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おしゃれでフォトジェニックな菜園‘キッチンガーデン’を作ろう!

おしゃれでフォトジェニックな菜園‘キッチンガーデン’を作ろう!

Del Boy/Shutterstock.com

キッチンガーデンはイギリスのガーデンスタイルの一つで、食べることを目的とした野菜や果物を栽培しながらも、美しくデザインされているのが特徴です。見た目にこだわって、おしゃれに野菜を育てて美味しくいただきましょう。

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キッチンガーデンとは

キッチンガーデンは「台所用のお庭」という意味。野菜やハーブ、果物など料理に使う植物を育てるためのガーデンのことです。フランスでは「ポタジェ」とも呼ばれています。日本では家庭菜園に近いイメージですが、キッチンガーデンやポタジェの特徴は、食べることを目的として栽培しながらも、野菜や果物がとても美しく仕立てられているところにあります。色や形、大きさを考えながら、さまざまな野菜が混植され、ときにはアーチやオベリスク、カラフルな支柱などを使って立体的に仕立てられ、花の庭に勝るとも劣らない美しさと面白さがあります。

カラフルでおしゃれ!フォトジェニックな野菜たち

カラフル野菜
Shebeko, siraphat, Jenny Sturm/Shutterstock.com

意識して見てみると、野菜にはカラフルで個性的なものがたくさんあります。赤やピンク、黄色など鮮やかな茎の色が美しいのはスイスチャード(画像左下)。真冬を除けば季節を問わず栽培できるため、ヨーロッパのキッチンガーデンでは定番の葉野菜です。ビート(画像右)という根菜を葉野菜として改良したもので、サラダや炒め物などに使われます。

また、「エアルーム品種」と呼ばれる野菜は、ビジュアルも味も驚くほど個性豊か。画像左上は、エアルーム品種のトマトですが、「赤くて丸い」だけじゃないトマトがいっぱい! 面白いのは見た目だけではありません。エアルーム品種は、その土地で何世代にも渡って良質な品種が選抜されてきた固定種。自然の気候風土と結びついた強さを持ち、気候変動への対応力にも優れ、オーガニック栽培で育てやすいのも魅力です。海外では「エアルーム品種」といえばそのままオーガニックを指し、食への関心が高まる昨今、注目を浴びている野菜です。

美しく効率のよいレイズドベッド

キッチンガーデン
Del Boy/Shutterstock.com

海外のキッチンガーデンには、枕木やレンガなどでいくつかの花壇をつくり、その中で異なる複数の野菜を育てるスタイルをよく見かけます。栽培土壌を地面レベルから上げて高く設定する方法は、「レイズドベッド」というガーデニングの手法の一つですが、整理されて美しく見えると同時に、野菜を育てるうえで合理的な利点がいくつもあります。

まず、通路と栽培エリアがはっきり分けられているため作業がしやすいこと。そして、風通しがよく病虫害を招きにくいこと。地面からほんの15cm上がっただけでも、風の抜け方はよくなります。さらに、「輪作(りんさく)」がしやすいこと。野菜は連続して同じ場所で育てると、病虫害にかかりやすくなるものがあります。これを連作障害(れんさくしょうがい)といいますが、ナスなどは一度植えたら4〜5年は同じ場所に植えることができません。連作障害を招かないように、栽培エリアを転々と変えていくのを「輪作」といいますが、レイズドベッドは年ごとに一箇所ずつずらしていけばよいので、輪作がしやすいという利点があります。

コンパニオンプランツを利用しよう

キッチンガーデン
Del Boy/Shutterstock.com

人に相性があるのと同様に、野菜にも相性があるのをご存じですか? 一緒に植えるとよく育ったり、病虫害を防いでくれたりする植物を「コンパニオンプランツ」と呼びます。上の写真で野菜の周りを囲んでいる花もその一つ。クリームイエローの花は、マリーゴールド。線虫という植物に寄生して栄養分を吸い取る虫を防除する役目を果たします。赤い花はゼラニウム。これもコンパニオンプランツです。また、野菜同士でも混植すると互いの成長を助け、よく育つものがあります。代表的なのは、トマトとバジル。お皿の上でもしばしば共演しますが、育つうえでもとても相性のよいカップルです。家庭菜園を海外のキッチンガーデンのようにおしゃれにする作り方の一つは、写真のように、プランターごとに一種類の野菜を整列させて植え、周囲にコンパニオンプランツの花で彩ると、畑とは違う雰囲気になります。また、野菜一種類とコンパニオンプランツ2種だけなら、スペースが限られたベランダでもおしゃれな雰囲気が演出できます。

子どもと一緒に育てよう

キッチンガーデン
Rawpixel.com/Shutterstock.com

キッチンガーデンは子どもの季節感を養い、食への関心を高めるのに最適です。ぜひお子さんと一緒に、キッチンガーデンをつくってみませんか。自分たちの手で育て、成長過程を見守った野菜をいただく喜びはひとしおです。たとえうまくできなかったとしても、プロの農家の技術がいかに素晴らしいかを実感することができます。育てやすく、比較的すぐ収穫が楽しめるのは、ハツカダイコン、ミニトマト、ミニニンジン、イチゴなどです。

水やりに必須のジョウロや植え付けに使うシャベルなどの道具もカラフルでおしゃれなものを用意すれば、お手入れも楽しく、たとえ出しっ放しでも絵になります。ぜひ、我が家流キッチンガーデンをおしゃれに仕上げてください。

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