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地面のスペースはわずかでも、豊かな花風景をつくることができる“フラワースクリーン”。家の外観を花でおしゃれに演出しながら、目隠しとしても効果を発揮します。育てやすいクレマチスの例をご紹介します。

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小さな庭も花いっぱいを実現する“フラワースクリーン”とは

“フラワースクリーン”とは花をフェンスや壁面に這い上らせて、絵画のような立体的な花風景をつくる方法。茎や枝を数m伸ばす「つる性」の植物を使います。写真は紫色で花形の異なる2種のクレマチスをフェンスに絡ませた例。手前の黄色い花はクレマチスと開花期が重なるバラです。

花スクリーンにおすすめなのはつる植物「クレマチス」

クレマチスはたった1株で畳1枚以上の立体的な花風景をつくり出し、一度植えれば翌年も花を咲かせてくれる宿根草です。品種数も300~400あり、色も形もバリエーション豊富。クレマチスは細いヒゲ状のつるをコイル状にクルクル絡ませながら上へ上へと勝手に這い上っていきます。トゲもなく、誰にも簡単に育てることができます。例えば、高く上に伸びている樹木のそばに植えれば、上に登っていきますが、花が高い位置に咲いて鑑賞しにくいので、以下で紹介するような“縦横に幅広いフェンス”に這わせれば、目の高さに花が咲く風景を作ることができます。

格子型フェンスに最適

左:トレメッシュ®フェンス 右:トレメッシュ®シングル/タカショー
左:トレメッシュ®フェンス 右:トレメッシュ®シングル/タカショー

クレマチスのつるは、絡む場所さえあれば自身で這い上っていきます。メッシュ状になったフェンスはクレマチスの誘引に最適の構造物。形を整えるために、成長とともに途中でつるを数カ所留めつけるだけでOKです。クレマチスが全体を覆えば、プライバシーを守りつつ、周囲の目も楽しませてくれる花と緑のフェンスが完成します。

鉢植えでも花がたっぷり咲くクレマチス

クレマチスの根は下に向かって真っすぐ伸びる直根性。植栽スペースは40㎤もあれば十分なので、小さな庭に取り入れやすい花です。鉢植えの場合には10号鉢(※鉢の選び方参照)以上が適しています。写真は万重咲きと言われる豪華な花を球状に仕立てた鉢植え。つるが柔らかいので、仕立て方も自由自在です。

コツいらずのクレマチス「新枝咲き」

Photo/Tovstenko/Shutterstock.com

常緑性や落葉性、冬咲く品種や春〜初秋まで咲く品種など、品種数の多いクレマチス。花選びに迷ったら「新枝咲き」から選ぶことをおすすめします。クレマチスはその年に出た新しい枝にしか花を咲かせない「新枝咲き」、前年の枝にしか花を咲かせない「旧枝咲き」、どちらにも咲かせる「新旧両枝咲き」の3つのタイプがあります。新枝咲きはどの枝に花が咲くのか考えずに、地際からばっさりつるを剪定すればよいのでビギナーにもおすすめです。

クレマチスのつるの長さと咲き方をチェック

Photo/Kevinr4/Shutterstock.com

クレマチスはすべての品種が大きく育つわけではなく、比較的コンパクトなものやつるで伸びずに直立性のタイプのものもあります。広い面積を彩りたい場合には、つるが旺盛に伸びるタイプがおすすめ。新枝咲きには「ビチセラ系」「ビオルナ系」「テキセンシス系」「オリエンタリス系」「タングチカ系」などがあります。

完成が早いクレマチスの「大苗」

Photo/kuni—ka/Shutterstock.com

フラワー・スクリーンの完成を早く望むなら、「大苗」を選びましょう。大苗はすでに3~4年育った株で、根が充実しているため春からの枝の伸びや花付きがよいのです。ゆっくり庭づくりを楽しみたい、また予算を抑えたい方は「新苗」を選ぶとよいでしょう。

●クレマチスの詳しい「植え付け」と「育て方」は、『クレマチスの育て方。コツとお手入れ、植え替えや寄せ植えを一挙紹介します』をご覧ください。

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Credit

写真&文/3and garden
ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。

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