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春夏秋冬、開花のピークが刻々と変わる花壇では、前のシーズンの花がまだ咲いているけれど、次のシーズンへと入れ替えが間近となる端境期があります。そこで、ここでは秋植えた花と春の花の最盛期待ちのシーズンに活用したい草花を5種ご紹介します。アドバイザーは、愛知・豊田市で一年中、花が絶えないガーデンをつくる「花遊庭」のガーデナー、天野麻里絵さん。小さな花壇づくりが成功するテクニックと5つのオススメ草花をピックアップします。

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春花壇から夏花壇への植え替えの間をつなぐプラスαの鉢植え

春のガーデンショップには色とりどりの草花が並びますが、まだ庭や花壇には、秋に植え込んだ草花が再びたくさんの花を咲かせていて、新たに加える花の植え場所に悩む頃。植えたいけれど、まだ秋から咲き続けている花を楽しみたいという時は、欲張って鉢植えをプラスしてみましょう! 今回紹介するのは、鉢植えに限らず、花壇や庭にプラスしてももちろん楽しめるオススメの草花です。秋から咲き続けるパンジーやビオラなどは、これから花のピークを迎えますが、植え替えのタイミングも間近に迫ってきます。そこで、今からコンテナで草花を育てておけば、夏花壇への植え替え直後、まだ株が小ぶりで寂しい庭をボリュームよく見せて、シーズンの橋渡しをする効果もあります。

庭のまわりや草花の草姿をよく見て、コンテナを選ぼう

コンテナ植えでは、鉢が花壇でいう植えマスになり、植物を引き立てる顔になります。コンテナによって植え込んだ後の印象も大きく変わるので、シーンに合ったコンテナ選びが大切です。庭には、さまざまな植物や構造物があるので、まわりの景色にあった色や素材を選びましょう。コンテナは庭の中では周囲の植物に紛れて溶け込んでしまいがちなので、ある程度大きさのある、直径30㎝程のサイズがオススメです。さらに、植物の草姿に着目し、草丈に比例した鉢の高さを選ぶとバランスがよくなります。

庭でのポイント使いはシンプルに

さまざまな草花を組み合わせて楽しむのが寄せ植えの醍醐味ですが、庭の中で際立って見せようとすると、シンプルな植え込みに行き着きます。思い切って1種類に絞ると、その植物の花色や形などがくっきりと見えて、植物の個性がぐんと際立って見えます。また、シンプルにした分、いくつかのコンテナ植えと組み合わせてもすっきりとまとまり、楽しみの幅が広がります。今回は、春らしさをアップさせるピンクの花色に着目して、寄せ植えをご紹介します。

鉢植えコーディネイトのポイント1
こんもり、マウンド型にして一面に咲く花を楽しむ

最もシンプルな1種類のみを植え込む場合は、大きめのコンテナを用意して、数株を植え込みます。植物が育つと、まるで1株のような大株仕立てになって、植物の花色や形はもちろん、植物がもつ草姿もしっかり楽しむことができます。よく枝分かれしてこんもりとマウンド型に茂るタイプを選べば、コンパクトながらボリューム感のあるコンテナを楽しむことができます。

オステオスペルマム‘フォーチュネットシリーズ ダスキーローズ’

大輪の花が華やかなオステオスペルマムの中でも、小輪のタイプ。柔らかな花色は、さまざまな草花とも合わせやすく、楽しむシーンを選びません。株のまとまりがよく、花立ちもいいので、ローボウル型のコンテナに合わせると草姿の美しさが際立って見えます。

フレンチラベンダー ‘ルーシーピンク’

ウサギの耳のような花形が個性的なフレンチラベンダーの中でも、花穂の長さがあり、より花が印象的に。花先(苞葉)のピンクと、紫の花とのグラデーションが優しいフレンチラベンダー。

鉢植えコーディネイトのポイント2
グリーンを加えてすっきりと楽しむ

さらにリーフを加えると、花の印象は変えずに、すっきりさせつつボリューム感を出すことができます。枝垂れるタイプのリーフは、高低差を出して立体感をアップ。フレンチラベンダー‘ルーシーピンク’と合わせたヘデラ‘モコモコ’(写真手前の鉢内)は、立体感のある葉型と、クリーム色の新葉が美しい品種。

ペチュニア ‘ピンクスターダスト’

明るいピンクに浮かびあがる星模様がすっきりとした印象のペチュニア。個性的な花模様で柔らかな花色もぼやけず、たっぷり植え込むと、花の印象が一層強まります。

鉢植えコーディネイトのポイント3
高さのあるシュラブを芯にしてさらにボリュームアップ

こんもりとしたフォルムを楽しみつつ、さらにボリュームをアップさせたい時は、中心に高さのある低木を加えてみましょう。グリーンが芯になって、より一層華やかさが増します。低木は、細い枝葉に入るクリームの外斑が愛らしいコロキア‘イエローワンダー’。ペチュニアに明るい白斑のアルテルナンテラ‘ムーンビーム’を合わせてすっきりと。

ラナンキュラス‘ラックスシリーズ  アリアドネ’

つや感のある花びらが特徴のラナンキュラスのラックスシリーズ。よく枝分かれして、スプレー状に次々開花します。草丈もほどよく、ボリュームを出したい花壇にもオススメ。優しいピーチピンクの花色‘アリアドネ’は、ホワイトやラベンダー色と合わせると明るくすっきり見えます。

鉢植えコーディネイトのポイント4
高さのある草花は、コンパクトな草花と合わせてバランスを取る

草丈がある草花はボリュームが出やすいですが、1種類だけではバランスがとりにくいことも。こんもりと茂るものや、少し丈の低いものを合わせ、さらに枝垂れるリーフを合わせると、全体のつり合いがとりやすくなります。

ラナンキュラス・ラックス‘アリアドネ’と合わせた草花は、ローダンセマム‘アフリカンアイズ’、フレンチラベンダー、ヘデラ。

バーベナ‘ラナイシリーズ ツイスターレッド’

小花が集まる花形は、華やかさがありながら繊細な印象。ピンクの花の内側に赤色が入り、くっきりと見えます。よく分枝して横にも広がるので、ユーフォルビア‘ダイアモンドフロスト’のようなスプレー状の草姿の草花と合わせると、なじみやすいです。

鉢植えコーディネイトのポイント5
色や草姿を合わせれば、すっきりとまとまり感もアップ

草花をいくつか合わせたいけれど、すっきりさせたい場合は、テーマカラーを決めるのがポイントです。さらに草姿が近いものを合わせればまとまりもよくなります。

バーベナ‘ラナイシリーズ ツイスターレッド’と合わせた草花は、ベゴニア‘ダブレット’、ユーフォルビア‘ダイアモンド・フロスト’。

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