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【プロが解説】高低差のある玄関アプローチを木材ファサードで軽快に変身!

【プロが解説】高低差のある玄関アプローチを木材ファサードで軽快に変身!

神奈川県は平坦な敷地が少なく、公道からエントランスに向かうために、アプローチ階段が必要になるケースが多くあります。その際、擁壁は高く、面積も広くなり、圧迫感が生まれがちです。今回は、そんな圧迫感をファサードデザインで軽快に解消した実例です。

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水平ライン強調のナチュラルなデザイン

擁壁を隠し水平ラインで統一したファサードデザイン 写真撮影:細田健太郎
擁壁を隠し、水平ラインで統一したファサードデザイン 写真撮影:細田健太郎

公道から玄関までは2m近くの高低差があり、石の擁壁が土台となっています。そのままだと圧迫感があるため、擁壁の前に新たにファサードをデザインしました。明るいベージュ色の壁を階段状に設け、木材を使ったフェンスや門扉と組み合わせてあります。

フェンスや門柱、門扉は全て横方向の板張りになっているのがポイント。縦方向のラインは高さが強調されますが、水平ラインを強調することで高低差を感じさせにくい効果があります。横格子の太さや空き具合のバランスも大切です。

アプローチ階段に工夫がいっぱい

階段脇はニオイシュロランやソテツのプランター
階段脇はニオイシュロランやソテツのプランター。

門扉を開けると左手にアプローチ階段があります。階段は濃いグレーで塀とのコントラストをつけ、蹴上げ部分は単調にならないようにタイル張りにしています。階段脇の塀はプランターにして、ニオイシュロランやソテツを植栽。段差があるため、植栽が手前と奥で重ならず、見栄えもよいです。木製フェンスには程よく隙間もあるため、風通しも得られ植物もよく育ちます。

また、この門柱の中は収納庫になっており、普段の生活で必要な掃除用具などをしまっておくことができます。機能とデザインを両立させたステキな門まわりです。

庭に向かうサイドヤードも緑がいっぱい

階段を上った踊り場周辺の植栽
階段を上った踊り場周辺の植栽。
階段を上りきったコーナーにはオリーブの高木が
階段を上りきったコーナーにはオリーブの高木が。

階段を上った先の踊り場にも植栽スペースがあり、オリーブの高木がシンボルツリーとして立派な枝葉を伸ばしていました。階段を回り込むと、住宅外壁に沿って庭へ向かう通路がありました。白やグレーの砂利敷きになっています。

アプローチからお庭へ向かう明るい通路
アプローチから庭へ向かう明るい通路。

通路沿いにはプリべット(プリペット)が植えられていました。プリベットの軽やかなカラーリーフと明るい砂利敷きのおかげで、狭いサイドヤードが広く感じられます。

プリベットは中国やヨーロッパが原産の常緑低木です。小ぶりの葉が軽やかなイメージで、欧米では生け垣としてしばしば使用されます。葉の色は緑や黄緑色のものもありますが、シルバー(白)とイエローの斑入りのものも一般によく見かけ、洋風の住宅に似合います。

刈り込みなどの手入れをしなければ、初夏には小さな白い花が咲きます。多少の日陰でも育つ丈夫な植物ですが、基本的には日当たりのよい場所で育てたほうが葉をいっぱいつけます。成長が早いので、2~3年に1度は刈り込みをしたほうがよいでしょう。

プリベットに似た葉を持つ育てやすい植物に、ツルニチニチソウがあります。プリベットに比べ葉ぶりが大きく、紫色の花が咲きます。

解放感のあるウッドデッキ

手すりのない解放感のあるウッドデッキ
手すりのない解放感のあるウッドデッキ。

サイドヤードを抜けると、芝生の庭があります。広いウッドデッキは多目的に使え、写真左手前の幅の狭い部分は、濡れ縁のように腰掛けてくつろぐことができます。

奥の広いウッドデッキのヘリ部分は段差を一段足せば、手すりをつけなくても安心して使えます。手すりがない分、解放感のあるウッドデッキになります。

敷地の向こうにはイチョウなどの緑でいっぱいの公園
敷地の向こうにはイチョウなどの緑でいっぱいの公園。

こちらから見た芝生の庭の向こうには公園があり、イチョウの高木や、さまざまな緑が。借景に恵まれた環境でステキですね。

庭は緑や照明でステキに

木材を加工した素朴な花壇の立ち上がり
木材を加工した素朴な花壇の立ち上がり。

隣家との境界側は、さまざまな植物の中に高木を混植し、目隠しフェンスの見え方を和らげています。樹木の株元には半日陰でもよく育つクリスマスローズも植栽されています。

花壇の立ち上がりには角材を横に並べ、つなぎは年輪が見えるように丸太を角切りにして地面に埋め込んでいました。ナチュラルで素朴なデザインです。

和モダン風のデザインの照明
和モダン風デザインの照明。

道路側の植栽の間には、和モダン風の黒い照明を設置。夜はレリーフから光が漏れ、幻想的な雰囲気が楽しめます。

まとめ

芝生がキレイにお手入れされた庭と解放感のあるウッドデッキ                                       写真撮影:細田健太郎
芝生がキレイにお手入れされた庭と解放感のあるウッドデッキ。
写真撮影:細田健太郎

高低差を和らげるファサードのデザインアイデアが素晴らしい実例でした。木材との組み合わせでナチュラルな柔らかいイメージを演出し、圧迫感を見事に解消していましたね。敷地と公道の高低差が著しい環境でも、ファサードのデザイン次第でこのように印象をガラリと変えることができます。

ファサードは家の顔になる部分です。ステキなデザインで、家人やお客様をお迎えしましょう!

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