎやかに盛りを迎えている真夏の庭。ちょっとひと休みの感がある季節です。この時季に新たに寄せ植えをつくるとしたら、観葉植物を取り入れたグリーンの寄せ植えがオススメ。今回は、“長期間楽しめる、涼しげな真夏の寄せ植え&シーンづくり術”を黒田さんに教えていただきました。
寄せ植えづくりに使う
道具と用土・植物を用意する
【使う道具と用土】
器、土入れ、鉢底ネット
培養土、鉢底土(赤玉大粒)、緩効性肥料
【植える植物】
後ろ左から時計回りに/カラジューム2種、ペペロミア‘真亜子’、人字草‘ショコラ’、ペペロミア‘デピーナ’
寄せ植えづくり、スタート!
今回は、ブルーのカップ型の器を使って、グリーンをたっぷり植え込んでいきます。
【寄せ植えの手順】
- まずイメージする並びに苗を仮置きして、それぞれの広がり方や全体のバランスなどを確認する。植え直しを避けるため、必ず行うこと。
- 鉢底ネットを敷いたら、大玉の赤玉土を鉢全体の1/5程度の高さまで入れる。
- 配合した用土を、3/5程度の高さまで入れる。
- 緩効性肥料を軽くひと握り、土に混ぜる。
- ペペロミア‘デピーナ’の根鉢を丁寧に割って2株にし、土を軽く落とす。
- 鉢からつるがあふれ出るようなイメージで、倒し気味にしながら植えていく。利き手とは反対側のスペースから植え始める(右利きの場合は左側から)。
- ペペロミア‘真亜子’も同じように2分割にする。
- ペペロミア‘デピーナ’となじむように、根鉢を外側に倒し気味に入れ、すでに入っている土を根元に寄せる。
- 茎の線が細いほうのカラジュ―ムの根鉢をポットから出し、土を極力落とす。
- 鉢の中央からやや左になる位置に、斜め左前に倒し気味に植え、土を寄せる。
- 根鉢の土を落とした人字草‘ショコラ’も前に倒し気味に植え、残りのペペロミア‘真亜子’を加える。
- がっしりとしたほうのカラジュームも極力土を落とし、後ろ中央に気持ち前に倒し気味に植える。
- 植物全部を植え終わったら鉢を軽くゆすり、指で土を軽く押してなじませる。土が不足しているようなら、土入れで少しずつ適量加えて完了。
- 背面。フラワーアレンジメントのように、きれいな扇状に広がっている。
- 土がついた手を洗ってから、全体のバランスを整える。
【完成!】
縦長のカップ型のコンテナに植えた、フラワーアレンジメントのようなフォルムの寄せ植えです。小さいアレンジですが、カラジュームの広葉でボリュームを出しながら、ペペロミアのツルで広がりを出したことで、見応えのある一鉢に仕上がっています。
合わせる小物にもこだわって、
最高のシーンを演出!
カラジュームの葉が薄く、コンテナも小さめなので、真夏の直射日光が当たらない場所で管理します。ベランダや軒のある玄関ポーチなどのワンコーナーをインテリアのように飾って楽しみましょう。
今回のコーディネートのポイントは、白斑に緑の葉脈が美しく入るカラジュームの葉を際立たせること。単に周りを暗くするのでなく、明暗を上手に取り入れて主役を引き立てます。コンテナのアンティークな趣が全体に渋い印象を与えがちですが、部分的にカジュアルな要素を加えていることで、落ち着いた雰囲気に若々しさも感じられるシーンに仕上がっています。
一緒に飾ったアイテムをクローズアップ
グリーンにペイントしたコーナーにテーブルを置いて、コーディネート。アレンジはテーブルの中央に配し、両側を極力すっきりさせてシンプルなデザインを際立たせました。左右で盛り込むものやボリュームに絶妙なバランスで変化をつけています。
【右からショット】
【左からショット】
【グリーン】
硬さ・重さなどが相反するタイプの2種のシダを、左右に配しました。
左/ほぼ単一で置いたタマシダは重くて硬い印象で、オーナメンタルな存在感を発揮。頼もしい脇役となっています。
右/ボックスの中には、主張しすぎない軽やかな印象のダバリア(西洋シノブ)を活用。
【紙もの】
室内の雰囲気づくりには、本やハガキ類が活躍してくれます。イメージに合うデザイン・大きさのものを選んで。
左/タマシダの背後に絵ハガキを下げて、タマシダが壁に同調しすぎてしまうのを防いでいます。
右/ウッドボックスに数冊の本を合わせて。青×黄の爽やかな色合わせが、寄せ植えを引き立てながら涼しさをプラス。
【ドライフラワー】
観葉植物の瑞々しさと対極にあるドライフラワーとの落差を利用して、寄せ植えの艶やかさを引き立てています。寄せ植えが縦のラインを感じさせるデザインなので、小さい丸い実を合わせて、ドットのデザイン要素をプラス。
左/ゲットウ、ノバラ、シュロの実。摘んだものがしばらく置かれたままのような、無造作感を出して置くことがポイント。
右/チーゼル、スターリンジャー、アガベ(奥)。枯れたアガベの株が、どことなく重厚感を添えて。
健太郎さんの
寄せ植えをつくる時の
最重要ポイント、ひとことアドバイス
縦にすっと伸びるカラジュームは、必ずしも茎を立てて使う必要はありません。特に線が細いタイプは横に倒すようにして植えると、アレンジに動きが出たりワイルドさが加わったりします。植物に無理がないことが大切ですが、型にはまらず、いろいろな楽しみ方を試してみて。
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