植物の中でも美しい花がたくさん咲き、ロマンチックな景色をつくるバラ。なかでもつるバラを使えば、家の窓辺に花が咲く、憧れの風景を自宅で楽しむことができます。この風景づくりを成功させる4つのポイントと国内外の実践例をご紹介します。
Check1 バラを絡める窓辺の日当たりを確認

窓辺につるバラを咲かせるには、苗を購入する前にチェックしたいポイントが4つあります。まずは、窓辺の日当たりの確認から。
バラは、一日に5時間ほど日が当たる場所で育てるのがオススメです。日の高さや長さは季節によって変わるので、朝日は何時から当たるか、周囲の構造物で影ができるのは何時からかなど、窓辺の日当たりを意識して観察してみましょう。あまり日が当たらない場所でも、‘つるアイスバーグ’や‘ニュー・ドーン’など、日陰でも育つような品種や生育が旺盛な品種なら育てることができます。窓には日が当たるけれど、植え付ける予定の地面に日が当たらないという場合でも大丈夫。窓のそばに葉が茂って、日が当たっていることを想像しながら日当たりのチェックをしましょう。
また、窓の上方にしか日が当たらない場合は、あらかじめ長く伸ばしてある「長尺苗(ちょうじゃくなえ)」を購入すれば、少し早くつるバラが窓辺を飾る景色をつくることができます。
Check2 植えるスペースを確保

窓のすぐ下が地面であれば、掘って根が張る場所があるかを確認します。植え付けるスペースの目安は、直径50㎝、深さ50㎝以上がベスト。外壁の近くは家の基礎や配管などがあり、掘り進めることができない場合もあります。建築時の図面で配管の位置を確認することもできますが、図面がなければ、実際に掘ってみるのが安心です。しっかり穴を掘ることができれば、そこは植え穴になります。

もし、掘り上げた土に石やゴミが混ざっていたら取り除き、腐葉土や牛ふん、馬ふんなどをすき込んでよい土に変えます。あまり土がよくなさそうならば、新しい土に入れ替えておくと、生育がスムーズです。
植え付ける穴を掘ることができない場合は、大きめのコンテナや鉢でもつるバラを育てることができます。
Check3 水やりの必要があるかどうか確認

植え付け場所が株元に雨が当たる場所ならば真夏以外、水やりは不要です。軒が深くて雨が当たらない場所は、水分不足になる可能性があるので、定期的に水やりをすることを忘れないようにしましょう。
Check4 つるをとめつける場所を用意する

上写真と、白いフレームの窓の周りに白バラが咲く記事トップの写真は、フランスの個人邸です。近寄ってみると、レンガの壁には格子の網が設置されています。網は影色になる黒なので、離れて見ると目立たず、白バラと窓が浮かび上がって美しい景色をつくっています。
外壁に穴を開けたくない場合は、写真のように壁に沿って格子のフェンスを地面に設置したり、2階のベランダや窓辺からワイヤーや網を垂らすのも一つの方法です。




もし、あなたの家の窓が隣家との隙間に面していても、ご紹介の4つのポイントがクリアできれば、つるバラが窓を飾る景色をつくることができます。たとえ窓の外からバラを眺めるのが難しい場所でも、部屋の中からバラが咲く様子が見えたり、窓を開ければ咲いたばかりのバラの香りを部屋で楽しむこともできます。夏は茂った葉が日に透けて、爽やかな景色に心がなごむことでしょう。
つるバラは、地面に広いスペースがなくても立体的に仕立てて育てることができます。もし、バラ栽培を諦めていたら、家の周りを改めて見回してみてください。憧れの風景を自宅にぜひつくってみましょう!
つるバラの冬の剪定と誘引は以下の記事もご参考に。
『バラの専門家がズバリ答える! 美しく咲かせるための作業「つるバラの誘引」』
『バラの専門家がズバリ答える! 冬の大切な作業「つるバラの剪定」』
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