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年数を経たバラの活力を蘇らせる! 鉢植えにピッタリな植え替え法

年数を経たバラの活力を蘇らせる! 鉢植えにピッタリな植え替え法

水やりや肥料を与えていても、なんだか花数が減ってきたな、と感じる場合には、植え替えをしましょう。古くなった鉢土を取り替えるとバラに活力が戻り、以前にも増して素敵な花をたくさん咲かせるようになります。植え替えの必要性や適した用土と単用土の効果についてご紹介します。

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バラは育てやすく、季節ごとに素敵な花を楽しませてくれます。それでも年数を経ると、日々水やりをし、時期に合わせて肥料を与えていても、以前は大きな花を咲かせていた鉢バラの花が小さくなってきたり、以前咲いていた秋の花もあまり咲かなくなったりしていませんか。そんな時こそ、思い切って植え替えをしましょう。植え替えは鉢バラにとっては住み替えとなり、心機一転、新しい環境で根を伸ばし、以前にも増して素敵な花をたくさん咲かせてくれるでしょう。

鉢バラの植え替えをする必要性がありますか?

鉢土が古くなっていませんか? 植物が住みづらくなっていませんか? 普段から適切な管理をしていても花が咲きにくくなったら、鉢土をチェックしましょう。バラを植えた用土は、年々劣化します。

・「肥料成分が少なくなる」

・「鉢土の表面が固くなって水が浸み込みにくくなる」

・「用土の粒がつぶれて水はけが悪くなる」

・「鉢土の隙間に根が入り込んで空気が通りにくくなる」

・「有機質が少なくなって土壌微生物による栄養補給ができなくなる」

など、鉢土の環境は悪化して植物の生育を妨げるようになります。養分は肥料として後から補えますが、その他の物理性(保水力、排水性、空気の層)、化学性(pH、EC、保肥力)、生物性(微生物の多様性)などは簡単には変えられません。鉢土の環境が悪くなると、植物が育ちにくくなります。

鉢土は植物の住処によく例えられます。人でも住処の環境が快適だと暮らす人々に活気があふれます。植物にとっては養分や水分、酸素が充実した土が快適な住処。それらを根が吸収して、活気ある充実した新芽や太い茎を育て、大きな花を数多く咲かせてくれます。12月から1月は、鉢バラの植え替え適期です。植え替えたバラから太くて元気な茎を育て、大きくて数多くの花を春から楽しみましょう。

鉢植えのバラにはどんな用土が向いていますか?

バラは庭植えでも栽培できるので、多くのタイプの用土に適応します。だだし、鉢土の特徴として、

1.植物を支えられる重さ

2.水はけのよさ

が特に求められます。

1の課題に対しては、木バラが大きく育って倒れないために、ピートモスなどで植えられている場合は、適当な重さの用土で必ず植え替えをします。時期は、12月から1月が適期ですが、4月上旬までなら植え替えられます。

2に対しては鉢土の場合は、鉢の中に水たまりができやすいので、やや粗めの粒で重さのある用土が適しています。バラは生長が早いので、窒素肥料を多く必要とします。夏の肥料切れに対応できる牛ふん堆肥が特にオススメです。しかし、牛ふん堆肥を多く使うと肥料化に伴う分解が早いので、排水性なども早く悪くなります。ゆっくりと分解するバーク堆肥をベースにした鉢土は、排水性などの物理性や生物性がよい状態長く保たれます。

保水性や保肥力やpH・ECは最初から適した配合にしておくのがベストですが、栽培管理でも対応できます。鉢土の排水性を高めると土の乾きが早くなったり、肥料成分が流出しやすくなります。そんな時は、鉢ごと半日陰に移動するとか、追肥の間隔を短くします。夏のお盆あけに鉢バラに施肥をするのは、肥料切れ防止になります。pHやECは、水はけのよい鉢土に定期的に適量の追肥をしていれば、生育に影響する値にはなりません。バラ専用の用土を使うのが最も適していますが、メーカー製品の培養土(バーク堆肥ベースが適しています)に赤玉土を2〜3割ほど混ぜて使用することもできます。

用土に使われる各単用土の効果について

以下では、バラの鉢土によく使われる単用土の効果について説明します。培養土を改良して使う時の参考にしてください。普段は混ぜて利用している各単用土が、バラの根にとってどんな働きをしているのか考えてみるのも面白いかもしれませんね。

用土の効果

1.赤玉土

酸化鉄などで団粒化した赤土を乾燥後にふるいにかけて粒の大きさを揃えた単用土です。主に鹿沼地方で産出されます。雑草の種や病原性微生物の混入もなく、保水力や保肥力に富みます。また粒状なので、排水性にも優れます。木本性の植物を支えるのに適した重さなので、木バラの鉢栽培に適しています。有機質用土や肥料分を加えて使用します。

2.ココナッツファイバー

ヤシの実から繊維を除いた後に残ったコマや短い繊維です。分解が極めて遅いので、長く排水性などの物理性を維持します。軽量でカリ成分に富み、水やりで失いやすいカリ成分の補給に役立ちます。

3.バーク堆肥

公園や街路樹などの剪定材の樹皮や樹芯を粉砕後に堆積発酵させた木質堆肥です。土の団粒化に効果的です。牛ふん堆肥に比べ分解が遅いので、排水性などの物理性を長く維持する土壌改良効果に優れます。牛ふん堆肥より劣りますが、主要3成分などの肥料成分を含み、地力を高めます。

4.牛ふん堆肥

畜舎から排出される牛ふんと敷料を堆積発酵させた堆肥です。主要3成分などの肥料成分を含み、地力を高めます。有機質の分解により肥料成分が有効化されるので、肥効がゆっくり長く続き、肥料切れの防止に役立ちます。配合量が多い用土で2年以上鉢植えしていると、バラの根張りが悪くなる傾向があります。使用量は1割程度にとどめます。

5.腐葉土

カシやクヌギなどの葉脈が固い葉を利用した時に、窒素飢餓などの障害が起きないように堆積腐熟させた有機質の単用土。古くから鉢土や畑土に利用されていますが、近年適した原料が入手しにくくなっているので、市販の複合用土の配合に使うことが少なくなりました。

6.ピートモス

水ごけが泥炭化した単用土です。保水性と保肥力に優れますが、排水性に劣ります。苗として店舗で販売されている時にはピートモスで仮植えされています。そのままだと雨ざらしで育てるのが難しいので、専用用土で植え替えるか、適宜鉱物質の単用土を加えて植え替えします。

7.abコンポ

ココナッツファイバーと植物性原料の堆肥を混合した肥料効果を併せ持った土壌改良資材です。バラの根の生育に役立ちます。

鉢土の環境をチェックして、美しい花をお楽しみくださいね。

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