夏になるとガーデナーを悩ませるのが、プ~ンと辺りを飛び交う蚊。夕方にガーデニング作業をしに庭に出ていたら、いつの間にかあちこち刺されて、体中かゆい…なんて経験のある方も多いのでは? 今回は、虫よけに役立つアイデアをいくつかご紹介します。
目次
夏のガーデンの虫対策

夏のガーデンでは、虫対策は欠かせません。特に、夕方になるとどこからともなく現れる蚊は、ガーデナーにとっては悩みの種。刺されると腫れやかゆみがあるだけでなく、デング熱など蚊によって媒介される病気もあり、なるべく刺されたくはないものです。まずは、どんな人が蚊のターゲットになりやすいかを確認しておきましょう。
蚊に刺されやすい人はどんな人?
蚊はいつでも人を刺すわけではなく、産卵時のメスの蚊のみが産卵に必要な高カロリーの栄養を確保するために血を吸い、普段は花の蜜や樹液を吸っています。さて、この吸血モードの蚊は、人や動物が排出する二酸化炭素や、体温、汗に含まれる揮発性物質などに反応してターゲットを決めるとされています。
蚊に刺されやすい傾向にある人は、次のような点に多く当てはまる人だといわれます。
- 二酸化炭素を多く発している
- 汗をよくかく
- 蚊の目印となるある種の体臭が強い
- 体温が高い
- 濃い色の服を着ている
など。
体質によるものはいかんともしがたいですが、中には気をつけられる条件もありそうですね。
ガーデニングの時など、蚊に刺されそうな場所に出るときは、なるべく肌が露出しない明るい色の服装を心がけ、汗をこまめに拭き取りましょう。運動直後などは、汗をかいていることに加え、呼吸による二酸化炭素の排出量が大きくなるために、蚊にとっては絶好のターゲットになります。また、お酒を飲んだ後は、アルコールが分解されるときに二酸化炭素が発生するために蚊に狙われやすくなります。
虫除けスプレー

最も手軽な虫対策で、夏の外出には必須の虫除けスプレー。もちろんガーデニング作業にも有効です。効果が高いディートを配合した虫除けスプレーのほか、最近ではより人にやさしいディートフリーのものや、オーガニック素材でつくられたものも登場しているので、肌に合うものを選びましょう。中には、日焼け止め成分を配合しているものもあり、お出かけ前に一回シューっとスプレーするだけで、虫除けと日焼け対策が完了する手軽さも嬉しいですね。
虫除けスプレーを使う際には、ムラにならないようスプレー後に手で塗り広げると効果がアップ。汗や体温が出やすい首筋や顔もしっかり塗りましょう。夏場は汗をかきやすく、汗と一緒に虫除け成分も流れてしまうので、こまめに塗り直すことも大切です。

そんな虫除けスプレーですが、じつは意外と簡単に手作りすることもできます。そのポイントになるのが精油。精油の中には、シトロネラやレモングラス、ローズゼラニウムなど虫が嫌う香りを持つものもあり、特にシトロネラは虫除け効果が高く、広く利用されています。
作り方は簡単で、精製水と消毒用エタノールを用意し、お好みの香りの虫避け効果のある精油を混ぜてスプレー容器に詰めるだけ。精製水や消毒用エタノールはドラッグストアで購入できます。詳しい作り方はこちらの記事などをご覧ください。
蚊取り線香・虫除けキャンドル

日本人にはなじみ深い蚊取り線香も虫対策に有効。蚊取り線香は殺虫成分を含み、屋外でも一定の範囲内であれば効果があります。室内に比べると虫除け効果にはムラが生じるので、自分のいる範囲の四隅に設置するとよいでしょう。ガーデンのワンポイントとしても使えるような、おしゃれで可愛い蚊やりもたくさん販売されていますので、使わない時はそのまま飾っておけるのも嬉しいですね。

また、先ほども登場したシトロネラを利用したシトロネラキャンドルは、キャンプなどアウトドア活動の定番。ジャーやバケツなど、さまざまな容器に入ったキャンドルが市販されています。揺らめく明かりが小さく灯り、ベッドルームやリビングルームなどでリラックスタイムに使うのも素敵です。自分でも作ることができるので、手づくりキャンドルで虫除け対策をするのもいいですね。キャンドルを作る場合は、まずミツロウや使わないロウソクを溶かしたロウに、タコ糸などのキャンドル芯を浸してロウを染み込ませておきましょう。芯をキャンドル容器に割りばしなどを用いてセットしたら、ロウに精油を混ぜて容器に注ぎ込み、しっかり固まるまで置けば完成です。キャンドルを作る際には、やけどには十分お気をつけください。
虫除けになる植物
ガーデンでの虫対策には、虫除け効果のある植物を花壇に取り入れてみるのも一つの方法です。ローズゼラニウムやシロバナムシヨケギク、ペパーミントなどが虫除け効果のある植物の代表例。ガーデンにこれらの植物を取り入れると、その植物の周辺では蚊の被害は少なくなるようです。ガーデンの一角に、虫除けコーナーを設けてみるのも面白いかもしれません。もちろんこれだけですべての虫を防ぐことは難しいですが、他の虫除け方法とも併せて活用してみてはいかがでしょうか?


発生源をチェック

蚊の行動範囲は意外と狭く、生まれた場所から半径15mほどだといわれます。そのため、ガーデンの蚊対策には、身近な発生源を断つこともとても重要。蚊の幼虫であるボウフラは、流れの少ない水場に生息し、空き缶などちょっとした水場でも十分に生息が可能です。蚊が発生しやすい梅雨から夏にかけては雨も多く、小さなくぼみや使っていない植木鉢などに水がたまりやすい状況になっています。そんな水たまりがあると、蚊が発生してしまう要因にも。ガーデンの中でうっかり蚊を育ててしまわないよう、このような水場ができていないかを確認しておきましょう。特にウォーターガーデンをつくっている人はご注意を。ボウフラを食べてくれるメダカなどを一緒に育てるのもいいですね。
ガーデンにはさまざまな生物が棲んでいます。うまくつき合いながら、楽しいガーデンライフを送りたいですね。
ガーデンでよく起きるトラブル対処法を紹介した記事も、併せてどうぞお読みください。
参考:「スキンケア大学」https://www.skincare-univ.com/
Credit
文 / 3and garden

スリー・アンド・ガーデン/ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。
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