プランターで育てよう! ミニトマトの栽培方法【管理編】

前回のミニトマトの育て方【植え付け編】では、苗の植え方や水やりの仕方、支柱を立てての誘引の方法などをご紹介しました。うまく植えられましたか? 初めてミニトマトを育てる方にとっては、実が付くのが待ち遠しいですね。 今回は、日々の作業の中で重要な“わき芽かき”や水やりのタイミング、おいしいミニトマトに育てるコツなど【管理編】を、ハーバルライフコーディネーターの堀久恵さんに、引き続きご紹介いただきます。
目次
水やりのタイミングが大事!
植物は生長していくために光合成をする際、必ず水が必要になります。水やりの大事なポイントは、植えた後、根が付くまでの2週間ほどは、あまり乾きすぎない程度に与えること。ですが、その後は水やりを控えめにするのが、おいしいミニトマトを育てるコツです。土の表面を触ってみて、「乾いているかな?」と思っても、ちょっと表面を掘って土中を触ってみると、まだ土は湿っていたりします。その場合には、まだ水やりはしなくてOK! しっかり土の中まで乾いていることが確認できたら、水やりをしましょう。
水やりの時間帯は、植物の活動が活発な朝9時までが理想です。
葉に水をかけないように、株元にそーっと水やりをしてください。1回の水の量はたっぷりと、が基本です。株元だけでなく全体に水が行きわたるよう、プランターなら鉢底から流れ出るまで、時間をかけて与えてください。

実が付いてきたら、さらに水やりは控えます。葉が水不足でしおれてくる直前のタイミングまで待って、たっぷりやるようにしましょう。水分が多いと実が裂けてしまう現象にもつながります。
園芸初心者の方へのオススメは「一本仕立て」
生長に合わせて、1週間に1回ほどのペースで、わき芽をかきます。

わき芽とは、主枝と葉茎の間の根元から出る芽(枝)のこと。そのままにしておくと、わき芽が伸びることに栄養分が取られ、実があまり付かなかったり、葉が茂りすぎて風通しが悪くなり、病気や虫にやられやすくなります。そのため、ミニトマト栽培は、主枝を1本で育てる“一本仕立て”と呼ばれる方法で育てましょう。

わき芽は、5~10cmくらいの時に見つけてすべて欠き取っていき、主枝のみを残します。わき芽はハサミなどを使わなくても、手で前後するだけでポロッと取れます。わき芽かきの痕は、人間でいう“傷口”になるので、早く乾燥させることが大切。天気の良い日に作業をしてください。
わき芽の生長スピードは思っている以上に速く、ちょっと作業を怠ると、葉茎とわき芽が分からなくなってしまうことも。ですから、特に園芸初心者の方は、なるべく小さいうちにかき取ることがコツです。
上手に育てれば、1株に50個程度の実を付けることができますよ。
誘引の仕方
植物は、グラグラしていると根を伸ばさない性質を持っているため、前回の【植え付け編】では、ミニトマトの苗を植え付けたら、すぐに支柱を立てて、麻ひもなどでしっかりくくりつける作業、誘引をしました。今回は、苗が生長し伸びてきたところを誘引していきます。やり方は次のとおり。
1. 花が付いた部分の下に麻ひもを引っかけます。

2. その時は細い茎でも、生長とともに太くなっていきます。支柱と茎をぴったりくっつけてしまうと後でひもが茎に食い込みますので、麻ひもをねじって、余裕を持たせておきます。

3. 支柱にしっかり結んでおきます。

誘引は芽かきと一緒に、こまめに作業してください。
植え付けから1カ月もすると、実が付き始めます。実が肥大してきたら、追肥をまめに行って、赤くなったものから食べてください。自分で育てた野菜の味は、格別ですよ♪
注目を集めているガーデンセラピー
日々土に触れ、太陽の光を浴びながら草花や野菜を育てることには、園芸療法や芳香療法、食事療法など、セラピーのいろいろな要素が含まれています。このような、庭全体を活用して健康づくりに役立てようという取り組みが「ガーデンセラピー」。植物を介した療法が絡み合うことで生まれる相乗効果に着目した自然療法で、昨今ではさまざまな分野から注目されています。
ミニトマトを育てて、収穫して、食べることも立派なガーデンセラピーです。ガーデンセラピーにおける食事療法の効果については、前回の【植え付け編】でご紹介していますので、ぜひお読みください。
Credit

写真&文/堀 久恵(ほり ひさえ)
花音-kanon- 代表、ガーデンセラピーナビゲーター。
生花店勤務を経て、ガーデンデザイン・ハーブ・アロマセラピー等を学び、起業。植物のある暮らしを通じて、病気になりにくい身体を作り健康寿命を延ばすことを目指した「ガーデンセラピー」に特化した講座の企画運営と庭作りを得意とする。植物に囲まれ、日々ガーデンセラピーを実践中。埼玉県熊谷市在住。
https://kanongreen.com/
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