可愛くて癒し効果抜群! 多肉植物の育て方&寄せ植えのつくり方

自然と一体になって、植物との触れ合いがある暮らしをすることは、ストレスをコントロールし、心と体を健やかに保つ作用が期待できます。そんな植物を使った自然療法を総称して、「ガーデンセラピー」と呼んでいます。中でも、土に触れ、植物を植えて育てることで、心身のバランスを取る一連の作業は「園芸療法」と呼ばれるもの。
今回オススメする植物は、多肉植物! 肉厚の葉と個性的な形が特徴の植物で、園芸初心者さんや、忙しくて留守しがちな方でも、比較的育てやすい種類も多くあります。小さくて可愛い植物で、癒し効果も抜群ですよ。今回は、多肉植物の基本情報や育て方・管理のコツ、寄せ植えのアレンジの仕方をお伝えします。
目次
多肉植物ってどんなもの?

「多肉植物ってサボテンのこと?」と思われる方も多いかもしれませんね。
多肉植物とは、葉や茎に水分を貯め込んでおける仕組みを持った植物のグループを指します。乾燥したアフリカや北アメリカなど、雨季と乾季がある地域に生息し、めったに降らない雨を体に蓄えておくことができるように、このような形になったといわれています。非常に多くの種類があり、サボテンも多肉植物の一種です。
プクプクした姿形の虜になる人も多く、価値のある品種は非常に高値で取り引きされるなど、根強い人気を誇る植物です。ただし、日本の環境とは全く違うところで生まれ育った多肉植物たちですから、育て方には、少々コツが必要!
でもいくつかのルールさえ守れば、育てやすく、非常に手間のかからない植物ですので、植物初心者さんでも楽しめると思います。
多肉植物の上手な育て方…コツは2つ!
多肉植物を育てる上で大事なのは、日当たりと風通しです。もともと、日差しがとても強く、乾燥しているような場所に生息していたため、日本で育てるには、次の2つの工夫が必要です。
1つめ:置き場所
多肉植物は、雨の当たらない屋外に置いてください。戸外管理が基本です。可愛い姿なので、室内で見ていたい…という気持ちは分かりますが、室内では日差しが足りません。人の目には明るく感じても、多肉植物の必要としている光量には足りておらず、生きることが困難になります。
また、日当たりが不足すると、ヒョロヒョロと茎が伸びてきます。これは生長ではなく、「徒長」といって、日差しを求めて上に伸びているサイン。徒長してしまったら、せっかくの可愛らしい姿が崩れてしまいますし、そこから日光に当てたとしても絶対に元には戻りませんので、ご注意を。徒長してきたかな? と思ったら、置き場所も見直してみてくださいね。
2つめ:水やりのタイミング
水は、10~20日に1回くらい、サーッと与える程度で十分! ほかの一年草などと同じタイミングで与えていたら、水分が多すぎて根腐れを起こします。
とにかく、過保護にしすぎないことがコツです。少しぐらい水やりをしないで放置していても、簡単には枯れませんので大丈夫ですよ。留守にしがち、出張が多い、長期間旅行に出かけることが多いという方にとっては、嬉しいポイントですよね。
多肉植物は、気温40℃なんていう場所でもへっちゃらですが、日本は長雨や湿気が多く、ジメジメしがち。そこに水も多く与えてしまうと、失敗の大きな原因につながります。
「葉のハリがなくなってきたころ」というのも一つの目安になりますので、本当に水が必要かどうか、よく観察してから与えてくださいね。
「太陽はしっかり当たるけど、雨には濡れないところに置き、水やりは控えめにしてジメジメさせないこと!」
これだけしっかり守れば、多肉植物は丈夫に育ってくれますよ。
多肉植物の寄せ植えをつくってみよう
お店で気に入った多肉の苗を買って、寄せ植えをつくってみましょう!
<材料>

〇多肉植物(好きなもの)今回の器のサイズなら3つ程度
〇器
〇鉢底石
〇鉢底ネット
〇培養土/土入れスプーン
〇バークチップや石など(あれば)
<作り方>
1. 鉢底の穴は鉢底ネットを使ってふさぎます

その際、ガムテープでしっかり固定しましょう。置いただけでは、作業している間に動いてしまったり、また、虫がネットを持ち上げて入ってくることも考えられます。
2. 植物それぞれをどこに配置するか、レイアウトを決めます

今回はこのように配置したいので、順番は、奥→右→左側の順に植えつけます。
3. 器の半分程度まで培養土を入れます
4. 多肉植物をポットからそーっと出し、根を傷つけないように、慎重に土を落とします

ここでのポイントは、しっかりと土を落とすこと。多肉植物は密生していることで可愛らしさが倍増します。土がついたまま植えると、空間ができて少し寂しい印象になります。
5. レイアウト通りに配置したら、スプーンを使って土を寄せて固定します

6. 残りの2つも同じように植えていきます

水やりをした際に水がたまる場所(ウォータースペース)を指関節1つ分くらい確保し、空いているところにしっかり土を入れたら完成です。
根を崩しすぎてグラグラする場合には、バークチップや石を支えに使いましょう。

植物はぐらついていると根を張れません。今回は左側の三日月ネックレスが不安定だったので、支えとして使いました。バークチップや石が入ると、雰囲気も出るのでオススメですよ。
お好きな多肉植物を集めて、可愛くアレンジしてみてくださいね。
併せて読みたい
・個性が炸裂!おしゃれな多肉の寄せ植え&花壇
・大人気の多肉植物! 初心者でも失敗しない種類と栽培基本ルール
・可愛いグリーンインテリア。多肉植物のテラリウムの作り方
Credit

写真&文/堀 久恵(ほり ひさえ)
花音-kanon- 代表、ガーデンセラピーナビゲーター。
生花店勤務を経て、ガーデンデザイン・ハーブ・アロマセラピー等を学び、起業。植物のある暮らしを通じて、病気になりにくい身体を作り健康寿命を延ばすことを目指した「ガーデンセラピー」に特化した講座の企画運営と庭作りを得意とする。植物に囲まれ、日々ガーデンセラピーを実践中。埼玉県熊谷市在住。
https://kanongreen.com/
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