コンパクトな株姿で、育てる場所もあまり取らず、ベランダや小さな花壇にオススメのミニバラは、初夏から秋にかけては暑さによるダメージを受けることもあります。よくある株のトラブルと対処法をご紹介します。
目次
ミニバラの葉を見て生育状態をチェック!
青々と葉が茂り、愛らしい花が目を楽しませてくれた春のミニバラ。花が終わった頃は特に気になる症状もなかったのに、6月以降、下方の葉が落ちたり、葉が変色して春ほどの勢いを感じないなら、それは夏バテかもしれません。ベランダは、地植えの庭に比べて気温が高く、乾燥しがちです。強い日差しに当たって、早くも夏バテ症状が表れていたとしても、焦らずに対処法を試してみましょう。
苗を買って初めて迎える夏は、株がまだ若くて充実していないので、気候や病気でダメージを受けやすいものです。しかし、ミニバラは株が小さい分、新芽が発生しやすくつぼみもつきやすいので、諦めずに日々の観察と暑さ対策を心がけて夏を乗り切りましょう。
花がら切りをした後に、切り口付近から新しい芽が発生していたら成長している証です。水切れしないように、表土が乾いていたらたっぷり水をやり、土中の温度を下げるのも夏バテ軽減の方法です。
株の不調は葉を見て判断しましょう
葉の表面に黒い斑が現れたら「黒星病(黒点病)」、粉を吹いたようになっていたら「うどんこ病」という、バラを弱らせる病気の症状なので、これ以上広がらないように病葉は摘み取って、それぞれに適したバラ専用の薬剤を散布しましょう。
『バラの大敵・黒星病の予防&対策の方法を解説』も参考にしてください。
葉がすぐに落葉せず、白くかすれたり、色が抜けているような場合は、夏バテの可能性があります。葉に症状が現れていても枝についたままで、触ってもポロリと落ちないならば、摘み取らないようにします。変色していても葉があることは光合成に役立ち、体力も温存できるので、環境の改善をしましょう。暑さを軽減させるには、花台やレンガに乗せるのも一つの方法です。鉢を地面から離すことで熱が伝わりにくくなり、風通しもよくなります。
軒が深いベランダの場合は、雨が当たらず乾燥しがちなので、ハダニ(葉の表面を白くかすれたようにする小さな害虫)によって葉が落ちることもあります。夏バテの症状にも似ているのですが、蔓延すると落葉してしまうので、夏バテなのかハダニなのか迷ったら、葉の表や裏に強い水をかけてみましょう。ハダニは水に弱いので、強い水をかけることで発生していたら駆除になり、発生前ならば予防になります。ベランダに水道がなければ、キッチンやバスルームのシャワーを使いましょう。コンパクトなミニバラなら、部屋に持ち込むのも簡単ですね。
夏の花は本来の色や形にならないことも
春の花後に花がらを切ってから追肥(表土に有機質の肥料を置く)をしたのに、再び咲いた二番花は、小さかったり、色が薄かったり、花びらの数が少ないなど、本来の姿ではないことがあります。専門家によると、この原因は暑さだそう。肥料を増やしても改善はされません。特にベランダは暑さによる株へのダメージが表れやすいので、焦って必要以上に水をやったり、肥料を施したり、植え替えたりするのはやめましょう。気温が下がり始める秋には、また本来の咲き姿に戻るので、それまでは夏でも咲くそのたくましさを応援しましょう。
二番花が咲いたら、花を切って部屋で楽しもう
夏バテの症状が葉に現れていた株でも、つぼみがついて二番花が咲くものもあります。写真左は、4月中旬に花がらを切った後、5月下旬に二番花が咲き始めた‘ミスピーチ姫’。春は、花が終わった順に花がらを切り取りながら咲いている花を楽しめますが、この時期は半数以上の花が開いたら、全部一気に切り取って、部屋で楽しむのもオススメです。
開花した花を全部切り取ることは、株のエネルギー消耗を軽減させることにつながります。また、株全体の花がらを一気に切り取ることで、新芽の発生を促しながら、次の開花を揃えることもできます(枝を切ってから蕾が発生するまでの期間は品種によって異なりますが、30〜40日かかるので、花が終わった順に枝を切ると、枝ごとにタイムラグが発生し、開花が揃いません)。
繰り返し開花するミニバラは、暑い夏をうまく乗り越えれば、涼しくなってきた9月中旬には秋バラの開花に期待ができます。それまでは、ちょっとしんどそうなミニバラの成長を助けるお手入れを頑張って、秋咲く花を待ちましょう!
併せて読みたい
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Credit
写真&文/3and garden
ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。
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