ガーデニングの本場イギリスでは、階段のデザインもバリエーション豊か。高低差がある土地を行き来するために設けた階段を緑や花で演出して、ガーデンのアクセントに生かすテクニックを7つ、ご紹介します。歩いてみたくなるステップづくりのヒントが見つかります。
目次
歴史を感じる苔むす階段

イギリスの庭では、段差を低く、石の乱張りでしっかり足場をつくった緩やかな階段が多いように感じます。庭散策中に、その先にちらりと見える隣のエリアに向かうための階段は、足を持ち上げる力を少なく、どんな年齢の人にも行き来しやすいよう配慮されているのではないでしょうか。
石の角が取れて、苔むし、自然に飛んできたタネから増えて広がった小さな草花が彩りを添えてナチュラルな雰囲気に。長い歳月を経て、景色に馴染んだ石づくりの階段です。
段差を緑や花でつなぐ階段

1、2段目は間口が広く、上へ行くほど狭くなる扇状の階段を上ると、東屋に到着します。上り始めの1段目が左右に幅広く、アクセスしやすいデザインです。蹴上げに緑が茂っていることで、硬い石の表情を和らげ、周囲の緑とも馴染んでいます。

こちらの階段は、レンガづくりの館に合わせてレンガでつくられています。蹴上げ部分には、エリゲロン・カルビンスキアヌスの小花が咲く愛らしい演出。イギリスのガーデンでは、階段の蹴上げにエリゲロンが咲いているシーンをよく見かけます。
左右対称にトピアリーで飾った階段

トピアリーとは、ツゲなどの常緑の樹木を刈り込んで円錐形や動物など、いろいろな形をつくるガーデニングの手法の一つです。イギリスに限らず、イタリアやフランスなどでも多く見かけるトピアリーですが、イギリスの名園の一つ「ヒドコート」では、手すりの頂点に左右対称の鳥のトピアリーが飾られた石づくりの階段があります。手すりにはつる植物も絡み、上り下りしながら、左右に茂るシダの葉の美しさやダイナミックなトピアリーを眺めたりと、たった5段のステップの通過も楽しい一角です。

アイビーの茂みと螺旋状に刈り込まれたトピアリーが、左右対称に配置されたモダンな雰囲気のレンガの階段。手前が濃い緑に統一されていることで、その先に見えるガーデンファニチャーが並ぶ明るいテラスが引き立ちます。トピアリーが植わるコンテナはグレーで、色を控えめにしているのもおしゃれ。
角度によって段差が見えない芝生の階段

なだらかな下り斜面の芝の小道を行くと、目の前に建物が現れ、自然と門をくぐってしまう面白い仕掛けのエントランス。つい先ほどまで歩いていた景色を確認するために振り返ると、踏み心地のよい感触を思い出させてくれる芝生が広がっています。

階段を下りた感覚がまったくないまま、低い位置にいることが不思議になる、驚きのあるデザインです。

蹴上げ部分には花壇の縁などに使われる、根や土をとめる園芸用のプラスチックのテープが施され、緩やかなカーブを描いて芝生の段差をつくっていました。

遠くの景色を邪魔しない芝生の階段

遠くの山々が見える開けた場所に到着すると、眼下に広い芝生の広場が見えるのに、下りる階段が見当たりません。

この芝の斜面を駆け下りるのかと一歩踏み出すと、そこには驚くことに段差がありました。

横から見ると確実に段差になっています。蹴上げ部分は、コッツウォルズストーンで土留めされ、幅10㎝ほどの土の溝にはブルーの花を植栽。階段の段差に収まる高さのロベリアが等間隔に植わり、下から見上げるとブルーに彩られた階段が浮かび上がる仕掛けです。

下りるときは、その先の壮大な景色に夢中で階段のディテールに気づかず歩いていき、元の道に戻ろうとして見上げる視線の先にはブルーの花が咲く階段があるという、心憎い演出。

高低差のある場所をつなぐ階段も、発想と工夫で驚きのある場所にすることができることを、イギリスの庭は教えてくれます。
階段にあると便利な庭道具

数段の階段ならば、持ち運びができるスロープを用意しておくと、重たい用土や苗を積んだ一輪車で楽々行き来ができます。イギリスの庭で見つけた現代の庭作業のひとコマ。
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Credit
写真&文 / 3and garden

スリー・アンド・ガーデン/ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。「ガーデンストーリー」書籍第1弾12刷り重版好評『植物と暮らす12カ月の楽しみ方』、書籍第2弾4刷り重版『おしゃれな庭の舞台裏 365日 花あふれる庭のガーデニング』(2冊ともに発行/KADOKAWA)発売中!
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