在宅ワークでは家が仕事場を兼ねるため、「オン」と「オフ」のメリハリが大事。上手に切り替えるには、住空間がポイントです。今回は在宅ワークをきっかけに自宅を建てた個人邸例をご紹介します。アーバンモダンなアウトドアリビング&ガーデンが、家族やリラックスタイムを充実させてくれます。

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アーバンモダンなアウトドアリビング

中国やアメリカなど海外を忙しく飛び回るライフスタイルから、在宅ワークへと変わったことをきっかけに、神奈川県稲村ヶ崎に家と庭をつくったSさん。奥さまもご自宅で英語教室を開いており、夫婦で在宅ワークというライフスタイルです。

そんなSさん邸の1階のリビングの窓越しには、フレームで組んだウッドデッキがあります。ウッドデッキにはシェードのついた屋根があり、一歩出ればいつでも海辺の街の開放感を享受できる快適な半戸外空間になっています。

ウッドデッキの素材はアマゾンジャラ。このジャラ材は南米に分布しており、硬くて丈夫な木材です。

屋根付きウッドデッキ
ウッドデッキには木材だけでなく、黒いタイル部分も

ウッドデッキには木材だけでなく、黒いタイル部分もあり、モダンな雰囲気に仕上げてあります。黒の人工ラタンのガーデンファニチャーとモノトーンでカラーコーディネートされ、アーバンモダンな雰囲気で、とってもオシャレでした。

リビングから屋外のウッドデッキへの繋がりが、室内へも広がりや開放感をもたらす一方で、デッキにシェードが付いているため室内が暑くなりません。むしろ、シェードがちょうど深い軒のような役目を果たし、強い日差しを遮り、涼しさを体感していらっしゃるようです。

子どもやペットが安心して遊べる芝生スペース

デッキからオシャレに配置されたアマゾンジャラの階段を下りると、目の前は全面芝生。小学生のお嬢さんや愛犬のミニチュアダックスのモカちゃんが安心して遊ぶことができるスペースです。

動きのあるレイアウトの階段は広めに作られており、腰をかけたり、簡単なガーデニング作業をするのにもちょうどいいスペースです。

芝生の周囲には実のなるジューンベリーやオリーブが植えられています。

芝生スペース

タイルデッキを挟んで向こう側にも、ちょっとした芝生スペースがあります。ここでは子どもたちがプールで遊んだり、ミニチュアダックスのモカちゃんも遊んだりくつろげるスペースです。芝生なのでモカちゃんが足を痛めず安心できるとのことでしたが、ナントこの芝生は人工芝。枯れ芝も含まれる自然に近い色で、メンテナンスが掛からないことがメリットです。

シンプルモダンな玄関アプローチ

シンプルモダンな玄関アプローチ

塀やプランター、階段の立ち上がりは、住宅の外壁色に合わせたホワイトに近いアイボリー。アプローチ階段は「モルタル金ゴテ」という、非常にシンプルな仕上げです。モルタル金ゴテ仕上げとは、土間や壁面にモルタルを乗せた上に、左官職人が使用する金属製の金ゴテを使って、上から押さえてキレイに平らに仕上げます。タイルや石張りにしないで、できるだけシンプルな仕上がりにしたいという奥さまの要望を受けたデザインです。

高さが2m近い門袖は照明、表札、インターホン、ポストともに黒とマットなシルバー色で、スッキリしたデザインで統一感が出ています。樹脂フェンスはナチュラルウッド調で、前後のコントラストでナチュラルモダンなイメージです。

小ぶりの花やカラーリーフが植栽されたプランター

可愛い白花のカラミンサ(左)とローズマリー(右)
可愛い白花のカラミンサ(左)とローズマリー(右)。

プランターには、ローズマリー、カラミンサなどのハーブ類のグラウンドカバーを植栽。ローズマリーは常緑なので、ずっと瑞々しい緑をもたらしてくれます。成長が早いので、定期的に剪定しています。

カラミンサは初夏から秋まで次々と長期に渡って花が咲きます。小ぶりの白花が可愛らしいですね。どちらも暑さや寒さに強い植物です。

細長い葉のニューサイラン(左)と赤茶色のヒューケラ(右)
細長い葉のニューサイラン(左)と赤茶色のヒューケラ(右)。

また、その奥には人気のエンジ色のニューサイランや赤茶色のヒューケラが植えてありました。カラーリーフも変化があってステキです。

シンプル玄関ポーチや和モダンな植栽でオシャレに

シンプル玄関ポーチや和モダンな植栽でオシャレに

一番奥の玄関ポーチも徹底したモルタル金ゴテ仕上げで、玄関マットの黒のコントラストがシックな印象です。その右手には、立ち上がりがない木の小口のみが見えるシンプルなつくりのプランターが。ハイノキの足元には斑入りのツワブキが彩り、和モダンの趣を感じる配植です。

高木はハイノキ、足元は斑入りのツワブキ
高木はハイノキ、足元は斑入りのツワブキ。
家族

在宅ワークになったことから、海や山に近いリゾート地に移り住む方も増えています。

すぐ近くに自然がある暮らしはストレスを解消し、心身の健康によい効果をもたらしますが、仕事とプライベートのメリハリがなくなってしまうケースも少なくありません。そんなときはS邸のように、住まいにアウトドアリビングを設けてみてはいかがでしょうか。一歩出れば、オンとオフが切り替えられ、ストレスフリーの暮らしが叶います。インタビュー中、終始笑顔のご家族がとても印象的でした。

庭の設計施工:ヘブンズガーデン 宮元健太

Credit

松下高弘先生

文&イラスト/松下高弘(まつしたたかひろ)

長野県飯田市生まれ。元東京デザイン専門学校講師。株式会社タカショー発行の『エクステリア&ガーデンテキストブック』監修。ガーデンセラピーコーディネーター1級所持。建築・エクステリアの企画事務所「エムデザインファクトリー」を主宰し、大手ハウスメーカーやエクステリア業のセミナー企画、講師を行う。
2007年出版の『エクステリアの色とデザイン(グリーン情報)』の改訂版として、新刊『住宅+エクステリア&ガーデンの色とデザイン』が大好評販売中! 色の知識、住宅デザイン様式に合わせたエクステリア&ガーデンデザインとカラーコーディネート、プレゼンシートのレイアウト案など、多岐に渡る充実の内容! 書籍詳細はグリーン情報ホームページから。

著書
『住宅エクステリアのパース・スケッチ・イラストが上達する本』彰国社
『気持ちをつかむ住宅インテリアパース・スケッチ力でプレゼンに差をつける』彰国社
『住宅+エクステリア&ガーデンの色とデザイン』グリーン情報 など他多数

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