玄関アプローチなどのエクステリアや、花壇の縁取りなどをレンガで飾ったおしゃれな庭を目にしたことがある方も多いのではないでしょうか。一見ハードルが高そうですが、じつは手順さえ押さえれば、DIYでつくることができます。この記事では、レンガを使ってDIYで庭づくりや花壇づくりをする時のコツを詳しくご紹介します。
目次
庭や花壇にレンガを使うメリットは?
レンガは高い耐久性と断熱性を備えており、土が原料なので、環境にもやさしく植物と相性がよいナチュラルな資材です。水はけや通気性もよく、長く使用しているうちに風化して味わいのある質感になり、経年変化も楽しめます。価格も手頃で入手しやすく、扱いやすいものが多い点も魅力です。
レンガの種類をご紹介! 庭づくりやガーデニングに向いているのは?
レンガはまず生成方法の違いで2種類に分けられます。太陽の光で乾燥させた日干し(ひぼし)レンガと、高温で焼き固めた焼成レンガです。一般的にホームセンターなどで売られているものは、多くが焼成レンガです。
さらに焼成レンガは、普通レンガと耐火レンガに分けられます。リーズナブルなものとして普通レンガに分類される「赤レンガ」は、高温には弱いものの水に強いため、庭や花壇のDIYにぴったり。赤レンガよりも高温で焼いた「焼き過ぎレンガ」は、黒っぽい色をしています。このほかにもアンティークレンガや輸入レンガなど、さまざまなレンガが販売されています。
大きさにも種類があり、最も一般的な「普通サイズ」、普通サイズを縦に切った細長い形の「ようかん」、横に切った正方形に近い形の「はんます」、薄く半分にスライスした「はんぺん」などがあります。また、ペイビングや小道を作るのに適した「敷き用」と、フェンスや花壇の縁取りなど高く積み上げるのに適した「積み用」があります。
レンガでDIYをするのに必要なもの
次に、レンガで花壇や道を作るために必要な道具をご紹介します。
まずは、作りたいものに合わせた材料です。
使いたい種類のレンガ、基礎に敷くための砕石や川砂、珪砂などの目地砂、そしてレンガを固定する場合は、セメントやモルタルなどを用意しましょう。
また、施工のための道具も必要です。しっかりと土を掘るために、クワやスコップを使いましょう。掘った場所は、水糸やたこ糸で水平やズレがないかチェックしながら作業します。レンガを敷き詰める場合は、地面を固めるための転圧機とレンガの固定のために叩くゴムハンマーがあると、プロのような仕上がりになります。
さらに必要に応じて、レンガゴテや目地コテ、左官コテ、ブラシ、バケツ、レンガを割るレンガタガネなどがあると便利でしょう。
敷きレンガを使って庭にアプローチや小道を作ってみよう!
レンガを敷いたアプローチや小道は、庭を豪華な印象にしてくれます。手順を守ればDIYでもつくることができますよ! ここからは、その方法について解説します。
材料の準備をしたら、水平になるよう注意して地面を掘る
まずは敷く場所の寸法を測り、レンガがいくつ必要なのか計算して、材料と道具を準備します。材料を揃えたら、レンガを敷く場所が平らになるように意識しながら均一に掘りましょう。掘る深さは、レンガの厚みに加えて、下地に敷く砕石や砂の厚みの分も必要です。
セメントを使う場合は、用意したレンガとセメントがうまく接着するように、レンガを水に浸けて湿らせておきます。
レンガの下地になる砕石や敷き砂を敷いて固める
掘った場所に、下地となる砕石や敷き砂を、厚み3cmほど平らに敷いて踏み固めます。ベニヤ板があれば敷いた砂や石の上に置いて、板の上に乗ると踏み固めやすいでしょう。綺麗に仕上げるために、転圧機を使うのもおすすめです。
セメントがあれば、セメントと砂を1:3で混ぜたバサモルタル(別名、敷きモルタル。水が少ない配合のモルタルのこと)を砂の上に3cmほど敷きます。この段階では、バサモルタルは固めずに平らにしておきます。
縁取りを作ってレンガを敷く
初めに、敷く場所の外縁になる部分にレンガを置いていくと境界線が分かりやすくなり、作りやすいでしょう。
目地の部分を5mmほどあけて、好みのパターンでレンガを敷いていきます。目地の隙間はその都度目分量で決めていると時間がかかる上に、隙間の幅が均一にならず、仕上がりがガタガタになってしまいます。あらかじめ目地幅に調整した板などをガイド用として用意しておくと、作業がスムーズに進みます。
端の部分に隙間ができた場合やカーブしている場合など、小さなレンガが必要な時は、レンガタガネで割って適したサイズのレンガを作ります。
敷き終わったら、もう一度水平になっているかを確認し、浮いている部分はゴムハンマーなどで叩いて微調整します。
目地を埋めて仕上げる
レンガの目地には珪砂などの目地砂を入れます。レンガの上に珪砂をまき、ホウキや左官ブラシなどで広げていくと、自然と隙間に目地砂が入ります。目地に砂が入ったら、ホースで軽く水をまいて目地を固めます。あまり強い水流だと目地砂が流れてしまうので、シャワーなどの柔らかい水流で行ってください。下地にバサモルタルを入れている場合は、水を流すことでレンガが固定されます。
積みレンガを使って花壇を作ってみよう!
レンガを積み上げた縁取りを作ると、植え込み部分に高低差ができ、レンガの縁取りがアクセントになったおしゃれな花壇になります。ここからは、積みレンガで作る花壇の作り方について詳しく解説します。
作りたい花壇をイメージして水平に地面を掘って下地を準備
花壇を作る位置や大きさを決めます。植えたい植物をイメージして考えると、使いやすい花壇になります。位置とサイズが決まったら材料を揃え、地面を水平になるように掘り、敷きレンガの時と同じ要領で砕石やバサモルタルを敷いて下地を整えます。砕石は厚み3cm、バサモルタルは厚み2cm程度が目安です。この場合も、レンガとセメントがうまく接着するように、レンガを水に浸けておきましょう。
1段目のレンガを敷きセメントやバサモルタルで隙間を埋める
1段目のレンガは、頭が地面から2cmほど出る高さに敷きます。
レンガ同士の間隔を1〜2cmほどあけて目地を作って並べます。目地幅に調整した板をガイドとして使うと作業がスムーズです。目地や隙間はバサモルタルに水を混ぜたもので埋めましょう。
2段目以降を積んで押し固め、乾く前に仕上げる
1段目のレンガを敷いたら、水平を確認してからレンガの上にバサモルタルに水を混ぜたものを乗せます。さらにその上から2段目のレンガを1段目のレンガと互い違いになるように並べながら積み重ねていきます。これを繰り返して必要な段数まで積み重ね、ハンマーで叩いて固めます。はみ出たバサモルタルは、乾かないうちにブラシで落としておきます。
駐車場やフェンスをレンガでDIYするのも可能
レンガのDIYに慣れてきたら、駐車場やフェンス、門柱などを作ることも可能です。
駐車場は1トンを超える自動車が常時出入りする場所なので、人が通る通路以上にしっかりと下地作りをする必要があります。フェンスや門柱など高さのあるものの場合は、基礎をしっかりと作ったうえで、穴あきレンガを使って穴に鉄筋を通し、倒壊防止策を施しましょう。フェンスなどは倒壊すると、通行人にけがをさせてしまう可能性があるので、万全の倒壊防止策が必要です。
レンガの敷き方にはバリエーションがある!
レンガの敷き方には、さまざまなパターンがあります。
ランニングボンド(図下段右端)は定番のパターンで、レンガ模様といえばこのパターンを思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。並べ方は、同じ向きに置いたレンガを1段につき半分ずつずらして配置します。
ヘリンボーン(図上段左から3つめ)は、街中の歩道などでよく見かけるパターンです。レンガを直角に組み合わせた形を半分ずらして隙間なく並べたもので、レンガ同士がずれにくく丈夫な配置になっています。
バスケットウィーブ(図上段左から2つめ)は、2つのレンガの長辺をくっつけた形を縦と横に交互に90度回転させて並べたものです。広い場所に使うと見栄えがよくなるパターンです。
レンガを使ったDIYで庭や花壇をおしゃれに!
レンガを使った庭や花壇は見た目も華やかで、メリハリが生まれ、庭をより素敵に見せてくれるはず。頑張って基礎をしっかりと作り、ポイントを押さえて配置すれば、長もちするレンガのエクステリアもDIYで作ることができます。ぜひ皆さんもレンガを使ったDIYにチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
Credit
文/3and garden
ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。
新着記事
-
ガーデン&ショップ
「第3回 東京パークガーデンアワード 砧公園」 ガーデナー5名の“庭づくり”をレポート!
第3回目となる「東京パークガーデンアワード」が、東京・世田谷区にある都立砧公園でキックオフ! 作庭期間は、2024年12月中旬に5日間設けられ、書類審査で選ばれた5名の入賞者がそれぞれ独自の手法で、植物選びや…
-
宿根草・多年草
花束のような華やかさ! 「ラナンキュラス・ラックス」で贅沢な春を楽しもう【苗予約開始】PR
春の訪れを告げる植物の中でも、近年ガーデンに欠かせない花としてファンが急増中の「ラナンキュラス・ラックス」。咲き進むにつれさまざまな表情を見せてくれて、一度育てると誰しもが虜になる魅力的な花ですが、…
-
ガーデン
都立公園を新たな花の魅力で彩る「第3回 東京パークガーデンアワード」都立砧公園で始動
新しい発想を生かした花壇デザインを競うコンテストとして注目されている「東京パークガーデンアワード」。第3回コンテストが、都立砧公園(東京都世田谷区)を舞台に、いよいよスタートしました。2024年12月には、…