【プロ必見!】雑草抜きをしなくて済む新しいガーデン施工「ノンストレスガーデン工法」
抜いても抜いても雑草が生えてきて、もう草取りにうんざり! という方に朗報です。面倒な草取りの苦労をなくし、好きな植物の栽培にだけ専念できる新しいガーデン施工の方法があります。あるバラ園ではこの工法により、除草メンテナンス費を1/10にまで削減。造園家の阿部容子さんが所属するかたくり工房が開発した、草取りのいらない画期的な庭づくりのシステムをご紹介します。
目次
雑草を取るのが庭仕事のメインになっていませんか?

ガーデニングのなかで、雑草取りに時間と労力をかけていませんか。植物が好きで、四季折々に花が移り変わる様を楽しみにしていたのに、実際は雑草取りに最も時間を費やしているというケースが多々あります。「こんなはずじゃなかったのに…」「もうコンクリートで埋めてしまおうかな」と庭づくりを諦めようとしている方、ちょっと待って!

雑草取りのストレスをなくし、植物の植え込みや植え替えなど、ガーデニングの楽しい部分にだけ専念できる新しい庭づくりの工法があります。それがノンストレスガーデン工法。その解説の前に、庭をコンクリートで埋めてしまうことのリスクをお話しします。
庭をコンクリートで埋めてしまうリスク

コンクリートで覆われた地面は、真夏の日射で表面温度が60℃近くまで上がることも珍しくありません。日射を受けた地面からは赤外放射という熱が発せられ、外気温が30℃でも体感温度は40℃にも上がってしまうのです。さて皆さん、2022年は群馬県伊勢崎市で6月に40℃を超えました。2023年も例年と同じか、それ以上の猛暑が予想されています。地面からの赤外放射がある場合、気温プラス10℃が体感温度だとすると、猛暑日の体感温度は50℃以上。もちろん、外がそんな高温になっていれば室内の冷房効率もとても悪く、電気代に加えCO2排出量も無駄に上がってしまいます。そしてもう一つ残念なことに、コンクリートが経年劣化で亀裂が入ると、そこから雑草が生えてきます。
ノンストレスガーデン工法で庭づくりをもっと楽しく
草取りから解放されるために、庭をコンクリートで埋めてしまうよりも、もっとずっと屋外空間を有意義に使う方法がノンストレスガーデン工法なのです。ノンストレスガーデン工法は、かたくり工房が開発した、雑草が生えない造園工法。育てたい植物だけを育てることができ、雑草取りの苦労を背負う必要がありません。工法の概要は以下の通りです。


- 最初に雑草が生えないよう土壌処理をし、ノンストレス工法のための排水整備を行います。
- 植栽する植物がきちんと育つよう土壌改良を施します。
- 防草シートを全面に敷き、あらかじめ決めておいた植栽部分にだけ穴をあけて植物を植え込みます。
- 防草シートの上に自然素材のマルチング材をかぶせて、防草シートが敷いてあるとは分からない、自然な庭の風景に仕上げます。
マルチング材の上に外から雑草のタネが飛んできて発芽したとしても、防草シートに阻まれて、その下の地面にまで根を伸ばすことができません。根っこはシートに張り付いた状態なので、ペリペリッとはがして簡単に除草することができます。


この工法を考案したかたくり工房の阿部容子さんは、この工法で重要なのはディテールの処理の仕方と、植物を熟知していることだと話します。
「雑草の生命力は驚くべきもので、防草シートを敷いたあとの端の処理が悪いと、ほんのわずかな隙間からも生えて、無意味になってしまいます。また、植栽部分にあける植え込み穴の大きさやあけ方、留め方も重要です。生育するとどのくらいの株張りになるのか、根の張り方、生育経過、株元の形状など、植物一つひとつの生育の特徴や手入れの仕方によって、細かに変えているんです。この植え穴が適切でないと、植物が健全に育たなかったり、植物の生育によってシートが破れ、そこから結局雑草がはびこってしまったりして、全く意味のないものになってしまうからです」
また、防草シートやマルチング材にも複数の選択肢があるため、庭の地形や雰囲気に合わせて、適したものを選びながら施工していると言います。

阿部さんは、ぜひこの工法を日本の造園界に広めて、草取りに悩まない庭を増やしたいと考えています。ガーデンストーリーでは、プロの造園、エクステリア業者様向けに「ノンストレスガーデン工法施工セミナー」を開催予定です。興味のある方は、以下のメールにてお問い合わせください。別途ご案内申し上げます。
info@3andgarden.com


雑草畑にならないようにと、庭をコンクリートで固めてしまったり、庭づくりをあきらめてしまおうかと考えている人の前に、新たな道を示す「ノンストレスガーデン工法」。庭のある豊かな暮らしをもたらす、希望の選択肢です。
Information
施工/かたくり工房
http://www.katakuri.co.jp/
Credit
撮影・取材・まとめ / 3and garden

スリー・アンド・ガーデン/ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。2026壁掛けカレンダー『ガーデンストーリー』 植物と暮らす12カ月の楽しみ 2026 Calendar (発行/KADOKAWA)好評発売中!
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