ベランダガーデニングの初心者におすすめ「寄せ植え花壇の始め方」
![ベランダガーデニングの初心者におすすめ「寄せ植え花壇の始め方」](https://gardenstory.jp/wp-content/uploads/2018/12/3a9f25dec718f386f7264a5ba9ee1e0d.png)
ガーデニングを始めてみたいけど、最初は分からないことだらけですよね。都内マンションに暮らすTさんも、そんなガーデニング初心者。ベランダで花を育ててみたいなと考えたものの、何から始めてよいのか、きちんと育つのかどうか、育てやすい植物は何なのか、さっぱり分かりません。そこで、ガーデニング歴の長い先輩にアドバイスをもらうことにしました。まずは花を育てるための準備から取りかかります。
目次
そもそも地面がなくてもガーデニングできる?
![ガーデナー](https://gardenstory.jp/wp-content/uploads/2018/12/ce04c7f81dd4ea93997c2e1ff0742b63.jpg)
ガーデニングは地面の庭がなくても始められますよ。地面の庭がある場合には、地面にタネを播いたり、植物の苗を植えればよいので、すぐにでもガーデニングがスタートできます。一方、地面の庭がない場合にも、植物を植えるための土と、植木鉢やプランターと呼ばれる土を入れるための容器を用意すれば、マンションのベランダでもガーデニングが楽しめます。実際、ロンドンやニューヨークなど庭を持つのが難しい都会のタウンハウスでは、公道からドアまでのほんの数段の階段に鉢を置き、ガーデニングをおしゃれに楽しんでいる風景がよく見られます。
Tさんも地面の庭はなく、マンションのベランダでガーデニングをするので、まずは植木鉢や必要な道具を揃えるところからスタート!
ベランダガーデニングで必要な初期資材
![ベランダガーデニングセット](https://gardenstory.jp/wp-content/uploads/2018/12/2ad6b69f100d587f9c0e3f349a133bde.jpg)
<必須>
・鉢(プランター)
購入時の植物は、ビニールポットやプラスチック鉢に入った「苗」の状態です。苗が入っている容器は仮のもので、植物の生育には相応しくありません。必ずポットから取り出して地面に植えるか、少なくとも一回りは大きいサイズの新しい鉢に植え替えます。鉢にはいろいろな種類があるので適したものを選びます(詳しくは下記)。
![ビニールポットからの植え替え](https://gardenstory.jp/wp-content/uploads/2018/12/188089da4d9dfe274e2922b604b41e76.png)
・鉢底石
鉢内の水はけをよくするために用いる資材。
・土
いろいろな種類があります(詳しくは下記)。
・肥料
植物を元気に育てるために必要な栄養。鉢植えでは必須。
<あると便利>
・キャスター(プラントムーバー)
大型の鉢を移動するのに便利。
![キャスター](https://gardenstory.jp/wp-content/uploads/2018/12/41422ada8d6bbbde90e64d0811c59291.jpg)
・トレリス
つるバラやクレマチスなどのつる性の植物を絡ませるための資材。つる植物を育てる際は、あると便利。
「ベランダなどスペースが限られる庭では立体的に空間が使える、つる植物が重宝するよ。つる植物の紹介はまた後でするね」(先輩)
![トレリス](https://gardenstory.jp/wp-content/uploads/2018/12/1c2f8685a461265b9f284fc5e8cd851b.jpg)
基本的にこれらはガーデニングを始める際の「ハードウェア」として必要な初期資材。植木鉢やトレリスは壊れない限り(滅多に壊れません)ずっと使えますし、土も選ぶ種類によって入れ替えせずに半永久的に使えるものがあります。植物は季節ごとに植え替えをして、いろいろな種類を楽しむことができますが、ハードウェアは何度も買い替えるものではなく、ずっとこれを使っていくと考えましょう(※肥料は消耗品)。上記のほかに、手入れの際に必要になる水やりのためのジョウロや土を入れるためのシャベル、手袋なども揃えておくと便利です。
ベランダには耐荷重制限があります
これらの資材を選ぶ際に気をつけたいポイントとして、ベランダの耐荷重制限があります。現行の建築基準法では、ベランダの耐荷重は1㎡当たり約180kgと定められています。床材や植木鉢などを選ぶ際には、総重量を考慮しましょう。例えば同じ容量の土が入る大きさの植木鉢でも、素材がセメント製のものとプラスチック素材のものとでは、5倍以上重さが異なります。近年は一見すると石材やテラコッタに見えて、実は「FRP」と呼ばれる繊維強化プラスチック素材を使い、精巧なレリーフや飾りなどが施されたスタイリッシュなデザインの鉢が多く登場しています。ベランダガーデニングではデザインだけでなく、資材の重量も考慮しましょう。
ベランダガーデニングに必要なものはどこで買えるの?
![ネットショップ](https://gardenstory.jp/wp-content/uploads/2018/12/d31c84deae7bee32900b9a6c3dc15544.jpg)
ホームセンター、ガーデンセンター、園芸店、ネット通販、100円ショップでも入手できます。価格も質もピンキリですが、初期資材は買い替えないことを念頭に選びましょう。高級品を揃える必要はありませんが、安価なものの中にはすぐに壊れるシャベルがあったり、植物がきちんと育たない土があったりするので、価格で選ぶよりも質をきちんと確認して選ぶことをオススメします。
「資材を購入する際は運搬のことも考えた方がいいよ。特に初期にはたくさんの土が必要になるけど、結構重いからね」(先輩)
「我が家はマンションの8階なので、エレベーターはあるといえども大型の鉢や何袋もの土を運ぶのは、かなりの労力だなぁ」(Tさん)
「重いものを購入する際は玄関先まで運んでくれるネット通販が便利だよ」(先輩)
<ガーデニング通販サイト>
dinosガーデンスタイリング https://www.dinos.co.jp/garden/
青山ガーデン http://aoyama-garden.com/shop/
ベランダガーデニングの鉢はどうやって選んだらいい?
鉢のサイズの基本
![鉢植えガーデン](https://gardenstory.jp/wp-content/uploads/2018/12/874d2d1282064343fad24bc34d0eacbf.jpg)
鉢にはいろいろなデザイン、サイズ、素材があり、価格も数百円から十万円単位のものまでかなりの幅があります。最も基本的なポイントはサイズです。鉢のサイズは基本的に「号」という単位で呼ばれ、1号=直径3cm。ですから、「号数×3」と覚えておけばサイズ感を思い浮かべることができます。一般的に一番小さいサイズは3号(直径9cm)からで、大きいものだと36号の特大サイズで直径1m以上のものもあります。大型になると「植木鉢」というより「大型プランター」「大型コンテナ」という呼び方をする場合が多くなります。
植物の生育後の大きさを考慮して選ぶ
![ベランダガーデニング](https://gardenstory.jp/wp-content/uploads/2018/12/3a9f25dec718f386f7264a5ba9ee1e0d.png)
植物の苗はいわば「赤ちゃん」。ずっと同じサイズのままでいるわけではないので、生育するとどのくらいの大きさになるのか調べたり、お店の人に聞いたりして、それに適したサイズの鉢を選びましょう。根の生育空間が限られる鉢栽培では、樹木のように本来大きくなる植物も生育サイズは地植えより小さくなりますが、盆栽などでない限り、基本的に大きく育つものには大きい鉢を選んだ方が本来の姿に近づけることができます。また、生育スピードが遅いものは、2〜3年ごとに植え替えをしながら段々と鉢のサイズを大きくしていくという方法もあります。一方、短期間で倍以上に育つような生育の早いものは、あらかじめ生育後のサイズに合わせた鉢を選んだ方が安心です。
大きめだと管理が楽
小さい鉢は水や肥料が切れるのが早いので、春なら1日1回で済んでいたところを、夏なら1日2回は水を与える必要があります。あまり手をかけられる時間が持てなさそうなら、大きいサイズの鉢を選んでおくと、用土が乾燥するのも遅く、水切れの失敗は少なくなります。今回、Tさんはハーブやトマト、レモンなどのいろいろな植物を育てたいけれど、フルタイムで勤めているためそれほど手がかけられません。Tさんは、大きなサイズの鉢に数種類を植える「寄せ植え」にすることにしました。Tさんのように複数の植物を一つの鉢に植える「寄せ植え」では、何度も水やりしなくても水もちもがよくて回数が減ります。
ベランダの場合は軽量のものを
「ベランダガーデンではベランダの耐荷重も考慮してね。見た目は重厚でも実は軽量で丈夫にできているFRP樹脂製がおすすめだよ」(先輩)
「私が選んだのはdinosのカタログで見つけたブリティッシュ調FRPプランター キューブ L。形がスクエアなので無駄なスペースができずにすっきりベランダに収まるところと、フェンスの雰囲気に合うスタイリッシュなデザインが気に入りました」(Tさん)
![スクエアポット](https://gardenstory.jp/wp-content/uploads/2018/12/ca038008443fe54cf4a7530170bd5fc0.png)
サイズ:約幅47.5×奥行47.5×高さ47.5cm・5kg・容量約80L、内寸…約幅41×奥行41×高さ45.5cm/dinos
大型の鉢にはキャスターが便利
![移動がしやすいキャスターつき鉢](https://gardenstory.jp/wp-content/uploads/2018/12/ef00b8e5767183e15d173fee7289674b.jpg)
「ベランダなどでは掃除をする際、移動が必要になることがあるし、模様替えや非常時などの安全通路確保を考えても、簡単に移動できるようにしておいた方が便利だよ。土が入って植物も大きく育ってくると動かすのが難しいので、土を入れる前に鉢をキャスターに載せておこう」(先輩)
ベランダガーデニング初心者にオススメの土
土にも良し悪しがある
![土](https://gardenstory.jp/wp-content/uploads/2018/12/44bf7163a2462849769b4115c6a0a457.jpg)
植物が上手く育つかどうかの大半は、土にかかっています。というのも、植物は根から水分や栄養分を吸収して生育するので、根っこが元気に育つ土でなければ、いくら手をかけても健全に生育しません。あとの半分は太陽。植物は光合成をして生育するので、日照が必要です。Tさんのベランダは南向きで日当たりがよいので日照条件はクリアしています。
さて、水質に良し悪しがあるように、土にも質があります。子どもたちがかけっこをしている校庭のような固い土では、植物の根がスクスク育つことはできません。植物が育つには、林や畑のようなふかふかとした土が適しています。
・土づくりは植物を育てるための大事なプロセス。良い土の秘密「団粒構造」とは?
ガーデニング初心者は「設計」された土を
![ガーデニング用培養土](https://gardenstory.jp/wp-content/uploads/2018/12/9450c11c0175fe485419176c9ab5e422.jpg)
ですから、植物を栽培する場合には、栽培に適した土を用意する必要があります。土と一口にいっても、ホームセンターなどに行くとさまざまな種類の土があって迷うものです。ガーデニングの経験を積んでいけば複数の種類の土を混ぜ合わせて、育てたい植物に適したブレンドをできるようにもなりますが、ガーデニング初心者には、植物が健全に育つようにあらかじめ「設計」された培養土などの土を選ぶことをオススメします。さらに、マンションなどの集合住宅では「使用後」の土の処理のことも考えておく必要があります。
「使用後」の土とは
植物を育てていく過程では水やりが欠かせませんが、水やりをしていると段々と土の粒子が細かくなって根の生育が阻害されたり、肥料分が効果的に働かなくなったりしてきます。ですから通常、寿命が半年ほどの野菜や一年草を育てた後、新たに植物を育てる場合には、そのまま同じ土を使わずに、土をいったん再生させたり、丸ごと入れ替えます。土の再生には、古い土をふるいにかけたり、リサイクル材や有機物を加えてブレンドしたり、殺菌したりといった作業が必要になります。すっかり入れ替える場合には、古い土は袋に入れてゴミに出すか、不要な土を業者に引き取ってもらうなどします。
「どちらにしろベランダなどで植木鉢から土をかき出す作業はなかなか骨の折れる仕事だよ。ゴミに出すといったって、普通ゴミに出すのを禁止している自治体がほとんどだから、専門業者に処理してもらうか、ホームセンターなどで回収してくれるところもあるけど、新しい土の購入が条件だったりするので事前に確認した方がいいよ」(先輩)
鉢植えにおすすめの半永久に使える土
![バイオゴールドの土](https://gardenstory.jp/wp-content/uploads/2018/12/d641458b34b6f22381a58166cbc16eac.png)
そうした土の後処理をせずに済み、使い続けることができるのが天然有機資材の研究開発を30年に渡り行っている、タクト社の「バイオゴールドの土」。硬質の赤玉土が使われているため水やりを続けても土が崩れにくく、同シリーズの肥料を併用することで土を捨てることなく使い続けることができます。深林腐葉土を用いて、植物の生育に欠かせない微生物が棲みやすい環境に整えられており、「横浜イングリッシュガーデン」や「はままつフラワーパーク」など、日本有数のあちこちのフラワーガーデンで採用され、植物の生育もプロが信頼を寄せる通りです。
「まず、土を入れ替えなきゃいけないとは知らなかったなぁ。大型のプランターを買ったので、その分の土をかき出して捨てるとなるとムズカシイなぁと思いましたが、捨てずにいい土があるならありがたいです。確かに他と比較すると『バイオゴールドの土』は価格は高く設定されていますが、半永久に使い続けられる、入れ替えの手間がない、植物がよく育つという点を考えれば、コストパフォーマンスはむしろいいかもと思って、初期投資として選びました」(Tさん)
取り扱い/dinos
ベランダガーデニングの花壇計画の予算は?
![コスト計算](https://gardenstory.jp/wp-content/uploads/2018/12/1c18ad45f794fb87c458795964b2b486.jpg)
前述したように選ぶものによってピンキリですが、今回Tさんは買い替えないことを考えて、最初に質の良いものを揃えることにしました。
- ベランダ寄せ植え花壇作成のために揃えた初期資材/合計70,272円
<以下内訳>
・バイオゴールドの土15リットル×6袋/14,904円
・ブリティッシュ調FRPプランター キューブ L×2/44,280円
・スリムラティストレリス 2枚組/3,596円(※よりどり3点10,788円シリーズの1つ)
・バイオゴールド クラシック元肥1.3kg/1,836円
・バイオゴールド オリジナル追肥2.4kg/2,592円
(上記取り扱い以上すべてdinos)
・ネット入り 鉢底に入れる石 0.5L×10個×2/1,466円(取り扱いAmazon.co.jp)
・SOCKER ソッケル(プラントムーバー)×2/1,598円(取り扱いIKEA)
ベランダガーデニングを始めたら次のステップへ
賃貸マンションやアパートなどのベランダでは、避難経路の確保が必要な場合や近隣へ迷惑がかからないように配慮も必要です。また、排水溝に落ち葉や土が流れ込まないように気をつけることもベランダガーデニングのマナーの一つ。
排水溝にゴミが入り込まないようにするのにも簡単なやり方があります。必要な材料やアイデアは、以下の記事を参考に。
・ベランダガーデニングを始める前に、スマートな排水口の詰まり対策で隣人トラブルを回避
また、近年発生している猛烈な台風が来る場合は、強風でベランダに置いてある物が飛んだり、植物がダメージを受けないように何をするべきか対策を考えて、シートなど必要な物は事前に用意しておくのもおすすめです。例えば、鉢植えの受け皿や木製のタイル、すのこ、パネル状のウッドデッキなど平たく飛びやすいものは、強風で飛んでいかないように収納庫や室内にしまうとよいでしょう。一人の力で運び込める程度の重量の鉢植えなどは、ベランダに接した部屋にシートなどを敷いてから、台風が過ぎるまで取り込んでおけば、大切に育てている植物が傷むのを防げます。
ベランダで洗濯物を干す場合は、植物を育てるスペースと洗濯物を干す場所を共存させる必要があり、レイアウトに悩むこともありますが、自分のベランダの条件に合わせながら工夫することも含めてベランダガーデニングの楽しみになります。
例えば、室外機を目隠しするカバーを取り付けたり、狭い場所でも植物を多数置くことができる棚などをDIYしたり、ハンギングして育てる植物が吊るせるフックなどを取り付けた壁を手作りしたりして、オリジナルの空間を作っていくのもよいでしょう。
ベランダという限られた空間であっても、植物を育てていくと、次第に四季の変化に敏感になって暮らしが楽しくなります。植物を枯らさずに育てていくには、日光は当たっているかな? 風通しはよいかな? 物によって光が遮られて日陰ができていないかな? 植物にとって快適な温度かな? 暑すぎてないかな? など、いろんなことに気をつけなくてはいけません。でも、それらを意識しているうちに気がつけばベテランのベランダガーデナーになっていますよ。
併せて読みたい
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Credit
![](https://gardenstory.jp/wp-content/uploads/2018/11/ffff872f5f7eb6240166b0b1c4e69520-1.jpg)
写真&文/3and garden
ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。
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