庭木の剪定をしたときに出るのが、切り落とした剪定枝。意外にかさばり処分も大変ですが、ガーデンシュレッダーを使えば、剪定ゴミをコンパクトにまとめることができます。庭木の栽培の際に一つ持っていると便利なガーデンシュレッダーを使ってみませんか? この記事では、園芸ライターの土屋悟さんが実際にガーデンシュレッダーを使った感想と、組み立て方や使い方をレポートします。
目次
空き家の手入れで大量に出る剪定枝
いま私が暮らしている都内の住居から20kmほど離れたところに、戸建ての実家があります。現在は親を近所に呼び寄せているので、この家は普段誰も使っていません。
そのため、時々行っては家や庭を手入れするのですが、その時に困るのが剪定枝の処分。こまめに枝を切って少しずつ処分していればよいのでしょうが、離れた場所のため、たまに訪れる際にまとめて作業をするようになります。すると剪定枝が山のように出るわけですが、実家には誰も住んでおらず、現地の町会費を払っていないので、ゴミ集積場に剪定ゴミを出すこともできません。
だからといって、ゴミ袋に入れて持ち帰るには量が多すぎます。枝をできるだけ細かくして、雑草を抑えるために植栽の間にマルチングしたりもしたのですが、今ひとつ見映えがよくありません。
剪定枝を細かくして、コンパクトに収めることができれば持って帰るのも楽だし、うまくいけばウッドチップとして、もっと体裁のよいマルチングにも使えるのでは? と、以前から気になっていたのが、ガーデンシュレッダーです。しかし、周りに使っている人がいないので、どんな使用感なのか分かりませんし、ネットの通販サイトを見ると賛否両論で、なかなか購入には踏み切れませんでした。
以前から気になっていたガーデンシュレッダーを、ついに購入!
ところが今年に入って、何度かお会いしたことがある造園家の方が、Facebookで「買ってから3年使っているけれど壊れないし、剪定くずを細かくできるので、仕事の後片付けも助かっています」とガーデンシュレッダーの画像をアップしていました。
造園の仕事をしている方なので、一般家庭の庭よりも剪定を行う頻度も、剪定で出る枝の量も多いはず。そんな方が3年使っているのだから、そうそう簡単には壊れないだろうし、性能も悪くないのでは? と思い、同じものをAmazonで購入してみたのが、上にある画像のガーデンシュレッダー。
Amazonで販売されているガーデンシュレッダーの中でも、比較的安価なものです。
半日の剪定で出た剪定枝がどのくらい減るのか?
早速ガーデンシュレッダーを使ってみましょう。
上写真は、半日ほどの作業で出た剪定枝。剪定した木は、モミジ、ツバキ、アオギリ、ザクロ、ツツジなどです。
写真内、左下は、ガーデンシュレッダーに付属していた黒いビニールバッグに入った剪定枝。ご覧の通り、ビニールバッグに入りきらずに溢れてしまっています。90ℓのゴミ袋3つでも入りきらない量なので、コンパクトカーに積んで持ち帰ることもできません。
ガーデンシュレッダーにかければ
剪定ゴミも細かくコンパクトに
それでは実際に、この大量の剪定枝をガーデンシュレッダーにかけてみましょう。どれくらいの効果があるでしょうか?
ガーデンシュレッダーにかけた後の剪定枝。ビニールバッグから溢れていた剪定枝が、シュレッダーにかけることによって、大幅に嵩を減らし、見事バッグに収めることができました! 長い枝もなくなるため、90ℓのゴミ袋2つに収まる量です。
ガーデンシュレッダーを用いて細かくした剪定枝は、後処理が簡単になるだけでなく、マルチとしても活用できます。今回は隣家との境界にある塀沿いの、何も植物を植えていない場所に雑草防止のマルチングとして敷いておきました。
マルチングをしてから3週間ほど経った状態がこちら。5月でしたが、数日気温が高い日もあったので、すっかり乾いています。積み上げておけば腐葉土のような資材としても使えそうです。
枯れ枝も粉砕可能!
ほんの数秒で手箕に収まる量に
ここまでは、その日に出た剪定枝をシュレッダーにかけた様子をご紹介しました。タイミングよく、庭の隅に以前剪定してからしばらく経った枯れ枝があったので、こちらもガーデンシュレッダーで処理してみました。大きさ比較のために、剪定バサミを一緒に写しています。
今まではこのような剪定ゴミも、ゴミ袋に入れて処分していました。しかし、剪定して出た枯れ枝は、そのままでは90ℓのゴミ袋からはみ出すため、ある程度手作業で枝の長さを調整しないと入りきらない大きさです。横着をして枝をあまり短くしないでおくと、ゴミ袋から突き出てきてしまったりするので、大した量ではないけれど、処分するのに案外手間がかかるものです。
上写真程度の量であれば、一度にシュレッダーにかけることができます。
乾いた剪定枝は、切ったばかりの枝に比べると硬くなっていますが、それでもものの10秒ほどで粉々になってしまいます。太さが3cmを超えるものだと詰まってしまいますが、そこまで太い枝でなければ十分粉砕可能です。
ガーデンシュレッダーは柔らかい枝が苦手?
庭の隅には直径30cmほどのアオギリがあるのですが、お隣まで枝が張ってしまうので、数年前に高さ1mほどまで切り詰めました。根を掘り起こすのが大変そうなのでそのままにしてあるのですが、まだ枯れてはいないので、春以降は旺盛に枝葉を伸ばしてきます。
手の届く高さなので剪定はそれほど大変ではないのですが、根の量が元のままなのに切り詰められているので、枝が出る勢いがとても強いのが困りものです。
今回も春に伸びてきた枝を切ったので、ガーデンシュレッダーにかけてみました。
すると、中には下の画像のように、細かくならずに出てきてしまうものがあります。
この記事で使用しているガーデンシュレッダーは、2枚の歯車(ギア)の間に入った剪定枝を粉砕するギア式と呼ばれるもの。このタイプのシュレッダーの場合、2つのギアの間隔を調整してみても、あまりに柔らかい枝は潰れるだけで粉砕できないことがあるようです。
こうした柔らかすぎる枝は、乾燥させてから粉砕したほうがよさそうです。切ったばかりの枝であっても、モミジのようにポキッと折れるものであれば粉砕可能です。
ガーデンシュレッダーの組み立て方
今回購入したガーデンシュレッダー「インターファームプロダクツ サイレントシュレッダー LSG-2100」は、基本的には同梱されているスパナやレンチを使えば組み立てられますが、1カ所だけハンマーが必要な部分があるので、それだけは自分で用意する必要があります。
上がガーデンシュレッダー本体。
ここに、脚と車輪を取り付けていきます。
こちらが脚と車輪のパーツ。まず、脚を本体に取り付けます。
ボディに脚を取り付けたら、所定の位置に車輪を取り付けます。
車輪をシャフトにはめたら、その上から樹脂製のハンマーで打ち込めば完成です。
本体上部の挿入口から剪定枝を入れると、下の吐き出し口から、粉砕された剪定枝が出てきます。
操作パネルはシンプルで、写真のようになっています。
赤のボタンで作動し、緑のボタンで停止します。オレンジのボタンは正逆の切り替えスイッチです。
普段は正の方向で使用します。太すぎる枝などがギアに挟まって止まってしまったときは、一旦停止させ、切り替えスイッチで逆回転するように操作し、作動させると挟まった枝を引き抜くことができます。
処分に困る大量の剪定枝をコンパクトに処理し、剪定ゴミの量を大幅に減らすことができるガーデンシュレッダー。粉砕した枝は、マルチング素材としても活用できます。太すぎる枝や柔らかい枝などは粉砕できないことがありますが、大抵の剪定枝は処分することができます。庭木が多く、剪定枝がたくさん出るという方は、一つ持っておくと便利ですよ。
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Credit
写真&文/土屋 悟(つちや さとる)
フリーライター。
インドアグリーンの最新事情に強い、園芸・ガーデニング関連のラ
https://twitter.com/tutti0514
https://www.instagram.com/sato
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