ヨーロッパには窓のすぐ側に「ウィンドウボックス」という花鉢を置き、窓の景色を花で鮮やかに演出する習慣があります。室内にいる人はもちろん、外を歩く人の目も楽しませ、なおかつ室内への視線を遮る役目も果たしてくれます。「ウィンドウボックス」の素敵な実例をご紹介します。
目次
室内からも、外からも楽しめる「ウィンドウボックス」
あなたのお家の窓からは、何が見えますか? キラキラ輝く海や青々とした山々、情緒豊かな街並み……であるならば、うらやましい限り。けれども実際には、そんな素晴らしいピクチャー・ウィンドウに恵まれているケースはごくわずか。都市部の住宅街やマンションに暮らしていれば、窓の外に見るべき価値のある景色が展開されていることはまれです。
だったら、自分で景色をつくってしまいましょう。ヨーロッパの街では窓のすぐ側に花鉢を置き、窓の景色を花で鮮やかに演出する「ウィンドウボックス」がしばしば見かけられます。室内にいる人はもちろん、外を歩く人の目も楽しませ、なおかつ室内への視線を遮る役目も果たしてくれます。ヨーロッパの家々は壁の厚さが厚いため、もともと窓のそばに鉢を置くスペースがある場合もありますが、ウィンドウボックス用の花台(花箱)を設えるのも一般的です。とりわけ都会では建物のデザインに合わせて鉢も花もコーディネートされており、ヨーロッパの人々の景観意識がとても洗練されていることが分かります。
取り付けは専門家へ相談が安心
ウィンドウボックスを窓の下に取り付ける際は、ボックスを固定するために壁面にボルトを打ち込みます。建物の下地強度を確認し、防水処理などをして適切に取り付ければ家を傷める心配もありませんが、長く安全に楽しむには専門家に相談するのが安心です。家の外周りのデザインや施工に関しては、「エクステリア」という専門分野があります。室内装飾をインテリアと呼ぶのに対し、屋外装飾を意味しており、全国に専門店がありますので一度お近くのお店を探してみるとよいでしょう。
自分で行う場合には、建物に穴を開けない方法を選んだほうが安全です。例えば窓の下にスタンド式の花台を設置したり、ベランダの場合には手すりに自分で取り付けられる「ウィンドウボックスホルダー」などのツールも販売されています。
ウィンドウボックスに適した植物
ウィンドウボックスの花は、たっぷり豊かに咲かせたいので、季節の一年草で花数の多いものがこんもり茂ってオススメです。春ならビオラやパンジー、アリッサム、ワスレナグサ、ビデンスなど。夏にはペチュニア、サフィニア、ロベリア、トレニアなどのほかに、暑さに強い観葉植物を取り入れるのも手です。枝垂れる植物を入れると鉢やウィンドウボックスホルダーがほとんど見えなくなってしまうので、器は簡素なもので十分です。
Credit
文/3and garden
ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。
新着記事
-
宿根草・多年草
花束のような華やかさ! 「ラナンキュラス・ラックス」で贅沢な春を楽しもう【苗予約開始】PR
春の訪れを告げる植物の中でも、近年ガーデンに欠かせない花としてファンが急増中の「ラナンキュラス・ラックス」。咲き進むにつれさまざまな表情を見せてくれて、一度育てると誰しもが虜になる魅力的な花ですが、…
-
公共ガーデン
都立公園を新たな花の魅力で彩る「第3回 東京パークガーデンアワード」都立砧公園で始動
新しい発想を生かした花壇デザインを競うコンテストとして注目されている「東京パークガーデンアワード」。第3回コンテストが、都立砧公園(東京都世田谷区)を舞台に、いよいよスタートしました。2024年12月には、…
-
公共ガーデン
都立公園を花の魅力で彩る画期的コンテスト「第3回 東京パークガーデンアワード 砧公園」全国から選ばれた…
2022年に代々木公園から始まった「東京パークガーデンアワード」。第2回の神代植物公園に続き、3回目となる今回は、東京都立砧公園(世田谷区)で開催されます。宿根草を活用して「持続可能なロングライフ・ローメ…