海や空を感じさせる爽やかなアメリカ西海岸風の住まいは、近年人気の住宅デザインです。今回ご紹介するのは、ダイビングが趣味のご夫婦が建てた西海岸風のハウス&ガーデン。海からほど近い神奈川県藤沢市辻堂という立地も、家の雰囲気によく似合い、リゾート風のファサードや開放感のあるデッキなど、ステキなポイントがたくさんある実例です。
目次
真っ白な外観に映えるおしゃれなファサードデザイン

真っ白な横張り板の外観に、ヤシの緑がいかにも西海岸風の爽快な雰囲気。この住宅外壁は「ラップサイディング」といい、細く長い板を横に重ね張りしたもので、アメリカでは一般によく使われる手法です。板を隙間なく突きつけて張る工法に対し、ラップサイディングは板を重ねるのが特徴で、重ねた部分に段差ができ、その立体感が美しい外壁です。特に夜、外壁をライトアップすると、ラップサイディングの陰影が強調され印象的です。

ファサードはリゾート風ナチュラルモダン

公道と家の間はオープンな植栽スペースとし、ブラウン系の石や砂利敷きにヤシやアガベ、カラーリーフを植えたドライガーデン風になっています。その一角に、横張りの木板で制作した門柱と白いポスト&宅配ボックスを設置。ブラウンと白で統一されたファサード(家の正面デザイン)は、リゾート風ナチュラルモダンな雰囲気で、とてもおしゃれな印象です。
大工仕事の細部までおしゃれ

この門柱をよく見ていくと、細かな部分まで丁寧にデザインされていることに気づきます。門柱の照明は真鍮(しんちゅう)製のマリンライトで、表札も共にカラーを合わせた欧文筆記体になっています。木板は海風にさらされたような微妙な色ムラが自然で、ジグザグに打ち付けられたネジがドット柄のような軽快なデザイン。隣にあるポストの丸みと相まって、モダンながらやわらかな優しい印象を受けるファサードです。

門柱の左手は駐車スペース。土間コンクリートと人工芝のシンプルな仕上げです。その奥にはグレイッシュグリーンの玄関ドアがあり、道路からの奥行き感が強調されています。さらにその左側には、門柱と同様の木板横張りの収納庫が。

空間の間仕切りでもある多機能収納庫

じつは、この収納庫にはご夫婦の趣味であるダイビングのスーツやシュノーケリング用具などが仕舞われており、なんとシャワー室まで完備されています。収納庫の前後にはそれぞれ扉が付いていて、ここを通り抜けて回り込むと庭に出ることができます。扉の手前には人工芝が敷かれていますが、道具を洗い流したりする際にも、天然の芝ではないので海の塩で傷む心配もありません。

ガーデンデッキは開放感あふれるアウトドアリビング

庭はウッドデッキが敷き詰められ、周囲はアイボリーの横板張りのフェンスで囲まれています。隣家からの視線が気にならないよう、フェンスは少し高めですが、明るいカラーを選んで開放感を演出しています。デッキにはガーデンテーブルやチェア、BBQコンロがあり、アウトドアリビングとしてリラックスできる空間です。テーブルの頭上にはシェード付きのパーゴラもあるため、隣家2階からの視線も気にせず過ごせます。


デッキの隅には、フェニックスヤシが植栽されています。ウッドデッキに埋まったような格好ですが、じつは鉢植えでスポッと抜けるようになっています。フェニックスヤシは南国の植物で寒さに弱いので、冬はリビングに飾って楽しみます。移動しながら通年楽しむ工夫です。また、フェンスには水栓が付いているので、長くホースを伸ばさなくてもすぐに水やりをすることができます。


一般に、住宅外壁下の基礎の高さは地面から40cm程度ですが、ここでは20cm程度と低いのも特徴。ですからウッドデッキの階段は通常3段が必要なところを、2段で済んでいます。
ウッドデッキはリビングと一体に

室内のリビングとウッドデッキの床の高さを同じにすることで一体感が生まれ、室内外の空間が広く感じられます。天気のよい日にはリビングの窓を全開にすれば、室内にいても屋外のような開放感を得られます。

リビングは吹き抜けになっており、白い梁と柱、2階の大きな窓がダイナミックで開放的です。海は見えませんが、マリンライト風のペンダントライトと窓の向こうに見えるデッキが海の雰囲気を感じさせるリビングです。
ライトアップで夜もリラックス空間

庭がアウトドアリビングとして活躍するため、ゲストを招いてのディナーやホームパーティーはもちろん、時にはライティングを抑え、バー空間として落ち着いた大人の時間も満喫できます。

さまざまな家のスタイルがあるなかで、今回の実例のように自身の趣味や土地柄に合わせて家のスタイルを決めるのは、とてもよい選択の方法です。きっと、ライフスタイルにフィットする快適な家をつくることができるでしょう。
また、室内ともつながるアウトドアリビングも快適のポイント。家だけでなく、家とつながる屋外空間をいかに充実させるかで、ライフスタイルの快適度が変わります。この実例を参考に、家周りの空間を見直してみてはいかがでしょうか。

Credit
文&写真(クレジット記載以外) / 松下高弘 - エムデザインファクトリー主宰 -

まつした・たかひろ/長野県飯田市生まれ。元東京デザイン専門学校講師。株式会社タカショー発行の『エクステリア&ガーデンテキストブック』監修。ガーデンセラピーコーディネーター1級所持。建築・エクステリアの企画事務所「エムデザインファクトリー」を主宰し、大手ハウスメーカーやエクステリア業のセミナー企画、講師を行う。
2007年出版の『エクステリアの色とデザイン(グリーン情報)』の改訂版として、新刊『住宅+エクステリア&ガーデンの色とデザイン』が大好評販売中! 色の知識、住宅デザイン様式に合わせたエクステリア&ガーデンデザインとカラーコーディネート、プレゼンシートのレイアウト案など、多岐に渡る充実の内容! 書籍詳細はグリーン情報ホームページから。
著書
『住宅エクステリアのパース・スケッチ・イラストが上達する本』彰国社
『気持ちをつかむ住宅インテリアパース・スケッチ力でプレゼンに差をつける』彰国社
『住宅+エクステリア&ガーデンの色とデザイン』グリーン情報 など他多数
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